教えから学びへ; 教育にとって一番大切なこと (河出新書)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631363

感想・レビュー・書評

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  • 教育関係の新書の中ではかなり読みやすかった!
    読みながらたくさん折り目をつけられた!

    気づき
    ・世界大学ランキング10年連続1位のマサチューセッツ工科大学では、音楽や芸術を重視
    ・いわゆる仕事ができるかできないかと、選考での筆記試験の結果は一致しない
    →勉強だけが出来ればいいわけではない

    ・受動的な学び、能動的な学びそれぞれの効果を有効活用する どちらかに偏らない

    ・社会で与えられた意味=語義meaningを理解し、さらに自分の経験に基づく価値のある意味=senseを上乗せしていくことで理解が深まっていく
    →語義だけ無理やり覚え込んでも真の理解にはなっていない

    ・「認知的スキル」読み、書き、計算、問題解決、思考力などに加え、「非認知能力」忍耐力、自制心、レジリエンス、責任感、好奇心、精神的な安定を備えることも求められていく
    →言われた通りにやるだけではなく自分で考えて行動することが重要

  • はじめに、から赤線とドッグイヤーの連続!

    この人の元で教員になりたいと思う人はたくさんいるんじゃないかなあ。

    教育に携わる人もそうでない人も、親も子供も、ぜひ読んでほしい。何で勉強するの?これは将来に役立つの?という問いを持ったことのある人ならぜひ。

    休職教員としての感想。
    私はこんな授業、あんな活動、どんどん実践アイデアが出てくる。ただし、現場に出た時にできるかどうか。無理な気しかしないというのが本音。
     子ども食堂についての地域コミュニティの話や、午後は授業でなく体験的にとか、とても理想で実現してほしい!と強く思う反面、そんな余裕どこにあるの?先生以外の誰が賛同してくれるの?という思いも強い。世の親が未だに知識重視とか、教育だけでなくしつけまで学校任せとか、そう思うエピソードがたくさんあるから。

    だからこそ、こういう風に考えて、本を書いて、影響力のある人とともに何かできたら、支えられたらと思う。他の本も読もうと思った。

  • 受験の課題図書として読みました。新書は初めてで読む前は手を付けにくい印象がありましたが、分かりやすく、これからの教育についてよく考えさせられる良い本でした。

  • 盛りだくさんの内容である。一般向けではあるが、教員養成の学生にとっても参考になることが多いので読んでみて損はない。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50274249

    なぜ教育には「~しなければならない」が多いのか? どうすれば「みずから学ぶ」環境はつくれるのか?教え方ではなく、子どもの学びの深め方からいま必要な教育の本質を考える。 (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • まさに現代の教育について書かれており、読みながら「たしかに」「なるほど」と何度も呟きながら読んだ。面白い。
    以下、自分の考えとつなげて本書の紹介。

    教育の目的の一つとして、自分が生きている世界や社会の課題を具体的に知り、その解決と夢や希望をつなげることとあった。学習指導要領に書かれている教育の目的は、自分の人生と社会をより良くするために必要な力をつけるといったような内容もあったと思うので、この部分とつながると感じた。(間違っていたらすいません)

    また教科や学年を分けるというのは、そもそも特殊なことであり、年代を超えて学ぶことや教科の枠にとらわれないことも大切だとあった。これは子どもの視点から見て賛成する部分もあるが、やはり今負担が大きい教師目線からすると、教えやすさを多少は重視することも必要なのではないかと思う。ただ教科学習をする中で、目先の知識ばかりでなく、人間の面白さや深さを徹底的に体感することも重視することは必要だと思う。すぐに役立つ知識ばかりを教えないということにつながるかも…

    学校だけでは学びの場ではない。学校以外の場での出合いが子どもの学び(成長)のきっかけになる可能性は大きい。

    子どもだけでなく、子どもに関わる大人(教師や親など)も主体的に学ぶ姿勢を大切にする姿勢は大切だということには大賛成である。大人が主体性を大切にしているからこそ、その大人との関わりの中で子どもの主体性(学ぶ意欲)も育つ。

    主体性の原点は、問いを持つこと。これは小学校の先生が教材との出会いをどのようにするかあれこれ考えることからも、繋がる部分がある。問いから始まる授業が理想的。

    ・エージェンシー=当事者性
    ・語義は一般的/意味は自分的にどうか

  • ・教える側ではなく、子ども達の側に立った教育が考えられている

    ・「教えから学びの転換」

    ・「子どもが「生きているっていいな」と思える場をつくる」

    ・「全ての学問はつながっている」

    ・教師達が「これが大事だ」と思っていることの大部分が、子どもたちにとってはつまらない

  • SDGs|目標4 質の高い教育をみんなに|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/762195

  •  アクティブラーニングの、アクティブとパッシブの捉え方、「そのまま」に世界を受けとめるパッシブな体験が学びにとって大事であるという指摘、また、語義と意味の違いの話が興味深かった。
     教えの時代から、学びの時代へ、考えを変える機会を得た。

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著者プロフィール

1947年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在白梅学園大学学長。東京大学名誉教授。こども環境学会副会長。専門は教育人間学。臨床育児・保育研究会を主宰。著書に『これがボクらの新・子どもの遊び論だ』(加用文男、加藤繁美氏と共著、童心社、2001年)、『「教育」からの脱皮』(ひとなる書房、2000年)、『はじめて出会う育児の百科』(小学館、2003年)、『世界の幼児教育・保育改革と学力』(共編著、明石書店、2008年)など。

「2009年 『子どもの遊び・自立と公共空間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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