連携と離反の東アジア (東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センター叢刊 第 19輯 アジア比)
- 勁草書房 (2015年3月20日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326653928
作品紹介・あらすじ
アジアにおける英語化の進展は、アジア人としてのアイデンティティを強化させることになるのか。また、日本をはじめ、多くのアジア諸国が、みずからのソフト・パワーを利用して、他国への影響を及ぼそうとしているが、アジアの人びとの「心の国境」は変容しているのか。逆にこれが、アジアの分断とナショナリズムを強化しているのか。
感想・レビュー・書評
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中国の台頭に関する第1部を中心に読了。東・東南アジアのエリート大学の学生への調査や一般世論調査を元に、各国の対中意識を分析している。
中国に対する警戒感が国ごとに異なり、たとえば日本やベトナムで高め、韓国で低めなのは予想どおりだが、2008年に比べ13年時点では地域統合への肯定的な意見が後退。東南アジア諸国の間での中国認識は多様で、日本の保守派(本書では読売新聞を挙げる)が唱える、「東南アジアと連携して中国に対抗」という言説がどれだけ有効か。また、中国人との接触が排外意識を低減させるとの接触仮説はタイでは該当せず。
本書は2015年の出版で、調査はいずれも2013年以前のものだ。2020年の現在だとまた異なる傾向が出るのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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