人生はこよなく美しく (河出文庫 い 24-7)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414409

感想・レビュー・書評

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  • シャンソン歌手・石井好子さんのエッセイ集(でいいのか?)

    雑誌や企業のPR誌に連載されていた記事が多めか。

    色々な家庭の料理を訪ね歩く記事は、取材の対象となっているのが中流~上流のご家庭(なんだと思う)。当時としてはちょっとハイレベルな「あこがれのおうち」というか、そんな感じがする。

  • 石井さんの本を読むと背筋がしゃきんとする。

    記憶に残ったフレーズ

    ウィスキーの話
    「疲れているときに強いお酒を入れると、よみがえるのよ。」

    こんな風にお酒を楽しめるような人間になりたい。

    あとこれね。
    「食べないとだめよ。食べない人は弱いわ。」

    職にあんまり興味のに私は、うーん、となってしまいました。

    食に興味がない分、食べるときはなるべく体に良いものを摂取したいと思います。

  • 長い間、石井好子さんのエッセイが気になっていて、ここのところ新装版が読みやすい文庫で次々に刊行されているので、何冊か買いそろえていたところの、初読みである。

    懐かしく上品な雰囲気。読みやすい文章。
    最初の12編は、「ミセス」に連載されていたもので、上流の奥様の雑誌にふさわしく、洋食を手料理される奥様や紳士のご家庭にお招きされての取材記事。
    写真入りで、「ああ、懐かしい昭和の…憧れの上流階級」という感じだ。
    “セレブ”という、派手でペラペラした言葉は似合わない。
    庶民は、ご飯に味噌汁と香のもの、家長にだけサンマの塩焼きがつく、という時代だ。

    まだ海外渡航が難しかった1951年にパリに渡って、シャンソン歌手として海外暮らしをされたこと。
    様々な苦労はあったと思うが、日本に籠っていては目にすることのかなわない美しいものもたくさん見て、それが石井さんの美意識を作って行ったようだ。

    日記風の「美味散策」は、近年の作品。
    そこに書かれた料理を見て、前半の取材記事と比べると、ああ、日本人は雑多なものを食べるようになった…石井さんでも雑なものを無意識に食べさせられている…
    時代だなあ~と思った。

    秘書の方が寄稿されている。
    石井さんが、それほど苛烈で厳しい方だったとは行間に読みとれなかったが、良く読み返してみれば、妥協のない生き方をしてきたことの結果なのだろうと気付いた。

    解説には「石井好子の入門書」としてこのうえない良書とも書かれていたので、偶然とはいえ、最初に読んで正解だった。

  • 祖母よりも早い生まれの人なのに、すごい粋な人がいたものだなぁ。

    2016.4.2

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。52年、パリでシャンソン歌手としてデビュー。各国の舞台に出演し、帰国後はエッセイストとしても活躍。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)等著書多数。2010年逝去。

「2020年 『いつも夢をみていた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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