- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309761411
作品紹介・あらすじ
ギリシア・ローマから現代まで、植物画の歩みと名品。
感想・レビュー・書評
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カラーでお手軽価格で、そして持ち歩きやすいのがよいですね。通勤時にながめているだけでも十分楽しいのです。字をあまりよまずに絵ばかりみていたりします。
9世紀本草学から、ルネサンス(自然にかえる)、そして大航海時代とそれぞれの時代にわけたコラムがあります。
フランスのルイ14世とロベールをチーフにした王立植物園。羊皮紙に植物画を描いたので羊皮紙はともよばれるらしいです。画力はあるが、まだ植物学の体系化というのが植物画を眺めているだけでわかるようです。そのあと、オーブリエという人が中心になって分類学の研究が盛んになったそうなのです。
いまや植物学者の友人に、学生時代、「この花何の花ってきくのはやめてほしい。私は分類学専攻ではないの。」といわれたのを思い出します。こんなに古い学問なのですね。ちなみに、彼女の話はいつも細胞の話ばかりです(笑)。
という話はさておき、オーストリアへも植物画は波及する。それらは、フランツ一世にも引き継がれ、彼の庇護のもと絵画がコレクションされたものが多くあるらしいです。また、フランツ一世は、オランダのライデンの学者さんを植物学の指南役としていたよう。ライデンといえば、シーボルト氏(1796/2/17 - 1866/10/18)と思ったら、もうすこし時代が前でした。
一方でイギリスでは庶民向けの雑誌として書かれたものが...とあります。その意図によっても絵の装丁やデザインなども違うのですね。うーん....。
アートといいながら、学問でもあり。ルネサンス、大航海時代という流れの中で、時代を縦に見ても横のつながりで見ても、色々な景色が見えてくるのが面白いです。油絵で花の静物画がでてきた理由も、プロテスタントによるキリスト絵画の意味が変わってきたことだけではないと、少しずつ色々な歴史を、もっと感じながらみられるように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
頭に入らなかった
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実用的な目的で、薬になる植物を似たような別の植物と区別するために発達した植物画は、作者のバイアスから逃れられないものの、科学との境界線上にある。
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ボタニカルアートをアートの面ではなく、図解として捉えた解説書。個人的にはアートと捉えているので花束風な絵は認めなーい!!と力説されるとちょっと悲しい気持ちになりますが…。
ボタニカルアートが発展したのがイギリスだとか、そういうことは理解を深める助けになります。