おばんざい 秋と冬: 京の台所歳時記 (河出文庫 お 38-2)

  • 河出書房新社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 44
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309417530

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やわらかな響きのことばが連なり、ところどころ意味をつかみかねつつも、ゆるゆると読んでゆける。夜更けに聴くラジオのような、一編ずつは短い随筆集。
    京都の野菜や日々のおかず、決まりごと、失われかけている風習・・・1964年初出ということで、いまはもう誰もやっていないようなことも、含まれているかもしれない。
    食べることにまつわる厚み、深みを端々に感じる。

  • おばんざい。
    そう聞くと、ほとんどの方が「京都の料理」というイメージを浮かべるだろう。
    でも、おばんざいは、特別な料理ではなく、おかず。
    おかずだから、高級なものでも、贅沢なものでもなく、庶民の味が個々の家家にあるもの。

    この本の大本は、1964年の京都新聞に掲載されたエッセイ。
    1964年というと、57年前。
    なのに、この本を読んでいると、古さを感じない。
    まあ、たしかに、セピア色をした風景を思い出しはするけれど、今でも、代々続く京都のお家ではありそうなエピソードたち。
    (実際は、廃れてしまった文化も多いが)
    ほっこりする話。
    あわい話。

    ちなみに、わたしが読んでいて、出てくる言葉に違和感を感じないのは、京都検定を受けたからだと思う。
    京都検定で覚えた知識そのものがこのエピソードたちだったりしたから。
    もし、これから京都検定を受けようかな?と思う方がいたら、ぜひ、これを読んでおくと、「丸暗記」では終わらず、しっかり知識が根付くと思う。

    楽しい本でした。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1924年、京都、祇園近くの造り酒屋に生まれる。著書に『私の手もと箱』『私の酒造り唄』など。

「2020年 『おばんざい 秋と冬 京の台所歳時記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

秋山十三子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×