小川洋子の偏愛短篇箱 (河出文庫)

制作 : 小川 洋子 
  • 河出書房新社
3.72
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本棚登録 : 790
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411552

作品紹介・あらすじ

この箱を開くことは、片手に顕微鏡、片手に望遠鏡を携え、短篇という名の王国を旅するのに等しい――十六作品に解説エッセイを付けて、小川洋子の偏愛する小説世界を楽しむ究極の短篇アンソロジー。

谷崎から田辺聖子まで、小川洋子が「奇」「幻」「凄」「彗」のこだわりで選んだ短篇作品集が文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 2009年に出た単行本の文庫化
    小川洋子が選んだ16篇とその解説エッセイ。

    購入予定

  • 小川洋子さんが偏愛する短編小説を集めた本。

    良きものばかりで、静かな気持ちで読めた。

    小説を読んで、想像力豊かに匂いや空気を感じ取れる人間になりたいものだと思った。
    きっと小川さんはそれを自然にやっている人なのだろう。

    私にはまだできないし、やっても不自然なものになってしまう気がする。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「小川さんはそれを自然にやっている人」
      ストーリー展開そっちのけで、アレコレ考える時がありますが、プロの方って、チェスの指し手のように、ズ...
      「小川さんはそれを自然にやっている人」
      ストーリー展開そっちのけで、アレコレ考える時がありますが、プロの方って、チェスの指し手のように、ズッと先まで行くんだろうなぁ、、、
      2014/04/23
  • 小川洋子さんへのリスペクトが高まった。単行本で読んだので、名久井直子の装丁もとても素敵。

    金井美恵子さんの作品を読んだことがなかったので、これを機にとても興味を持った。

  • 小川洋子さんを構成する物語の数々の一端を垣間見ました。
    面白かったです。
    「押絵と旅する男」「雪の降るまで」のみ再読だったのですが、どちらも大好きです。特に、雪の~の以和子さんは不思議な魅力があります。
    その他は、「兎」「お供え」の狂気が好きで、それぞれの作者の金井美恵子さんと吉田知子さんは文庫を買いました。
    「みのむし」を外で読んだので、たけさんの絶望とその後の行動に泣いてしまいました。
    それぞれのお話の後についている、小川洋子さんの小さなエッセイも好きです。小川洋子さんはこのような読み方をされるのだな、と。
    もうひとつの小川洋子さん編集の本も持っているので、読むのが楽しみです。

  • その名の通り小川洋子さんが偏愛している短編の詰め合わせ。小川洋子さんの短編大好きだから、中になに入ってるか確認しないで購入したんだけど、やはり大当たり。ていうか私も偏愛している作品がほとんどで、いわば、すごく便利な短編集だ。一冊にしてまとめて持ち歩きたいなーって作品が8割。島尾敏雄の息子さんの作品は初めて読んだ。

    殊に「奇」の章がお気に入り。

    また、こういう短編集作ってくれないかな。

  • 面白かったけれど、一読では理解できない作品が多かった。これは何かのメタファーかしらと頭を傾げながら読む感じ。小川さんの解説は解説ではなく、読んだ印象を語るものが多かった。それでも、彼女の文章大好きだが。

  • 最後の吉田知子の「お供え」、すごかった。戦慄。こんなの読んだことない。どんな人なんだろう?
    すすめられて読むと世界が広がる。いい本だったなー。

  • さすがは小川洋子さん、目の付けどころが違う。
    どんな話が出てきても、解説エッセイを読んでしまえば素直に受け入れてしまう。
    なかでも一番、衝撃作だったのが金井美恵子さんの兎。
    あの冒頭で不思議の国のアリスを意識した話なのかと思ったら、展開のあまりの血生臭さにいろんな意味で裏切られた。
    この時頭の中で描いた光景を、私は一生忘れないと思う。

  • タイトル通り、小川洋子さんの偏愛する短編のアンソロジー。収録作品は16作。

    内田百けん「件」
    江戸川乱歩「押絵と旅する男」
    尾崎翠「こおろぎ嬢」
    金井美恵子「兎」
    谷崎潤一郎「過酸化マンガン水の夢」
    川端康成「花ある写真」
    森茉莉「二人の天使」
    田辺聖子「雪の降るまで」
    向田邦子「耳」
    三浦哲郎「みのむし」
    宮本輝「力道山の弟」
    横光利一「春は馬車に乗って」
    牧野信一「風媒結婚」
    武田百合子「薮塚ヘビセンター」
    島尾伸三「彼の父は私の父の父」
    吉田知子「お供え」

    百けんや乱歩、尾崎翠と金井美恵子は既読で大好きな作品でしたが、知らない作家ですごく面白かったのが吉田知子の「お供え」。なんとも不条理で悪夢的。淡々とした描写なのに妙に魅力的な武田百合子「薮塚ヘビセンター」も良かった。

  • いきなり序文が名作です。必死で隠すわけではないけれど、できれば人には見せたくない、時折取り出してはこっそり楽しむコレクション。それを表に出すのはさぞかし勇気と勢いが必要だったことでしょう。
    正直なところ、収められた短編のうち理解できたのは2作品だけ。「件」の悲しみもいまいちピンとこなくて、目の前に小川氏がいたとしたら微妙な空気が流れていたでしょう。けれどどの作品も、この人にとって大切なコレクションで、それを打ち明けてくれたのだと思うと無碍に突き放す気になれない。信頼されたようでちょっと嬉しくて、少しは理解できないかと努力したくなる。人間同士の距離の詰め方というのは、こういうものではないかと思います。
    各短編に寄せられた解説は、自分とは異なる視点の面白さを感じられました。解説を読んでから短編を読み返すと、全く新しい景色が見えてくるかもしれません。

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