ちょっと気になる政策思想 第2版: 社会保障と関わる経済学の系譜

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  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326701209

作品紹介・あらすじ

社会保障という所得再分配政策はどうあるべきなのか? 好評を博した初版にデータ更新、新たな知識補給を加えた第二版。

世の中の所得は平等に分配したほうが経済の活力が高まるのか、不平等に分配したほうが経済の活力は高まるのか──どの経済理論をとるかにより、政策解が全く違ってしまうことが起こりえる。その政策がどのような前提から導き出されているものか自覚のないまま行われる社会保障論議の愚を説き、根拠に基づく有効な政策形成を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:364A/Ke44c//K

  • 左側の経済学と右側の経済学を対比しつつ,経済学の流れが説明されていた。どちらの経済学の立場に立つかで,社会保障の見方も異なることも述べられている。

    生産性を無理やり付加価値生産性で論じることによる医療・介護への悪影響,マルサスの一般的供給過剰論からケインズの有効需要論までの左側の経済学のながれ,青木=吉川モデルの消費需要の飽和が経済成長の天井を規定するS字型成長曲線,成長産業を事前に選択する難しさに関する積極的貿易政策からの示唆,1%の成長率でも累積すると大きな変化になるという指摘,ドーマー条件,給付先行型福祉国家の運営の難しさが印象に残った。

  • 本屋で立ち読みしていて面白そうだったので読んでみた。タイトル通りの社会保障に関する経済学系譜を知る事ができた。

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著者プロフィール

慶應義塾大学商学部教授 博士(商学)
1962年福岡県生まれ。1985年慶應義塾大学商学部卒業、1990年同大学院商学研究科博士課程修了。嘉悦女子短期大学専任講師、慶應義塾大学商学部助手、同助教授を経て、2002年より現職。この間、1996年~1998年ケンブリッジ大学経済学部訪問研究員、2005年ケンブリッジ大学ダウニングカレッジ訪問研究員。
公務では、社会保障審議会、社会保障国民会議、社会保障制度改革国民会議、社会保障制度改革推進会議の委員や社会保障の教育推進に関する検討会の座長など、他にもいくつか引き受けたり、いくつかの依頼を断ったり、また、途中で辞めたり。
主要業績に、『医療介護の一体改革と財政 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅵ』(2015年)、『社会保障の政策転換 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅴ』(2009年)、『医療政策は選挙で変える ―― 再分配政策の政治経済学Ⅳ[増補版]』(2007年〔初版2007年〕)、『医療年金問題の考え方 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅲ』(2006年)、『年金改革と積極的社会保障政策 ―― 再分配政策の政治経済学Ⅱ』(2004年、労働関係図書優秀賞)、『再分配政策の政治経済学Ⅰ ―― 日本の社会保障と医療[第2版]』(2005年〔初版2001年、義塾賞〕)(以上、慶應義塾大学出版会)、『医療経済学の基礎理論と論点(講座 医療経済・政策学 第1巻』(共著、勁草書房、2006年)、翻訳としてV. R. フュックス著『保健医療政策の将来』(共訳、勁草書房、1995年)などがある。

「2016年 『年金、民主主義、経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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