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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326100682
作品紹介・あらすじ
美と芸術についての学/美学とはどんな学問か。捉えがたいその対象と方法を明確にし体系的な理論学として示す。
感想・レビュー・書評
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「美学について」「美について」「芸術について」という三つの章から成っており、「美」について哲学的に考察する営みのありかたを解説している本です。
本書は入門的解説書であり、著者自身の美学的な立場を表明することが目的とされているわけではありませんが、「美」やにかんして著者自身の立場である現象学的美学の観点からの説明が中心となっています。他方で著者は、主観的内在において「美」にかんする考察が完結すると考えているわけではなく、たとえば「芸術」の唯一性を強調するクローチェの議論に対して批判的なことばを記しています。ただしそのばあいでも、芸術の「解釈」についての考察をおこなう段になると、もっぱら現象学的な立場からの議論が表立って現われています。
このように現象学的な観点からの解説が本書の全体をつらぬいていることで、内容的な統一性がとれていることは、本書の利点のひとつといえるかもしれません。その一方で、「美」についての多様な考えかたを提示することはなされておらず、著者自身の立場も現代から見るとやや古典的な立場に感じられます。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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