学校事件: そのアカウンタビリティ

著者 :
  • ぎょうせい
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784324063903

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  • 本書のプロローグには次のような記述がある。「この講座では、学校事件を通じて法律の生きた姿を学ぶというねらいと、事件に直面して対応を誤らないための器量を培うという二つのねらいがある。」(vi頁)。この記述のとおり,本書では,教育法について,実際の事件を題材として教育法を学ぶことができる。著者は教育法制論や教育経営・教育行政を専門とする教育学者だ。

    本書では,事件を「学校運営をめぐる問題」「児童・生徒をめぐる問題」「教育活動をめぐる問題」「学校事件をめぐる問題」「教職員をめぐる問題」の5つに分類した上で,中学校・小学校・高校に関連して発生した様々な事件が考察されている。各事件について,事件の概要を冒頭で紹介し,その背景や問題の所在を解説している。

    小中高で教育に携わるひとであれば,本書が扱う事件はどれも他人事とは思えないものばかりではないだろうか。現場において,自分なりに考えた行動が思わぬ事件を引き起こすこともまれではないだろう。仮にそのような問題が避けられなかったとしても,その後の対応如何で結果は大きく異なるはずである。何が起こるか分からない現代の教育現場にいるすべてのひとに本書は有益だろう。また,本書では大学の事例は皆無であったが,大学での教育に携わるひとにも知っておいて欲しい本である。

    本書は初版が2001年に出版されているので,やや古い本だと言える。しかし,本書で扱われている事例は年代を問わず重要なものが多いので(実際に昭和20年代の事例もケースとして扱われている),その意味では古さを感じさせない。ただし,おそらくこの10年で出現してきた新しいタイプの問題というものも存在するはずなので,そのような事例を含めた新版をぜひとも期待したい(モンスター・ペアレンツの問題やインターネットに関係した問題など)。

  • 学校や周辺で起きた事件を判例をあげて、法律がどう解釈してきたか。やや古い事例もあるが興味深い。

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