図解地方議会改革: 実践のポイント100

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  • 学陽書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313161184

感想・レビュー・書評

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  • 地方議会会改革の背景、考え方、方向性、関係する制度などを図解でわかりやすく説明。地方議会改革について考える際に、一覧性があり、重宝する。ただ、発行が平成20年なので、その時点での情報ということに注意が必要(地方自治法の改正など、その後、情勢が変わっている内容がある)。
    政策立案機能と監視機能双方の強化など、本書で示された地方議会改革の方向性に基本的に賛成だが、議会への住民参加の推進については少し論が行き過ぎではないかと感じた。住民に開かれた議会という方向性はそのとおりと思うが、議会に住民参加まで取り入れると、そもそもの議会という制度の存在意義が不明確になるのではないかと思う。住民参加する住民には地域住民としての代表性や正統性がない。執行機関が参考として意見聴取等する分には良いと思うが、最終的に自治体の意思決定をする議事機関である議会にそのような住民を積極的に参加させるべきかということには疑問を覚えた。議会としてではなく、各々の議員が多様な住民の意思を集約するように努めるのが本筋ではないかと思う。

  • 地方議会改革に関する入門書として購入しました。

    本書は、地方議会改革に関連する100の論点について、各論点を見開き1ページで紹介し、左ページでは必ず図もしくはデータを掲載するといった、入門書としては利用しやすい構成となっています。
    100の論点は、第Ⅰ編で地方議会改革全般について、第Ⅱ編で議会の持つ権限について、第Ⅲ編で議会内部の組織・運営について、第Ⅳ編で地方議員の現状やその選出方法について、それぞれ分けられています。
    内容としては、地方議会改革についての論点がかなり幅広く網羅されているのではないでしょうか。財務過程において地方議会の持つ権限についてなども丁寧に記述されています。

    本書は、「議会不信の蔓延と脱却の可能性」を論点①に置き、まず、地方議会不信の蔓延する現状を反映する2007年全国世論調査のデータを取り上げています。そして、そこでは不満派(60.5%)の最大の理由として、「議会の活動が住民に伝わらないから(53.3%)」が挙げられています。このような現行の議会活動と市民が想定する議会活動に関するイメージのギャップこそが、地方議会改革論議の難しいところでもあり、面白いところでもあるのではないしょうか。

    構成としては、入門書ですのでやむを得ない部分はありますが、無理やり論点を100に分割したために、いくつか読みづらい箇所があったように思います。ただその分辞書代わりに使いたい方にとっては有用な一冊です。地方議会について勉強したい方は手元に持っておくと便利だと思うので、おすすめです。

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著者プロフィール

山梨学院大学大学院研究科/法学部政治行政学科教授、博士(政治学、中央大学)
1956年東京都生まれ、1986年 中央大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学
専攻:地域政治論・政治過程論
著書:主な単書に『議員のなり手不足問題の深刻化を乗り越えて』(公人の友社)『議会改革の第2ステージ—信頼される議会づくりへ』(ぎょうせい)『自治体議会学』(ぎょうせい)、『図解 地方議会改革』(学陽書房)。主な共著に『自治体議会の政策サイクル』(編著、公人の友社)『Q&A 地方議会改革の最前線』(編著、学陽書房、2015年)。現在『ガバナンス』(ぎょうせい)、『議員NAVI』(第一法規)連載中。

「2020年 『非常事態・緊急事態と議会・議員―自治体議会は危機に対応できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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