ちょっと気になる医療と介護 増補版

著者 :
  • 勁草書房
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本棚登録 : 71
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326701032

作品紹介・あらすじ

社会保障制度のなかでも特に注目の集まる医療と介護の現状をどのように把握し、未来をどのように設計すべきか。ハンディで勘所をわかりやすく説く画期的入門書として話題をよんだ第1版に「介護保険改革のその後と三党合意」「一体改革とはなんだったのか」等あらたな「知識補給」を加え構成する増補版。システムの根本から学び、教えるための入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 医療と介護の話と思いきや,アダム・スミスの生産的労働と非生産的労働の話から始まる。第3次産業が中心になった社会においてサービス業従事者の需要が総需要を増やす上で重要になる。日本のサービス業で医療・福祉分野は就業者数が最も伸びている分野。日本のサービス業は生産性が低いと批判されることがあるが,そうしたときの生産性は付加価値生産性。これを高めるには,医療や介護の価格を上げればいいが,医療と介護の価格である診療報酬や介護報酬は低く抑えられている。それゆえ従事者の賃金も低く抑えられることになり,総需要を増やすことが見込めない。付加価値生産性の上昇を追及するとおかしな方向に行く。そんな話で始まる。

    地域医療構想や地域包括ケアなどの近年の医療・介護分野の政策動向が知れる。地域で治し支える医療が印象的。医療と介護の連携が重要になる。

    ところどころに経済学の歴史の話もあって勉強になった。

    社会保障のあり方は国民の正確な理解が鍵になるということを再認識した。社会保障の財源の確保、大事。

  • 現代の医療介護をめぐる課題、解決に向けた論点、メディア等の誤認識がわかりやすくまとめられている。医療・介護の課題を理解したい方へはおすすめの一冊。こういう考えをメディアとうが粘り強く説明すれば、人々の理解も深まるであろうと感じた。

  • テレビ放送大学
    財政と現代の経済社会(’19)
    Public Finance and Modern Economic Society ('19)
    主任講師:諸富 徹(京都大学大学院教授)
    第6回 社会保障各論
    -年金・医療・介護・生活保護-
    ゲスト:権丈先生
    1.年金
    2.医療
    3.介護
    4.生活保護
    https://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/2019/kyouyou/C/syakai/index.html

  • ★ 広国大の電子ブック ★
    Maruzen eBook Library から利用

    【リンク先】
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000052945

  • 日本の民間頼みの医療体制の整備と、それが原因で統制が効かないとのこと。成田同様、私的権利の保護、確保が何よりも必要なこととなってしまう現実。

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著者プロフィール

慶應義塾大学商学部教授 博士(商学)
1962年福岡県生まれ。1985年慶應義塾大学商学部卒業、1990年同大学院商学研究科博士課程修了。嘉悦女子短期大学専任講師、慶應義塾大学商学部助手、同助教授を経て、2002年より現職。この間、1996年~1998年ケンブリッジ大学経済学部訪問研究員、2005年ケンブリッジ大学ダウニングカレッジ訪問研究員。
公務では、社会保障審議会、社会保障国民会議、社会保障制度改革国民会議、社会保障制度改革推進会議の委員や社会保障の教育推進に関する検討会の座長など、他にもいくつか引き受けたり、いくつかの依頼を断ったり、また、途中で辞めたり。
主要業績に、『医療介護の一体改革と財政 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅵ』(2015年)、『社会保障の政策転換 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅴ』(2009年)、『医療政策は選挙で変える ―― 再分配政策の政治経済学Ⅳ[増補版]』(2007年〔初版2007年〕)、『医療年金問題の考え方 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅲ』(2006年)、『年金改革と積極的社会保障政策 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅱ』(2004年、労働関係図書優秀賞)、『再分配政策の政治経済学Ⅰ ―― 日本の社会保障と医療[第2版]』(2005年〔初版2001年、義塾賞〕)(以上、慶應義塾大学出版会)、『医療経済学の基礎理論と論点(講座 医療経済・政策学 第1巻』(共著、勁草書房、2006年)、翻訳としてV. R. フュックス著『保健医療政策の将来』(共訳、勁草書房、1995年)などがある。

「2016年 『年金、民主主義、経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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