今まで読んだ宗麟が主人公の小説の中で一番個性が強かったように感じます。
冒頭から冷めきっている宗麟と義鑑の親子関係。親に期待されていないと諦めている宗麟と腫れ物を扱うように宗麟に接する義鑑パパ。きっついわぁ…。
また、宗麟主役の小説でザビエルについて1番詳しく書かれているのはこの本だと思います。ザビエルは貴族だったんですね!しかも城主の三男。立場的に宗麟と近かったものがあったからこそ、宗麟はザビエルに惹かれたのかもしれませんね。ザビエルと乗馬を楽しむ宗麟が本当に楽しそうに描写されていて和みました。
家臣に猟色を諌められて、「だって淋しいんだもん!」と泣き出す宗麟。おま…っ。
そういえば今更ですが義統が家督を譲られたのは15歳(宗麟44歳。親家は12歳)の時だったんですね。将来性のある人材育成をしてこなかった大友家全体に忍び寄る暗雲。
親家のキリスト教入信は「本当にキリシタンになりたくて入信したんだよ!」
説と「出家したくないからキリシタンになったんだよ!」説があるようですが(ちなみにこの本は前者)管理人は後者を推していきたいと思います。きれいな親家も好きですが、腹黒くて策略家な親家も好きなので。ドン・セバスチャン親家。
それと親賢が奈多の弟になっておりました。あと宗麟の娘(久我三休の妻)がキリシタンの家来に仏画を買いに行かせようとして拒否されて~みたいなエピソードがあったのですが奈多にも似たような話があった気します。
奈多とカブラルが直接会ったら殴り合いの喧嘩をしそうです。怖い。高圧的で排他的なカブラルと「牝獅子のような形相」で親虎(親賢の養子。柳原家の出)の入信を反対する奈多…。凄い勝負が見られそうです。親虎騒動の時、宗麟が狩猟と称して義統と臼杵を離れてたのも分かるような。