ビカミング〈ジャパニーズ〉: 植民地台湾におけるアイデンティティ形成のポリティクス

  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326200573

作品紹介・あらすじ

帝国主義としての日本、民族主義下の中国、植民地下の台湾という三角関係を通じて生成される、日本統治下台湾人のアイデンティティに焦点を当てる。またヨーロッパ中心主義的な欧米のコロニアル/ポストコロニアル研究が陥った多くの問題を指摘し、世界各地で見られるアイデンティティ問題の理解について示唆的に論じた画期的書籍。

感想・レビュー・書評

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  •  原書は2001年刊。本書が扱うポストコロニアル研究自体に馴染みがなく、また抽象的な内容が少なくなかったが、それでも示唆に富む記述はあった。
     日本帝国解体時における脱植民地化プロセスの欠如。台湾意識と中国意識の関係についての論争。多義的な文脈で複雑な同化と、忠義や忠誠を示すという具体的な皇民化の違い。異民族を同化させることができるなら、日本国民の本質とは何か。一方で、これら台湾の「日本人」は、当時でも、また戦後は一層、日本人とは区別され扱われたこと。台湾原住民にとり、平等視されるための「日本兵」化。

  • 【書誌情報】
    原題:Becoming “Japanese”: Colonial Taiwan and the Politics of Identity Formation (2001)
    著者:Leo T.S. Ching
    訳者:菅野敦志(1975-)

    7,500円+税
    出版年月日:2017/08/23
    9784326200573
    A5 296ページ 在庫あり

    帝国主義としての日本、民族主義下の中国、植民地下の台湾という三角関係を通じて生成される、日本統治下台湾人のアイデンティティに焦点を当てる。またヨーロッパ中心主義的な欧米のコロニアル/ポストコロニアル研究が陥った多くの問題を指摘し、世界各地で見られるアイデンティティ問題の理解について示唆的に論じた画期的書籍。
    http://www.keisoshobo.co.jp/smp/book/b308151.html

    【簡易目次】
    推薦のことば
    日本語版への序文
    序文

    序章 かつて「日本人」だった人々

    第一章 台湾の植民地化――日本による植民地化、脱植民地化、コロニアリズム研究の政治学

    第二章 絡み合った抵抗――関係性、アイデンティティ、植民地下台湾における政治運動

    第三章 同化と皇民化のあいだ――植民地プロジェクトから帝国臣民へ

    第四章 反乱者から志願兵へ――霧社事件と原住民をめぐる野蛮と文明の表象

    第五章 「濁流の中へ」――『アジアの孤児』にみる三重意識と植民地の歴史学

    参考文献
    訳者あとがき
    人名索引
    事項索引

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著者プロフィール

レオ・チン Leo T.S. Ching 荊子馨
1962年台北生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校にてPh.D取得。現在、デューク大学アジア・中東研究学部准教授。訳書に『ビカミング〈ジャパニーズ〉 植民地台湾におけるアイデンティティ形成のポリティクス』(菅野敦志訳、勁草書房)。

「2021年 『反日 東アジアにおける感情の政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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