- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326653409
作品紹介・あらすじ
社会学、文化人類学、医学、看護学、臨床心理学、社会福祉学、生命倫理学、法学、経営学におけるナラティヴ・アプローチの最新の成果を集約。新たな地平を切り拓く。
感想・レビュー・書評
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論理と物語の融合
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→word
◯クラウドソリューション
←ナラティブ・コミュニティ(リフレクティブ・チーム):語りの創発性
◯現場からの出発ー場所性
◯「現場」:空間軸と時間軸
◯社会的実践の現場を捉え・伝えるための方法
◯オルタナティブとしてのリフレクティング・プロセス
◯「物語」の定義:生成的機能を重視する。2つ以上の事象をむすぶことによる生成的働きに焦点をおいた
◯事例生と個別生
◯4つの「場」:「創発場」「対話場」「システム場」「実践場」
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日本におけるさまざまな分野におけるナラティヴ・アプローチを紹介する論文集。
ホワイトらによる「ナラティヴ・セラピー」を中心に「ナラティヴ・アプローチ」の本を読んできたのだが、「ナラティヴ」といっても多様な定義があるし、また対象分野もいろいろ、アプローチの方法論もいろいろという感じで、領域の全体像を整理するとともに、いろいろな分野での取り組みしてあって、視野が拡がる感じ。
ナラティヴといっても、要するに「語り」なので、あらゆるとこに「語り」は存在するわけで、それをどう捉えるかというのはいろいろある。
この本では、基本、社会構築主義的なアプローチが紹介されているのだとは思うが、本質主義的なアプローチかな?と思う論考もあるかな〜?
もちろん、本質主義がダメというわけではないけど、違いがわかりにくい感じはする。あるいは、頭の体操、理解の促進には繋がるかも?
セラピストは、社会構成主義的に関わっても、クライアントは、ストーリーを通じて、「これこそ私の本質だったんだ」と本質主義的に思うことは多いわけで、そこんとこは今ひとつモヤモヤするとこ。
セラピストとクライアントの関係をフラットにしようとしつつ、セラピストが「社会構成主義」によってオルタナティブ・ストーリーを語るのを補助するという関係が、一種の治療モデル的に感じてしまうところもあるかな?
みたいな疑問に対して、編者は終章で整理してくれていて、頭はかなりスッキリ。
ナラティヴ・セラピーを相対化しつつ、それぞれの現場において必要なアプローチを行うことの重要性を確認した感じ。 -
Library
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「自分でも意識しておらず、自分の中でまだ物語として成立していないものを物語化していく」
うまくいえないけど、(少なくとも自分)とても大事なことを言っている気がする。 -
ナラティブの定義からしっかりと。「ナラティブ」はよく聞くが、みんな定義が曖昧なので、混乱する。読むならこれ、と思い。
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面白いけど、ナラティブアプローチはやや不幸な形で日本に入ってきたと思う。もう少し前に入ってきたら扱いは変わっていたのでは??
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ナラティヴ・アプローチ=ナラティヴという概念を出かかりにして何らかの現象に迫ること.
それをさまざまな学問領域でどのように活用しているかのパースペクティブを得ることができる.
ナラティヴ=複数のできごとを時間軸に並べたもの
ストーリー=ナラティヴ+プロット(筋立て,出来事間の関係, Relevance)
ナラティヴが伝えるもの
1) 時間性(生きられた時間)
2) 意味性(プロット)
3) 社会性(語り手と聞き手の共同作業)
本質主義vs構成主義
・本質主義=個々のナラティヴは本質を示すデータ→GTA
・構成主義=個々のナラティヴが結果としてどのような現実を構成しているか→インタビュー自体が現実を構成する→アクティブ・インタビュー