ナラティヴ・アプローチ

著者 :
制作 : 野口 裕二 
  • 勁草書房
3.41
  • (0)
  • (12)
  • (2)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 117
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326653409

作品紹介・あらすじ

社会学、文化人類学、医学、看護学、臨床心理学、社会福祉学、生命倫理学、法学、経営学におけるナラティヴ・アプローチの最新の成果を集約。新たな地平を切り拓く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 論理と物語の融合

  • →word
    ◯クラウドソリューション
     ←ナラティブ・コミュニティ(リフレクティブ・チーム):語りの創発性
    ◯現場からの出発ー場所性
    ◯「現場」:空間軸と時間軸
    ◯社会的実践の現場を捉え・伝えるための方法
    ◯オルタナティブとしてのリフレクティング・プロセス
    ◯「物語」の定義:生成的機能を重視する。2つ以上の事象をむすぶことによる生成的働きに焦点をおいた
    ◯事例生と個別生
    ◯4つの「場」:「創発場」「対話場」「システム場」「実践場」

  • 日本におけるさまざまな分野におけるナラティヴ・アプローチを紹介する論文集。

    ホワイトらによる「ナラティヴ・セラピー」を中心に「ナラティヴ・アプローチ」の本を読んできたのだが、「ナラティヴ」といっても多様な定義があるし、また対象分野もいろいろ、アプローチの方法論もいろいろという感じで、領域の全体像を整理するとともに、いろいろな分野での取り組みしてあって、視野が拡がる感じ。

    ナラティヴといっても、要するに「語り」なので、あらゆるとこに「語り」は存在するわけで、それをどう捉えるかというのはいろいろある。

    この本では、基本、社会構築主義的なアプローチが紹介されているのだとは思うが、本質主義的なアプローチかな?と思う論考もあるかな〜?

    もちろん、本質主義がダメというわけではないけど、違いがわかりにくい感じはする。あるいは、頭の体操、理解の促進には繋がるかも?

    セラピストは、社会構成主義的に関わっても、クライアントは、ストーリーを通じて、「これこそ私の本質だったんだ」と本質主義的に思うことは多いわけで、そこんとこは今ひとつモヤモヤするとこ。

    セラピストとクライアントの関係をフラットにしようとしつつ、セラピストが「社会構成主義」によってオルタナティブ・ストーリーを語るのを補助するという関係が、一種の治療モデル的に感じてしまうところもあるかな?

    みたいな疑問に対して、編者は終章で整理してくれていて、頭はかなりスッキリ。

    ナラティヴ・セラピーを相対化しつつ、それぞれの現場において必要なアプローチを行うことの重要性を確認した感じ。

  • Library

  • 「自分でも意識しておらず、自分の中でまだ物語として成立していないものを物語化していく」
    うまくいえないけど、(少なくとも自分)とても大事なことを言っている気がする。

  • ナラティブの定義からしっかりと。「ナラティブ」はよく聞くが、みんな定義が曖昧なので、混乱する。読むならこれ、と思い。

  • 面白いけど、ナラティブアプローチはやや不幸な形で日本に入ってきたと思う。もう少し前に入ってきたら扱いは変わっていたのでは??

  • ナラティヴ・アプローチ=ナラティヴという概念を出かかりにして何らかの現象に迫ること.
    それをさまざまな学問領域でどのように活用しているかのパースペクティブを得ることができる.

    ナラティヴ=複数のできごとを時間軸に並べたもの
    ストーリー=ナラティヴ+プロット(筋立て,出来事間の関係, Relevance)

    ナラティヴが伝えるもの
    1) 時間性(生きられた時間)
    2) 意味性(プロット)
    3) 社会性(語り手と聞き手の共同作業)

    本質主義vs構成主義
    ・本質主義=個々のナラティヴは本質を示すデータ→GTA
    ・構成主義=個々のナラティヴが結果としてどのような現実を構成しているか→インタビュー自体が現実を構成する→アクティブ・インタビュー

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京学芸大学教育学部教授
北海道大学大学院社会学専攻博士課程単位取得退学
主著『物語としてのケア:ナラティヴ・アプローチの世界へ』(医学書院,2002),『ナラティヴの臨床社会学』(勁草書房,2005),『ナラティヴ・アプローチ』(編著,勁草書房,2009)。

「2014年 『ナラティヴ・セラピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口裕二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
ミシェル・フーコ...
シーナ・アイエン...
ケネス・J. ガ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×