福祉政治史: 格差に抗するデモクラシー

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326351695

作品紹介・あらすじ

20世紀の先進国に現れた福祉国家は21世紀に生き残れるのか。福祉国家の何が持続し、何が変化しているのか。欧米(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)と日本の福祉国家の形成・変容過程を、約100年にわたるタイムスパンのなかに位置づけ、歴史学や政治学だけでなく比較政治経済学の知見も組み合わせて考察し、将来像を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 自由主義、保守主義、社会民主主義というレジームの違いから各国の福祉政策のあり方を比較検証している。
    格差拡大、急激な少子高齢化、財政赤字という三重苦に悩まされていながら、未だに福祉政策の将来ビジョンを見出せない日本に警鐘を鳴らしている。
    政党が政争に明け暮れている間に手をくれにならないとよいが

  • 20世紀以降の主要各国が福祉国家としてどのような経過を辿ってきたのかを近年の動向まで含めて概観した上で、日本の今後の制度改革について模索する、という体裁。個別の政策にそれほど深く言及されているわけではなく、あくまで総論。

    正直、読んでいてワクワクするようなきらびやかな内容ではないが、統計や報告書、学術論文等を参照しながら非常に丁寧に淡々と分析されている。
    各国の分析を読み解いていくと自然に日本の課題へと意識が導かれていくような文章全体としての構成美を感じた。

    ついつい印象やイデオロギーに左右されがちなこの手のテーマだが、本書は特定の価値観を丹念に排して議論を進めているので、ノンポリにも安心して読めるのがよい。

  • 比較政治学の観点から、日本の福祉政治の特徴を分析したうえで今後取るべき手段を模索する。
    筆者は新制度論(経路依存)や権力資源動員論などのアクター中心の分析をおこなっている。

    現在の福祉国家についてはワークフェアと積極的労働市場政策(脱商品化を前提とするか、強制的に労働市場に参加させるか)に分岐しているし、その容態も国によって分岐、収斂していく。

    今後福祉政治を研究する人間にとって必携の本である。

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著者プロフィール

一橋大学教授

「2020年 『政治経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中拓道の作品

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