- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309763125
感想・レビュー・書評
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物の交換、売買、交易に携わる中世ヨーロッパ商人の、
生活や旅、組織等、その有り様を紹介し、解説する。
第一章 商人ヴァイキングの歴史 第二章 旅する商人
第三章 都市における商人 第四章 交易の現場から
第五章 さまざまな取引商品 第六章 新時代に向かう商人たち
コラム、小コラム、主要参考文献一覧有り。
8世紀、ヴァイキングは水系ルートを掌握し、
戦闘や略奪のみならず、交易を行っていた。
ヨーロッパの広域での交易で、各地を結び繋ぐ商人でもあったこと。
まだ王や侯が治める小国が入り乱れる時期、
商品と共に各地を渡り歩く商人たちは、安全を確保するため、
訪れる地域の支配者や権力者からの保護を得ることに。
市場の整備、団体化による商人ギルドやハンザの誕生。
商人居留地や商館が登場する。
10~13世紀は、経済発展からの都市の形成。
自治権で地位の確立と物書き商人の登場。記録は大事!
書簡や帳簿での遠距離取引や売買と財務の管理。
15~16世紀は、大航海時代と商業革命。強大になる国との関係。
世界を馳せて得た様々な商品の取引により、市場は拡充。
交易システムと会社組織は変容し、近代へと歩んでゆく。
多くの画像と絵図を盛り込み、中世ヨーロッパ商人の歩みを
辿っています。専門的な内容ですが分かり易い記述です。
また、合い間に盛り込まれる情報やコラムも興味深い話が多い。
当時の商家、食事、結婚の話。
商人になるために必要な教育と徒弟制度。
海や河川、陸での商品輸送と商人屋敷での実務。
為替手形や貨幣等の金融、保険。
そして取引される様々な商品について。
商人がもたらすモノは商品のみならず、人や生活、文化の
交流や伝播にも一役買っていた様相も分かります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コテンラジオを聞いてたらこういうタイトルが目に入りやすくなった。
と、いうことで図書館をフラフラ歩いていたら目についた、コテンラジオ聞く前だったら絶対に手に取ってないであろうコチラ。
む、難しい…。
中世ヨーロッパの国名、今の国名と一致しなかったり、そもそも地理を知らなかったりで、正直なかなか理解が進まなかった。
でもラジオで聞いていたからこそなんとなくイメージできた部分もあって、なんだかんだで最後まで読み切れたので、わたしエラかった笑
読み終わって漠然と思ったのは、
商人はいつの時代も本当にチャレンジングでとてもしたたか。
かなり大きなリスクを取ってでもマーケットを求めて外へ向かう姿が今日の世界を形成しているんだな、その恩恵をわたしも今うけているんだな、と改めて思った。
それにしても図や絵や写真がたくさん使われているのに、文章量も相当なもので、もう少しちゃんと理解できるだけの知識があればめちゃくちゃコスパの良さそうな本だな。
世の中には自分の力量が上がるともっと楽しめる本がまだまだいっぱいあるんだろうなぁ。
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
全ページカラーで図や写真、イラストを交えながら中世ヨーロッパの商人についてを解説している。
中世ヨーロッパの商人はヴァイキングによる商いから始まり、遍歴商人、都市商人として変化する流れが説明され、その後は商人の現場や取引商品、新時代の商人などを解説しており、中世ヨーロッパの商人を大雑把に把握するには優れた内容となっている。 -
絵での説明がおおく、商人の暮らしや道具がイメージしやすかった