神経美学: 美と芸術の脳科学 (共立スマートセレクション 30)

著者 :
  • 共立出版
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320009301

作品紹介・あらすじ

神経美学(neuroaesthetics)とは認知神経科学の一分野であり,脳の働きと美学的経験(美醜,感動,崇高など)との関係や,脳の機能と芸術的活動(作品の知覚・認知,芸術的創造性,美術批評など)との関係を研究する新しい学問である。神経科学者だけでなく,心理学者,哲学者,アーティスト,美術批評家などが参画する学際領域であり,近年ヨーロッパや北米を中心に盛んに研究成果が発表されている。
 本書は,その誕生から今日までの約15年余りの成果をわかりやすく紹介する入門書である。神経美学の定義からはじまり,絵画と音楽などの芸術の美や,道徳や数理などの「視えない美」における脳の働きを説明し,芸術や外面的特徴だけではなく,美が様々な対象に現れることを示す。つづいて,文脈や状況によって変化する美的判断の柔軟性,美しさと醜さの違い,悲哀の中にある美,美と快感の関係,芸術的創造性などについて,最新の脳機能研究成果を紹介していく。最後に,これまでの脳機能研究の視点から美的体験の認知的枠組みを示し,美の感覚はどのような機能をもち,われわれにどのような恩恵をもたらすのかを論じる。

感想・レビュー・書評

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  • コレはツボった!
    果たして我々は同じモノを同じように見てるのか?アートは、実は個性的もなんでもなく、多くの人と同じ感覚を持ってる人じゃないと、ウケるもの作れないんだよなーとか
    「美しい」って、果たして湧き上がるのか?とか
    色々気になってたら勧められた本。
    大当たり!夕陽を見て美しいと感じる時と、数学者が数式を美しいと言う時、脳の同じ部分が反応してるなんて凄い!

  • 腑に落ちたしある種諦めがついた

  • とても面白かった。様々な美しいと表現される事物は脳内で特異的な働きを生む。真善美は価値基準として同根だったという予感がする。その後、人は美を楽しみや娯楽にも広げていったのではないか。快楽ではない価値を追求するとき、美しいかは大事な価値基準だと思える。
    美が身近に感じられるようになり、考察する基盤になった感じがする。

  • 美と芸術。脳ではどの様に扱われるのか。それがわかる本である。
    結局のところ美は感情や快感との関係性があるようである。様々な脳の観測方法で、美、醜さがどう脳で処理されているかを解き明かしている。
    認知のゆがみの話もイロイロ言われて久しい。本書でも様々な歪みが紹介されている。見えるものがそのままの世界はない。
    苫米地英人氏によると、経験や知識を使わずにものをみること。これを悟りと言う。つまるところ悟った人はいないのではないか。そう思ってしまった。

  • これです、これ。

  • タイムラインで見つけた一冊。とある経営者(マーケティング・デザイナーみたいな人)がオススメしていることで興味を持ちました。脳の仕組み的に『美しい』と『好き』は連動するとのこと。そこに動作が加わるとさらにプラス。プレゼン資料は美しくなくともせめて整っていることが必要。物売りとして参考になるお話でした。

  • 図書館HP→電子ブックを読む 
    Maruzen eBook Library から利用

    【リンク先】
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000099317

  • 現在の脳科学と美意識を結合したところに成り立つ理論を解説している。

  • 「悲しい曲の何が悲しいのか」を読んでから、少し「美学」
    という分野に興味が出てきた。今回読んだのは「美や醜に
    脳がどう反応するのか、また芸術の創造に脳がどう関わって
    いるのか、そういう研究をおこなう」神経美学を紹介した
    本だ。

    神経美学という学問自体が新しいものであるためか、この本
    も入門書と言えるもので、門外漢にも楽しく読めるやさしい
    内容だった。目に見える美や耳で聞くことのできる美だけで
    なく、目に見えない数学や道徳の美においても脳の同じ場所
    が活発に反応していること、脳が生得的に反応する美と後天
    的に学習の後に反応するようになる美があることなどが興味
    深い点だった。

    どちらにしてもまだまだこれからの発展途上の神経美学、
    これからの研究に期待している。

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