海の見える無人駅: 絶景の先にある物語 (河出文庫 し 32-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309419749

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  • 清水浩史『海の見える無人駅 絶景の先にある物語』河出文庫。

    日本全国にある9,000駅の中から海の見える無人駅30駅を厳選したルポルタージュ。巻頭に16ページのカラー写真で30駅が紹介されている。海の見える美しい景色に加えて、その土地を描いた文学、歴史なども紹介されており、旅情を誘う。


    オホーツクにいちばん近い駅で有名な北海道の北浜駅は40年前に1ヶ月間、周遊券を使って北海道旅行をした際に降り立った。当時、周遊券は学割で2万円という価格でJRの鉄道やバスが乗り放題だった。

    青森県の五能線にある轟木駅。五能線は一度、乗ってみたい路線だ。日本海に沈む夕陽を眺めながら、走る列車の度は格別だろう。

    岩手県の八戸線の有家駅。降り立ったことはないが、すぐ目の前でサーフィンが出来るので何度か行ったことがある。隣の八木駅も海に面した駅でサーフィンが出来る。

    他の海の見える無人駅もなかなか魅力的であるが、廃線の危機にある駅もあるようだ。国鉄が民営化され、JRになってから不採算路線は簡単に廃線になる傾向がある。公共の足として生活の一部であったはずの鉄道が採算だけで、廃線や列車の本数が削減されるのは余りにも酷いことだ。

    日本の政権を握る自民党の政治家は、西日本や秋田県の水害をガン無視して、韓国の水害に御見舞を申し上げ、海外視察という名の海外旅行に出掛け、多額の税金を海外にばら撒いている。

    これから少子高齢化社会が本格化し、ますます公共の足は奪われることになるだろう。最早、日本は貧乏国に成り下がったのだから、身の丈に合わない税金の海外へのばら撒きを止めて、国内のために使うべきだ。

    本体価格890円
    ★★★★

  • ホームから海が見える無人駅30駅を紹介。実際に筆者が訪れた旅行記でもある。ちょっと立ち寄っただけではなく、場所によっては何泊かして周辺を探索し、環境などについて考察がされている。多くの参考文献が掲載されているのに驚いた。

  • 全国の海が眺められる無人駅を30駅チョイスして、各駅の短編旅行記、という内容です

    駅にまつわる話もあれば、周辺の土地柄、雰囲気、その場でたまたま出会した出来事など、話の中身は多岐にわたっていて飽きることはなかったです

    特に面白かったのは、駅から少し足を伸ばして訪れる離島の話。昔は有人島だったけど、色々あって今は無人島になった島もあれば、ただの岩と言われても仕方ない小さな無人島まで、とにかく気になったら船を使って訪れて、様子や瓦礫から感じる雰囲気や物語は読んでいて興味深かったです

    仕事の合間を見つけて、限られた時間を有効活用して旅をしている感じも出して下さっており、少し真似してみてもいいな、と思いました

  • 「失われつつあるもの」に気づくことは、現地に行かないとわからない。
    周辺の環境から見えてくる、その先を想像できるようになること、それが自分の中に「豊かさ」つくる。
    詰まるところ、旅をする意味とは「豊かさ」を獲得することではないだろうか。
    周縁にいく意味。周縁であっても、決して自分とは無関係ではなく、回り回って自分とつながっている。「失われつつある」ことが「自分ともつながっている」ことに気づくこともある。「駅」と「線路」が、「点」と「線」との関係と同じように、鉄道が知識と想像力を拡げてくれる、乗り物として存続してほしいと思う。

  • 無人駅から海を臨む旅行記。読んでいるとあちこち旅をしたくなった。

  • <目次>
    北海道
    東北
    関東・中部
    近畿
    中国
    四国
    九州

    <内容>
    海辺の無人駅とその周りの様子を実際に訪ねて、そこからさらに見える風景の中へ飛び込んでいく(例えば、沖合の島に向かうなど)。割と淡々と描いているのだが、物語が見えてくる。

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著者プロフィール

1971年生まれ。編集者、ライター。早稲田大学政治経済学部卒業。テレビ局や出版社を経て独立。著書に『秘島図鑑』『海駅図鑑』(河出書房新社)、『深夜航路』(草思社)、『不思議な島旅』(朝日新書)など。

「2023年 『海の見える無人駅 絶景の先にある物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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