- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784320071742
作品紹介・あらすじ
本書は、「最適デザイン」を「概念」として理解していただくための解説書です。なお、本書で扱う「デザイン」は、その主な対象を人工物のデザインとするものの、さまざまなデザイン、設計、造形、計画、さらには意思決定などの意味も含みます。
最適デザインは、以下をはじめとして、多様な領域や場面において効率的かつ的確なデザインを可能にする、極めて有効な手法です。
感想・レビュー・書評
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最適化とはなにか.それを図と共に簡潔にわかりやすく書かれているため,参考になった.
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読まなくても良かった。薄い。数式が見苦しいのも、少し残念。
会社の図書館から拝借。 -
プレゼン用スライドのような図解と、講義口調でシンプルな解説とがセットで見開きとなって構成されている。ナツメ社の「図解雑学●●」とよく似た編集だが、内容は最近の大学講義テキストレベルであろう。
前半部分の設計論の講釈は、読んでみるとそれなりに功徳もありそうだが、工学畑のデザイナー実務者であれば、ハード、ソフト、社会システムにかかわらず、この程度のことは体得しているであろう。まあ、「体系を組み立てておりますよ」という学問的体裁をさもそれらしく整えると、予算の配分実権を持つ文系の事務官に対して「成果が挙がってますよ」とアピールできる効果もありますし、実務者にとっても、改めて自分なりの設計論のMECEを確認するきっかけになります。
学生向けとしてお勧めしたいのは、後半の制約条件付き非線形最適化でのKKT条件の解釈です。めんどくさい数学書みたいなORの教科書よりも、「物理数学の直感的方法」と同じように、KKT条件やシャドープライスについて明快なイメージを持つことができるでしょう。 -
目的関数と制約条件の役割は、絶対的なものではなく、デザインの目的や進行に伴って変わる流動性を持つものである。例えば、始めは目的関数だった状態要素も、検討の結果、適切な狙い値が決まれば、その役割は以降のデザイン検討では制約条件へと変わる。あるいは、始めは制約条件と考えていた要素が、検討の結果、デザイン目的に非常にクリティカルだと明らかになれば、目的関数へと変わる。
1目的の場合、局所・大域の区別を除けば、最適解は1つに決まる。一方多目的の場合、パレート最適解は必ず複数存在する。目的関数を増やせば増やすほど、解の曖昧さは増大する(パレート最適解に該当する解が増える)。
(パレート最適解とは、ある目的関数の値を改善するためには少なくとも1つの他の目的関数値を改悪せざるを得ないような最適解のことであり、目的関数間のトレードオフを示す解の集合を形成する)
制約法:多目的問題において、目的関数はどれか一つを残して、他は全て制約条件とする。このとき、これら制約条件の制約値を変えた1目的のバージョンを複数作成する。これら各問題を一つずつ解き、パレート解を順に求める。
重み係数法:各目的関数に対して重みづけ和を取り、1つの評価量に置き換えることで、パレート解を部分的に計算する(希望するトレードオフ比を先に指定して、それに対するパレート解を求めていることと同じ。)