- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784320015548
作品紹介・あらすじ
本書は共立講座「21世紀の数学」の入門編の一冊として計画された線形代数のための教科書・自習書である。本書では、入門書としての立場を考慮して、行列の代数的な計算から出発し、その後で(数ベクトルの)ベクトル空間や線形写像等の概念を説明する方法をとった。この後者の部分(第3、4章)では、(数)ベクトル、行列等具体的な素材を取り扱うのに集合や写像といった抽象的概念が活用される。
感想・レビュー・書評
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学生時代に数理科学(線形代数)の副読本として使用してた。
しっかりと証明してあり行間を埋める苦労なく読める。一方、線形代数は特に実用が大事なのでそこは演習用の本を他にやる必要があった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学部1年(経営学部)の時の線形代数の教科書。
数学が専門の人に言わせると、良い本みたいです。
確かに、数学的にしっかりした良い本だと思います。
しかし、数学的にしっかり書かれているが故、数学意外を専攻している人には難しいかもしれないです。
他の人から見ると、抽象度が高いかもしれません。
でも、線形代数をしっかりと学びたい人にはおススメです。 -
この教科書は、好き。ちゃんとやってはいないけど。空集合を表す記号?がノルウェー語の文字だと教えてくれたのも、複素数、実数、有理数、整数、自然数の集合を表す記号?、?、?、?、?がブールバキによるものだと知ったのもこの本。それから多くの数学用語にそれに対応する英語が書かれている。でもそういう細かいところが好きなだけだったら下らない。分かりやすいから、著者の考えに共感できるから、とかいうのもある。一番印象に残った文章は以下である。「(ベクトルの)本質は上に述べたベクトル演算ができるというところにある。この性質は個々のベクトルの性質ではなく、ベクトル全体の集合、すなわちベクトル空間の性質である。したがって数学的にベクトル空間を定義することはできるが、(抽象的)ベクトルというものを定義することはできない。通常ベクトルというのは単にベクトル空間の元のことに他ならない。ベクトルに関して幾何学的なイメージをもつことはもちろん大切であるが、線形代数を学ぼうとするときには、“矢線ベクトル”というような(中途半端な)概念にこだわらず、抽象代数的な推論に慣れるようにすることが大切である。」印象に残ったとは言っても、ベクトル空間こそ最も理解に苦しんだものであり、未だに理解したとは言い難い。未だにベクトルを太字ではなく矢印で書いてるし。内積の表記方法などに違和感を覚えるものの、大学最初の学期に、指定されて買った教科書の中では一番相性が良かったと思う。でも、授業はけっこう教科書無視してたりもしたか。付録の内容もも授業ではやってない。それから、これの著者は佐竹一郎という人ですよ。木村俊房という名前が先に書いてあるんですが、この人は「共立講座 21世紀の数学」の編集委員です。
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1年生で指定された教科書の記述に納得がいかなかったから買った本だけど、買ってから気がついた。数学書だということに。
著者は有名な方らしく、テーマは絞られているとはいえ物理屋からすればかなり厳密に書かれています。数学書にしては読みやすい方だなという印象。別にこの本である必要性は感じなかったが…汗。 -
1回生のときの指定教科書。
ジョルダン標準形などは付録で、主として実行列のみでその標準化までが範囲。
線形空間や線形写像についての記述はイマイチ分かりにくかった。
抽象ベクトル空間について触れていないので基底の変換行列とかは意味がわからないけれど、他の本で勉強しなおして読み直してみるとすごく色々なことが書いてある。
ただ、行列式の定義がすごくいい。
3つの性質から導きだすのだが、このアプローチだと展開定理など後の定理の証明がすごく鮮明にわかる。
もちろん「線型代数入門」斉藤正彦著 にあるような行列式の定義と同値である。
初めて最後まで読んだ数学の本ということで忘れられない1冊。