その日の墨 (河出文庫 し 21-1)

著者 :
  • 河出書房新社
3.43
  • (1)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 79
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413358

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小学生の頃から、墨の匂いは好きだけれど、筆の使い方はてんで出来なかった。

    ひたすら硯に向かって墨をすることが楽しくて、字を書いたという記憶はあまりない。

    書道をする人は、線が好きだという。
    字が好きではなく、線というのは何故だろう。
    筆者はまた、活字は記号だという。
    人が生々しさを込めるとは別に、伝達手段として潔くあれと語る話は、素敵だなと思った。

  • リリース 佳奈子さん(交換不可)

    佳奈子さん、エッセイのベスト1と超オススメ本。

    著者の『篠田桃紅』紹介。

    女性の美術家、版画家、エッセイスト。
    中国台連生まれ、幼い頃から、水墨画の手ほどきを受けた。
    1956年から58年にニューヨーク滞在中、米国各地で個展を開催して注目を集めた。
    『絶対に描きたくないものは描きません』『人として何が完成形なのか、わかりません』といったきっぷのいい語り口が多くの共感を呼んだ。
    エッセイも有名で、本作も含めて、『墨いろ』など、
    多数の著作がある。
    『103歳になってわかったこと』が人気を博した。

    本作は、書の修練によって墨で独自の美を創り出したエッセイであるとともに、著者自身の半生の記にも
    なっている。

    昨年3月1日に老衰の為、107歳で亡くなった。

  • 日常で目にするものの色合いや、日本語の美しさ、著者の人生に臨む厳しさが伝わってきた。一気読みではなく、一つ一つを噛み締めて読んだ本。

  • 筆との出会い、墨との出会い。戦争中の疎開先での暮らしから、戦後の療養生活を経て、墨から始めて国際的抽象美術家に至る、代表作となった半生の記。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田桃紅の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×