日本人が大切にしてきた伝統のウソ (KAWADE夢文庫 1154)

著者 : オフィステイクオー

• 河出書房新社 (2020年12月14日発売)

感想・レビュー・書評

[tatsugorouさんの感想 · 2021年4月10日]

これまで、日本の伝統だと思っていた数々のことが、実は明治時代につくられたという衝撃的な内容。良い意味で、価値観をひっくり返してくれる。たとえば「夫婦同姓」。夫婦が同姓であることは、家族の絆を強めるなどといわれ、昔からの日本のよき伝統であるかのように思われているかもしれないが、日本史では、夫婦別姓がスタンダードでたった（源頼朝の妻は北条政子で別姓であることからも明白）。明治の戸籍法でも別姓が基本であった。それが、夫の姓を名乗るように強制されたのは旧民法が施行された明治３１年（１８９８年）。なんてことはない、１２０年そこそこ前の話。日本史の尺度では、つい最近のできごとだ。痛快だ。

著者プロフィール

2000年創業、2012年設立の大阪に拠点を置く編集プロダクション。歴史・ミリタリー・科学・オカルトなど、執筆ジャンルは多岐にわたる。著書に『日本人が大切にしてきた伝統のウソ』（小社刊）など。

「2021年 『古今東西トンデモな法律』 で使われていた紹介文から引用しています。」