- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784320114548
作品紹介・あらすじ
科学分野で横断的に使うことのできる精密かつ柔軟かつ一貫性のあるモデル化言語としての圏論への入門書
圏論は1940年代に数学の異なる領域をまとめて統一的に扱うために考案された。そして,数学の中の異質な分野間での強力な情報交換を可能にすることにおいて目覚ましい成功を収めている。本書は,科学全般にわたる精密かつ柔軟かつ一貫性のある言語として圏論が数学以外でも役立つことを示す。情報は本質的に変化を伴い,一つのアイディアも数え切れないやり方で体系化され再構成されうる。そしてそのように構成された構造どうしを翻訳する能力は,さまざまな科学においてますます重要になってきている。圏論は情報をモデル化するための統一した枠組みを提供し,それは専門分野間での知識の移転を円滑に進める。
本書は,読みやすく素直なスタイルで書かれていて,数学の前提知識をあまり必要としないので,厳密であるものの数学者でなくても取り組みやすい。また,定理と証明に重点を置くのではなく,例題と演習によって圏論を説明している。本書には300題以上の解答つき演習が含まれている。
圏論への入り口としてデータベースを用い,集合と関数から始めて,数学の基礎となる概念であるモノイド,群,順序,グラフを導入する。これらはすべて見かけを変えただけの圏である。圏論の「三大」概念である圏,関手,自然変換を説明したあとは,極限,余極限,関手圏,層,モナド,オペラッドなどさまざまな話題を扱う。
本書は,数学者が使うさまざまな数学的概念と,計算機科学,神経科学,物理学のような専門分野におけるモデルや枠組みの間の橋渡しとなることを目指している。
[原著:Category Theory for the Sciences, The MIT Press, 2014]
感想・レビュー・書評
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基礎研究への資金提供は今後も米国が世界のリーダーでありつづけることを保証する素晴らしい方法であると確信している。(p.vi)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
概ねRDBMSのスキーマを具体例として基本的な図式を説明しており、IT屋さんには分かりみが深くとっつき易い。
あーそーゆーことね完全に理解した(わかってない)、となれる。
ただ、しょせんRDBは「(ブルバキのようなガチの集合論を知らなくても誰でも分かった気になれる)とても分かりやすい集合論の一面」でしかなく、実生活的な手続きや数量感覚などと密結合し過ぎていて、数学で用いられるような圧倒的な抽象性と一般性、n-cellを縦横無尽に繋ぎ合わせる立体的?な議論のダイナミックさと透明性を味わうには本書ではちょいと役不足である。
RDBを知らない人には余計な具体例で理解の邪魔なだけかもしれないのであるが、やもすると茫漠としすぎていて現実感を持てない圏論の図式をRDBという身近な具体例で体感できるのは面白い。 -
請求記号 411.6/Sp 5