作図で身につく双曲幾何学: GeoGebraで見る非ユークリッドな世界
- 共立出版 (2016年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784320111165
作品紹介・あらすじ
三角形の内角の和が180°より小さい?
ユークリッドの第5公準を否定し,マッスグの概念を根底から覆した
そんな不思議な幾何学,双曲幾何学を体感しよう!
本書は『計算で身につくトポロジー』の思想を引き継いだ,素朴に面白い双曲幾何学の書である。
双曲幾何学を「補助線」,「コンパスと定規の作図」,「平面座標」,「複素座標」という4つの切り口から,作図をメインに据えながら,同時並行で進めていく。また,同じ作図で双曲幾何学を考えるのでも,上半空間モデルでは易しく,ポアンカレディスクモデルでは難しいが,本書ではポアンカレディスクモデルですべての作図を試みている。
作図には定評あるフリーの作図ソフトウェアであるGeoGebraを用いる。GeoGebraの使い方も習得することにより,幾何学を始めとしたさまざまな数学の世界を,コンピュータ上で楽しむことが可能となる。本書では,読者が双曲幾何学の世界を追体験できるように,GeoGebraの入門もかねて,インストールの仕方から基本的な使い方も解説している。
感想・レビュー・書評
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複素数平面の復習から始まり,ポアンカレディスクを用いた双曲幾何学の作図を中心に進めていく。
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取っつきやすい本だと思います。
本書の性質上、敢えてそうしたのだと思いますが、理論的なことは他の本で学ぶ必要があります。 -
GeoGebra が備える(円に関する)反転の機能を使って,双曲平面のポアンカレ円板モデルで遊んでみよう!という楽しい本。
PCでなくスマホのAndroid版で遊んでみたのだけど,十分に楽しめた。
平行線公理が成り立たない非ユークリッド幾何学の1つ,双曲幾何学。
双曲平面では無数の平行線が引けるけど,「その代わり,平行な2直線の双方に直交する直線は1本しかない」という話は新鮮。
ユークリッド平面では2直線の間隔が至る所等しければそれらは平行だけど,双曲平面では2直線の間隔が至る所で等しいことはあり得ない。双曲平面上の2直線は,たとえ平行であっても間隔一定ではない。
与えられた直線との間隔が至る所等しいのは,双曲平面では直線ではなく曲線になる。
至る所で曲率が正なのが球面で,至る所で曲率が負なのが双曲平面。前者では平行な直線の組は存在せず,後者では与えられた直線に平行でかつその直線外の与えられた点を通る直線が無数に存在する。 -
請求記号 414.8/A 21