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- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309417530
感想・レビュー・書評
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やわらかな響きのことばが連なり、ところどころ意味をつかみかねつつも、ゆるゆると読んでゆける。夜更けに聴くラジオのような、一編ずつは短い随筆集。
京都の野菜や日々のおかず、決まりごと、失われかけている風習・・・1964年初出ということで、いまはもう誰もやっていないようなことも、含まれているかもしれない。
食べることにまつわる厚み、深みを端々に感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おばんざい。
そう聞くと、ほとんどの方が「京都の料理」というイメージを浮かべるだろう。
でも、おばんざいは、特別な料理ではなく、おかず。
おかずだから、高級なものでも、贅沢なものでもなく、庶民の味が個々の家家にあるもの。
この本の大本は、1964年の京都新聞に掲載されたエッセイ。
1964年というと、57年前。
なのに、この本を読んでいると、古さを感じない。
まあ、たしかに、セピア色をした風景を思い出しはするけれど、今でも、代々続く京都のお家ではありそうなエピソードたち。
(実際は、廃れてしまった文化も多いが)
ほっこりする話。
あわい話。
ちなみに、わたしが読んでいて、出てくる言葉に違和感を感じないのは、京都検定を受けたからだと思う。
京都検定で覚えた知識そのものがこのエピソードたちだったりしたから。
もし、これから京都検定を受けようかな?と思う方がいたら、ぜひ、これを読んでおくと、「丸暗記」では終わらず、しっかり知識が根付くと思う。
楽しい本でした。
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