ローゼンバウム 統計的因果推論入門: 観察研究とランダム化実験

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320114470

作品紹介・あらすじ

「傾向スコア」の提案者Paul R. Rosenbaumによる統計的因果推論の入門書。
数式による説明は最低限に,多くの例とやさしい文章で丁寧に解説!
本書は,Donald Rubinとともに「傾向スコア」を導入したことで知られ,特に観察研究における因果推論を中心として数多くの論文を世に送り続けているこの分野での世界的リーダーの一人であるPaul R. Rosenbaumが統計的因果推論の基礎から発展的な話題まで数式をほとんど用いずに、平易な文章で解説した入門書である。難解な数学あるいは統計学の説明は最小限にとどめ,因果推論における様々なトピックについて例題をまじえ平易に,しかし厳密さは犠牲にせずに工夫しながら説明している。
本書における多種多様な例を読むことで,因果推論とはどのようなものかが理解できるであろう。大学初年級から大学院生,そして因果推論に興味を持つ社会人の方々に広く薦めることができる。
統計的因果推論では,ランダム化実験と観察研究との違いを明確に理解することがもっとも重要である。また,観察研究で避けて通れないバイアスに関する正確な知識が必要となるが,本書ではバイアスの除去や低減法、そしてその大きさの定量的な評価法など様々なトピックスを扱っている。

* * *

日々のニュースはもとより,科学的な文献であっても,何らかの処置や行動あるいは政策がもたらす影響について,矛盾しているように思われる主張に直面することが往々にしてある。ワインを毎日グラス1杯飲むことで寿命が延びると言われたり,その一方で,アルコールは重篤な病気を誘発する可能性があり,特に妊娠中の女性は飲酒を控えるべきであると言われたりもする。また,最低賃金の引き上げにより経済格差を埋められると主張する人もいれば,かえって失業者を増やすことになるとの主張もなされる。さて,このような問題に対して,我々はどのように対処すればよいのだろうか。

本書は,この分野を代表する学者の一人であるPaul R. Rosenbaumによる統計的因果推論の入門書である。難解な数学や統計学による説明は最小限にとどめ,因果推論における抽象的な考え方や複雑な手法を,具体的でかつ学術的に興味深い例を用いて,わかりやすく,しかし厳密さを損ねることなく説明している。
本書を通して読者は,ランダム化実験をどのようにデザインし,得られた結果をどのように解釈するのかを理解し,観察研究がランダム化実験とはどのように違うのか,また観察研究では避けられない「バイアス」を除去あるいは軽減する方法,そしてバイアスの大きさを評価するための手法について学ぶことができる。本書は,人間の健康や行動,そしてよりよい生活のための実証研究に関心を抱く人にとっての貴重な情報源となる。

〔原著〕Observation and Experiment: An Introduction to Causal Inference, Harvard University Press, 2017.

感想・レビュー・書評

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  •  ジャンルの名前が因果推論でいいのか分からないが、マッチングの概念は勉強になった。確かに一読に値する本だった。しかし、数学的概念を自然言語で表現する際にはありがちなことだが、表現が入り組んでしまってわかりづらい。普通に全称記号と存在記号を使って書いて欲しい。
     特に傾向スコアは定義されずに話が進み恥ずべきことに医学書みたいになってしまってるし、バイアスはいまいち分からない。何度も書くが普通に数学的に定義して欲しい。完全に理解するには別書での追補を必要とするように思われる。

  • とにかく具体例が多い。ランダム比較化試験に始まり観察研究へと至るように,少しずつバイアスを導入する進行をとる。

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000952240

  • 実験研究と観察研究の区別や共変数やバイアスをどのように統制するか、そのときの感度分析をどうするのかなど詳細に解説されていて勉強になった。何度も読んでちゃんと理解したい。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1376283

    選書ツアー参加学生からのコメント↓
    観察研究と実験から因果関係を推論するための考察と戦略の宝庫。この本は読むのが楽しく,因果推論について学ぶあらゆるレベルの読者にとって興味深い内容が詰め込まれている。  ――ディラン・S・スモール(ペンシルベニア大学ウォートン校教授)

  • 疫学的な事例のみなだがタイトルからは分からないので因果推論の入門と思って読み始めた方は面喰らうのではないか
    必ずしも疫学でもなくとも役立つ内容だけれど

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