ジュリアン・バトラーの真実の生涯 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 224
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309420202

感想・レビュー・書評

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  • 言葉の遅効性 「いいね」で決まる価値に抗う 翻訳家・文芸評論家・鴻巣友季子〈朝日新聞文芸時評21年10月〉|好書好日(2021.11.06)
    https://book.asahi.com/article/14470676

    【書評】巧みな語り/騙りによって実在の人物になる〈二十世紀のオスカー・ワイルド〉『ジュリアン・バトラー の真実の生涯』 【書評】『ジュリアン・バトラー の真実の生涯』著◎川本 直 |教養|婦人公論.jp(2021年12月19日)
    https://fujinkoron.jp/articles/-/5013

    【聞きたい。】川本直さん 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』 批評と溶け合う永遠の愛 - 産経ニュース(2021/11/7)
    https://www.sankei.com/article/20211107-WIAIBGR3KNKNVC6KSPHL772BHY/?913229

    ジュリアン・バトラーの真実の生涯 :川本 直|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309420202/
    (単行本)
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309029832/

  • 華麗にして緻密な作風と美しい容姿、奔放な生活で知られた作家、ジュリアン・バトラー。しかし彼の小説には秘密があって…という所から始まる、架空の伝記。
    実在の会社や人物が古今東西を問わずにぎにぎしく出てきて、知らない名前の方が圧倒的に多いのに飽きさせない。
    作りが面白いのでそれに気を取られるけれども、実は最後に語られる主人公の人生の解説(手前味噌ともいう)が一番心に残る。
    一人の人物への執着、対抗心、幻惑そして幻滅。もしかしたらあったかもしれない軽侮、単純に無垢なものを可愛いと思う気持ち。
    その人に出会わなければ、地味で堅実な一生を送っただろうに、人生を波乱万丈で色鮮やかにしてくれた人を、そうは思えなくても多分、愛していたんだなと思う。
    晩年、幸せそうでよかった。

    全編通して割と裕福だったり、たまに出てくる食べ物や衣装が魅力的なのも、肩肘張らず楽しめるポイントかもしれない。
    そういえば、GoogleMapsとFacebookだけは英語表記なのは何だったんだろう。

  • 「評伝に擬態したフィクション」ってのはさほど目新しくはないっちゃないけど、登場人物で名前知ってたのはウォーホルとカポーティ、端役やけどハリーズバーのチプリアーニくらいでもオモロかった。今で言うLGBTQだったりゴーストライターだったり作家同士の文学論争から始まった私怨、どつきあいだったり、何処を変わらん話やねんなぁ…フィクションやけど。

  • 知識と記憶力があればもっと楽しめたと思う
    参考文献のあとにフィクションの文字があるのが最高に良かった

  • 架空の作家の生涯をたどりながら,アメリカ文学史を違う視点から描き出す。


    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2023/11/19/114519

  • 実在の作家達の乱痴気騒ぎには呆れを超えて、笑いとそこまで情熱を傾けて…と感心せざるを得なかった。20世紀の裏文学史?

  • 刊行後ずっと評判を聞いてて、この夏ようやく読んで大興奮だった作品、待ってましたの文庫化。

  • とっても面白くて大好きです!
    フェイクなんだけど、随所にリアルも混ざってるから、本当の出来事、本当に存在した人なんじゃないかと錯覚してしまうほど最初から最後までグイグイ引き込まれて一気読みでした。
    派手な装飾の中に隠れてしまってるけど、愛してると言わない(言えない)ジョージとジュリアンの愛の物語がとてもロマンチックで哀しくて素敵でした。
    ここ最近で1番好きな作品です!

  • 圧倒的知識量と歴史考察から綴られるフェイク伝記。架空の人物を実在の著名人と絡ませたり、実は本当の事なのではと錯覚させる説得力と熱力がある。
    ただ、文脈や文学史の随を楽しむ作品であり、分かりやすいストーリーを楽しむ物ではない為、好みが分かれる作品。

  • フェイク回想録としては前半の方が良くできていて、ほとんどホントのことなんじゃないか信じてしまいそうになる。迂生の文学史の知識はごく浅いものですがそれでも面白かった。よく知ってる人ならもっと面白いと思います。それとも、この作家はこうじゃないとか言いだして、却ってへそを曲げたりするでしょうか。途中から明らかに筋が小説のものになって、虚実皮膜っぽさは薄れます。まあ、前半の方が面白かったですかね。

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著者プロフィール

1980年生まれ。文芸評論家。『新潮』『文學界』『文藝』などに寄稿。著書に『「男の娘」たち』(河出書房新社、二〇一四)がある。現在、フィルムアート社のWebマガジン「かみのたね」で『日記百景』連載中。

「2019年 『吉田健一ふたたび』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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