20世紀SF 6 1990年代 (河出文庫 ン 2-6)

著者 :
制作 : 中村 融  山岸 真 
  • 河出書房新社
3.74
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本棚登録 : 160
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462073

作品紹介・あらすじ

20世紀の英国圏SFを年代別に集大成したシリーズ第6巻は、現実の世界がSFと化した時代、1990年代編!現代SFの最先端を行くイーガンの新訳「しあわせの理由」、シモンズの名作『ハイペリオン』の原型「ケンタウルスの死」、マコーリイの表題作ほか、バクスター、ソウヤー、スティール、マクドナルドら21世紀SFの巨匠となるべき作家たちの饗宴全11篇。全6巻完結。

感想・レビュー・書評

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  • どの掲載作も傑作ばかりですが、個人的にバクスター『軍用機』が好みです。アポロ11号が失敗し、その後、米ソが熱核戦争へ進み、最期には・・・というストーリーなのですが、ちょうど80年代に多感な時期だった自分には、ひょっとしたらこちらの小説の方がリアルだったのではという恐怖を感じました。

  • 1990年代と言えば、日本ではバブルの絶頂期を迎え、そしてその後の失われた20年が始まる頃である。このアンソロジーを読むと、日本の事情は関係なく(当たり前だけどね)、新しいSFを構築していった時期なのかもしれない。しっかりと当時の科学をベースにし、フィクションを構築する。もちろん、現在から近いので、馴染みがある作家や作風が多いので、しっかりと自分の中に入ってくる。どの作品も個性的で面白い。

  • 1990年代海外SF短編集。
    『しあわせの理由』は前にイーガンをマイマストバイリストに入れた一編だったけれど、障害者になってから再読してみるとなかなかキツイしろもんだわ…(;^_^A
    80年代のSF傑作選までは既知の作家作品のオンパレードだったけれど、90年代に入ると興味が広がったり、偏ったりで網羅しきれなくなったってことか

  • 「しあわせの理由」が突き抜けて好きだ。
    大げさに言ってしまえば、これを読む前と読んだあとでは世界が変わる。
    事ある毎に思い出す。

    あとは「平ら山を超えて」が妙に印象に残った。
    「遺伝子戦争」も好き。

    「マジンラ~」は日本人としては誇らしく面白がるべきかもしれないが、対して面白く感じられなかった。

  • これもやっとこ積み本消化。20世紀末の作品を集めたこの巻、テーマは「融けゆく境界」でしょうか。巻末解説も合わせて見渡すと、「現実と虚構」「人間と機械」「人間と他の生物」「SFと他のジャンル」、果ては作品同士の、境界線が薄くなり、混沌としていることがうかがえる。それはたぶん、グローバル化やハイ・テク化、情報化が進み、るつぼのようになった現実世界を反映しているのだろう。ここから何処へ行くのか。ゼロ年代が終わって、いま私たちが見ている世界はどんなものだろう。
    「日の下を歩いて」:心情描写と月の索漠とした情景描写が同居する妙。「キリマンジャロへ」:美しく儚い恋物語から、グロテスクな結末へ。どんなものもなべて、熟しすぎると腐る。「マジンラ世紀末最終大決戦」:笑。音読したくなる。

  • 色々なジャンルのSF作品11篇が集まった短編集で読みごたえは抜群。
    第1巻が1940年代、第2巻が1950年代……と年代別に刊行されていて、順番に読むとSFの歴史の流れがよくわかるようになっている、はず。私は6巻から読んでしまったので……。

    解説を読むと、SFはその作品が描かれた当時の文化や技術と深く関係しているということがよくわかる。こういう文化があったからこんなSFが流行したのかーって知るのは楽しかった。

    しかし短編集は、長編に比べて短いなかで世界観を把握しなきゃいけない、専門用語の説明が短いなどの点から考えるとあまり初心者向けではないのかなーと思う。宇宙やロケット、兵器関係の用語などは結構難しくて分からない部分が多い……。

    私にとってはこの本を読んだことで、宇宙、ロボット、生命科学など、様々なSFが揃っている中から「自分はこういう系が好きなんだ~」と知ることができたのがよかった。

  • いい意味でバラエティあふれてます。
    『しあわせの理由』を読むのはもう10回目くらいか。

    基本的にみな端正な作品。

    マジンラ以外は……これを訳せるのは山岸真か大森望だろう、と思って訳者を見たら、やっぱり山岸真でした。

  • うーん。なんか思ったほど凄いモンでもなかったかな。バイオ系は一時期もて囃されたけど流石に過剰すぎる様な

  • 2005年1月19日

    カバーデザイン/祖父江慎
    カバー装画/早川モトヒロ
    フォーマット/粟津潔

  • 6巻はとうとう1990年代。
    所収作品は
    ・『軍用機』……スティーヴン・バクスター
    ・『爬虫類のごとく……』……ロバート・J・ソウヤー
    ・『マジンラ世紀末最終大決戦』……アレン・M・スティール
    ・『進化』……ナンシー・クレス
    ・『日の下を歩いて』……ジェフリー・A・ランディス
    ・『しあわせの理由』……グレッグ・イーガン 
    ・『真夜中をダウンロード』……ウィリアム・ブロウニング・スペンサー
    ・『平ら山を越えて』……テリー・ビッスン
    ・『ケンタウルスの死』……ダン・シモンズ
    ・『キリマンジャロへ』……イアン・マクドナルド
    ・『遺伝子戦争』……ポール・J・マコーリイ

    いつもながら、書評なんてものは書けないので簡単な感想。
    全巻を通して、6巻が一番読みやすかったような気がする。
    それだけ、現代っつーことかな。

    気に入ったのは、やはり(笑)『マジンラ世紀末最終大決戦』。
    やっぱ、日本人は実用如何にかかわらず、巨大ロボットは作らなくちゃダメでしょう。そう思わずにはいられない佳作(笑)。

    『日の下を歩いて』。
    月で遭難してしまった主人公。
    ソーラーエネルギーの宇宙服だが、月の夜がすぐ迫っていた。そこで取った策とは?
    かなりお気に入り。壮大な宇宙ものより、こういうすぐ隣の宇宙ものの方が好み。
    『月は地獄だ!』よりも、まさに一歩一歩という感じがたまらない。

    『しあわせの理由』。なんかいい。
    現代版『アルジャーノンに花束を』って感じかな。
    ある意味、超脳力を手に入れて、ラストで主人公が気づくという筋が似てる。
    イーガン読もうかな。

    『ケンタウルスの死』。
    ラストのしんみりさが泣ける。

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