増補版 金融リスク管理を変えた10大事件+X

著者 :
  • きんざい
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本棚登録 : 84
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784322128789

作品紹介・あらすじ

すべてを目撃してきた実務家が綴る待望の増補版!旧版でフォーカスした事件のその後をフォローするとともに、3つの「事件」を新たに収録。姉妹本『日本の金融リスク管理を変えた10大事件』と併読することで、グローバル/ローカルの両観点から金融リスク管理の歴史を俯瞰する。

感想・レビュー・書評

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  • 金融リスク管理に影響を与えた事件の原因および経過と当時のリスク管理の問題点、それに対する官民の対策が時系列で説明される。現在の金融機関のリスク管理体制や当局の規制が、過去の反省の上に成り立っていることがよくわかる。

    サブプライムローンとリーマンショックの章は特に学びが多かった。原債務者の信用力が低くデフォルト率が際立っている長期の債権 (を原資産とするCDOやCP) になぜ高格付がついたのか。ポジションからの損失はともかく、なぜアレンジメントからの損失が発生したのか。なぜ信用不安が他の金融機関 (特に投資銀行) に波及したのか。そして総合的には、なぜ不動産市場の下落が金融危機に繋がったのか。そうした疑問にはっきりと答えを与えてくれた。
    活況な不動産市場が証券化商品のアレンジを促進したのではなく、証券化商品のアレンジに係るフィーを動機としたサププライムローン組成の拡大が正しいのではないかとの示唆も興味深い。

    細目に関しては金融史を学ぶのでなければさすがに細かすぎるので読み飛ばしたが、各章における構成と筆致いずれも良質でかなり読みやすい。

  • 金融リスク管理に関わるブラックマンデー以降の事件や出来事を紹介。知識がなくても読める。どういう経緯で現在の金融規制に至っているのか理解できる。金融の歴史って浅いんだなあと

  • 金融機関にいれば一度は耳にしたことがある事件を題材に金融機関のリスク管理の変遷についてまとめている。一つ一つの事件は読み切りでページ数も多くなく読みやすい。
    本書を読んで感じたのは金融機関のリスク管理は一貫して高度化複雑化してきたこと。後半になると自分にとっても身近なものが増えてくる。
    バーゼルⅢの箇所はよくまとまっていて理解しやすい。

  • 「日本の...」に比べると身近感がないので、ほぼ流し読み。

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