- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309761701
作品紹介・あらすじ
フランスらしさとは何か?フランス革命の「大義」がその後に与えた影響とは?ジャンヌ・ダルク、ルイ14世、フランス革命、ナポレオン、レジスタンス、ドゴール…。エッフェル塔や凱旋門、ルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿。
感想・レビュー・書評
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フランス史を総括的に紹介している本。
なかなか世界史の中の一つの国に焦点を当ててみる機会がないため、これまで断片的に知っていた歴史事項を時系列的に辿っていくことで、新しい発見もあります。
カラー写真が多数掲載され、内容量も多く、ためになる内容ではありますが、情報の羅列のように真面目に淡々と歴史を追っているため、興味を保ちながら長い歴史を追うことのむずかしさを感じました。
最新の学説に基づいた内容が紹介されている点が、魅力的。
マリー・アントワネットは実は浪費家ではなかったことや、フランス革命時のバスティーユ監獄襲撃は、政治犯を解放するためではなかったなど、最近の研究調査が反映されています。
ポンパドゥール夫人とはフランスでは誰にでも知られた通り名だと思っていましたが、パリ人は彼女のことを、父親の性である「ポワソン嬢」と呼んだとのこと。
なぜ違う呼び名の方が知られているのでしょうか。公的な名前だからでしょうか。
ルイ15世治下の宮廷の晩餐風景が描かれた絵が掲載されていましたが、床の上には食べ散らかされた牡蠣の殻が散乱しており、今の感覚からすると行儀の悪さに目を背けたくなります。
宮廷内でさえ清潔からは程遠かった当時の環境が類推されます。
衛生管理が整っていない中で食べた牡蠣に当たった人は多かったことでしょう。
ルソーが自然主義に基づいて著した『エミール』は、授業でも習いましたが、これはソルボンヌから自然主義的だからという理由で発禁処分を受けたことは知りませんでした。
また、イタリアのフィレンツェにあるポンテ・ヴェッキオは、橋の上に住居があることで有名ですが、オスマンがパリ市の大改造に着手するまでは、橋の上にも住居が建設されるのが一般的だったとのことです。
それが空気の循環を悪くしていたということで、環境に害があるものだとは気がつきませんでした。
エッフェル塔は、当初は1909年に解体される予定だったが、軍事電波の発信という国防目的のために残されたんだそうです。
それが今や、パリ市を代表する観光名所となっているのですから、未来は読めないものです。
フランスで女性参政権が認められたのは1945年と、結構近代だったことも意外でした。
アメリカよりも先んじて自由を勝ち取った国だと思っていましたが、それはあくまで市民権だけだったようです。
戦争を行っていた歴史も長く、鉄の歴史を駆け抜けてきたような息苦しさを感じました。
文化面でのイメージが強いですが、政治的側面に注目すると、フランスも昔からハードな歴史を持つ国であることを改めて実感しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供にも初学者にも優しいフランス史入門本
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ふくろうの本やとんぼの本は写真が多くて楽しいし、意外と中身もずっしりしています。
結構気に入っています。
このあいだ読んだ柴田三千雄さんの『フランス史10講』より理解しやすいです。
オーストリア中心に中欧、そしてイタリアの本をたくさん読んできて、フランスってちょっと嫌な国だなと印象をもっていました。
おしゃれな国フランスも、いろいろ大変だったのですね。 -
フランスの歴史について、淡々と書かれていた。淡々としていると言う意味で面白くはないが、フランスの歴史自体に興味があるのなら面白いと思う。ただ、この少ない紙面で、長いフランス史を全て網羅しているため、歴史に詳しい人にとっては少し物足りないかもしれない。
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(要チラ見!)
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11/08/19、神保町・源喜堂書店で購入(古本)。