- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309467955
感想・レビュー・書評
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傷ついたことに後になって気づくことがよくある
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【選書No】181
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7篇の短編小説集に別の作品集に掲載された1篇をまとめた日本独自の短編小説集。韓国の現代社会の日常を記録したようでいて、どこか寂しく悲しくだが温かくもある。絶妙な空気感は日本の小説にはない佇まい。表題短編小説集に追加で含まれた「三豊百貨店」は実際の事故をモチーフにした作品。その読後感は我々の日常にも起きることかもしれないと思うと何とも言えない読後感がある。
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ずっと苦しい。気づいたら苦しさのなかにいて、この苦しさは解決されそうにもない。
懸命に働いてもなんとか暮らせるだけ。金銭的に豊かになったとしても、そこから振り落とされないように"レベルの高い"住宅、教育やしがみつく。しがみつくことでいろんなものをとりこぼす。は〜〜〜苦しい。何を抱えて生きていきたいのかを考える余裕も余地もない。いつのまにか倒れて来るドミノのなかにいる、というのはすごい表現。
「三豊百貨店」の「その豪華さで天下に名を馳せた江南の三豊百貨店崩壊事故は大韓民国が奢侈と享楽にまみれていることを諌める天の警告かもしれない」という文言が心底腹立った。どんなお給料でどんな生活をしてる人による労働でそこの場が成り立ってたのか想像したこともないやつの言葉。はちどりもみよう。
(待望の文庫化めちゃくちゃうれしいけど1,000円超え高い!!!!それでも文庫化ありがとう!!!!)