アリスの服が着たい―ヴィクトリア朝児童文学と子供服の誕生

著者 :
  • 勁草書房
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本棚登録 : 114
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326653270

作品紹介・あらすじ

身分制の解体と19世紀後半の消費文化の成立は、『不思議の国のアリス』『小公子』などの大ヒットとともに子供服というコンセプトを打ち立てた。ファンタジーを媒介とした欲望の体系、現代のモードの源流がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 【書誌情報】
    著者:坂井妙子
    ジャンル 文学・芸術・ノンフィクション
    ISBN 978-4-326-65327-0
    出版年月 2007年7月
    判型・頁数 四六判・256ページ
    定価 本体2,900円+税
    在庫 品切れ・重版未定

    児童文学作品に登場する「無垢でかわいらしい」主人公の服は、従来の服にはなかった「子供らしさ」を価値として規定し、発信することによって子供服という商品を誕生させた。ヴィクトリア朝後期、中産階級の勃興と消費文化の確立を背景に、児童文学作品から子供服が生まれた経緯を辿り、服に投影された人々の欲望を描き出す。
    http://www.keisoshobo.co.jp/book/b24933.html


    【目次】
    序章 キャラクター子供服
     1 子供服とは何か?
     2 ヴィクトリア朝後期からエドワード朝期のイギリス社会
     3 子供時代特有の文化の形成

    第一章 アリスがつくった理想の少女服
     1 『地底の国のアリス』におけるアリス像
     2 テニエルが描くアリス
     3 「黄金の午後」の服へ

    第二章 レトロでかわいいグリーナウェイ・スタイル
     1 『窓の下で』にはじまるグリーナウェイ・ブレイク
     2 グリーナウェイ・スタイルのドレス
     3 理想の子供時代をつくる服

    第三章 ハバードおばさんファッション
     1 異色のキャラクター
     2 イメージアップ
     3 ハバードおばさんドレス

    第四章 フォントルロイ・スーツ
     1 フォントルロイ・スーツができるまで
     2 嫌われた理由
     3 好かれた理由
     4 男の子らしい服

    第五章 セーラー服
     1 セーラー服ができるまで
     2 子供服としてのセーラー服
     3 大英帝国を守る小さな水兵
     4 良い子のユニフォーム

    終章 理想的な子供時代とキャラクター子供服

    あとがき
    図版出所一覧

  • キャラクター子供服について

    現代でいうとプリキュアや仮面ライダーのコスプレってことでしょうか

  • 児童文学と子ども服の関わりについて。絵本については、グリーナウェイとクレインについて、絵本の専門書では得られない情報が得られた。読みものとしても面白かった。

  • 立ち読み:2011/5/1

  • 図書館で読みましたが、面白かったのでちゃんと購入したいです。
    まず、子供服というジャンルが、思っていたよりも最近にできたということに驚きました。それから、ルイス・キャロルの子供服と挿絵に対するこだわり具合を知り、ロリコンと呼ばれるのもしょうがないと思いました……。
    可愛らしい少女に可愛らしい格好をさせたい、そして写真に収めておきたい。問題はその度合いかな〜。

  • 「ファンシー・ドレス」ですか。そこから子供のための服装も生まれたというのは面白いです。和服はどうなのでしょう。肩あげや腰あげをして、帯ではなくひもを付けたり三尺を結んだりと子供のための衣服が存在したんだなと改めて思いました。英国製キャラクター衣装といえばもう少し時代を下げて「クリストファー・ロビン」スタイルもあるとよかったかな?もちろんシェパードのオリジナルの方。実は私もやったことがあるホーッホッホッホ。我が子にとっては消したい過去らしい。「フォントルロイ・スーツ」着せたママたちの気持ちわかるな。

  • アリスの服はカワイイだけじゃなく「お行儀いい&動きやすい」服だったのね。ヴィクトリアの子供服はセーラーをはじめカワイイものがいっぱい。

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著者プロフィール

坂井 妙子(さかい たえこ)
1990年日本女子大学大学院文学研究科博士課程前期修了. 1995年ロンドン大学大学院ゴールドスミスカレッジ博士課程修了(M. Phil. 取得). 2004年ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館特別研究員. 2009年国際服飾学会奨励賞受賞. 2018年日本家政学会学会賞受賞. 現在, 日本女子大学人間社会学部教授. 著書:『ウェディングドレスはなぜ白いのか』(勁草書房, 1997年), 『おとぎの国のモード』(勁草書房, 2002年), 『アリスの服が着たい』(勁草書房, 2007年), 『レディーの赤面』(勁草書房, 2013年), 『ファッションの歴史』(分担執筆, 朝倉書店, 2002年), 『ピーターラビットは時空を超えて』(分担執筆, 北里書店, 2004年), 『衣裳で読むイギリス小説』(分担執筆, ミネルヴァ書房, 2004年), 『ギャスケルで読むヴィクトリア朝前半の社会と文化』(分担執筆, 渓水社, 2010年).

「2019年 『メイド服とレインコート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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