確率の理解を探る―3囚人問題とその周辺 (認知科学モノグラフ 10)

著者 :
制作 : 日本認知科学会 
  • 共立出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320028609

作品紹介・あらすじ

確率や統計の領域では、理論的な結果と直感的な判断とが食違うことがある。本書はその中の反直感的問題“3囚人問題”をめぐる研究の総括。

感想・レビュー・書評

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  • 2520円購入2011-03-31

  • ベイスの定理の話。3囚人問題。
    数式を見て挫折です。

  • 3囚人問題と呼ばれる問題を中心に、人間が確率を考える際の”歪み”とでもいうべき特質をつまびらかにしようとする試みが記述されている。
    この手の問題をじっくりと考えたことがある人は、読んでみるととても興味深く感じられると思う。

    3囚人の問題とは、こんなものである:
    死刑囚A、B、Cのうち一人が恩赦になり、のこり二人は処刑されることがわかった。各人2/3の確率で死刑になるわけだ。死刑囚Aは看守に聞く。「BとCのうちどちらかが処刑されるのは自明なのだから、どちらが処刑されるか教えてくれ」。看守は「Bは処刑される」と答える。Aは、「自分とCのどちらかが恩赦になるのだから、1/2だな、確率が上がった!」と喜んだ。

    この問題を、細かい部分を変化させたり、ストーリーを変化させた場合に、正解率がどうかわるか、ということを調査している。

    結論としては、ベイズ推定ですべて解けるのだが、得られた解と直感との間にギャップがあり、「あれっ?」という驚きがあり面白い。だまし絵を見たときのような気分だ。

  • 3つの扉があって1つは当たりで他は外れ。
    あなたは1つの扉を選ぶ権利があります。

    あなたが扉を選んだ段階でヒントをあげます。
    残りの2つの扉から外れの扉を1つ教えてあげます。
    残り2つから再度選ぶ権利を与えます。

    あなたは、最初に選んだ扉をまた選びますか?
    もう1つの扉に選択を変えますか?

    このモンティホール問題をはじめてみたとき、
    直感的な確率とはこうも違うものかと思いました。

    ベイズの定理で解けば簡単にわかるのですが、
    本書は直感的に理解する方法を教えてくれます。
    これがなるほどなあという説明で、読んでて面白かったです。

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著者プロフィール

1953年東京生まれ。東京大学文学部卒業。文学博士。現在,東京大学名誉教授,帝京大学中学校・高等学校校長。中央教育審議会教育課程部会委員として学習指導要領の改訂に関わる。専門は教育心理学。認知心理学を基盤にした個別学習支援や授業づくりなどの実践に携わっている。著書に、『考えることの科学』(中公新書)、『学ぶ意欲の心理学』(PHP新書)、『学力低下論争』(ちくま新書)、『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館)、『「教えて考えさせる授業」を創る アドバンス編』(図書文化社)など。

「2023年 『これからの学力と学習支援 心理学から見た学び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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