歴代首相の言語力を診断する

著者 :
  • 研究社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327376970

作品紹介・あらすじ

東條英機から小泉純一郎まで、戦中・戦後の歴代首相の国会での演説や答弁を徹底調査。『〜あります』の東條英機、『〜いたしました』の田中角栄、『考えます』の竹下登、『〜です』の小泉純一郎など、それぞれの話し方の特徴や時代による変化をデータをもとに鮮やかに分析し、政治とことばの関係にあらたな光を当てる。

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい才能や情熱、知識を持っていたとしても、相手に伝わらなければ意味がない。
    だから、政治家に限らず、何をするにしても、言葉についてもっと学んだ方がいい。
    ましてや、リーダーとしてメッセージを発する立場ならば、言語力は必須要件といえる。

    読み終えてみて、私の場合、オフィシャルな話し方しか出来ない傾向があると気づいた。(まるで戦時中の首相のよう。)
    たとえオフィシャルな場であっても、聞き手と連帯を生むような話し方や例えを入れる事で、聞き手との距離はぐっと縮まる。

    今の時代に適した言語力について、歴代首相の言葉を徹底的に分析して導かれた理論には、説得力があった。
    有名なスピーチや、聞く人の心を捉える人の話し方をもっと参考にしながら、自分の言語力を鍛えたい。

  • まぎれもなく歴史的名著です。難しい言語学の言葉は全然出て来ません。語尾を「あります」「ございます」「です」の統計を取ったり、わかりやすい論拠で話を進めます。章ごとに結言があって、学問的に進んでいきます。「診断する」というから、誰かが病的だとか通信簿的なものを期待していたが、よい意味で裏切られて、統計的に総論から分析している。特に東郷・田中・小泉に着目していくのが、著者の趣味を感じながらも、分析しやすいので、読みやすい。2006年なので10年前だが、色褪せない言論で、続編を出してほしい気もする。

  • 首相と国民の立ち位置、言葉遣いの変遷などがわかって面白い。スピーチにおいてはやはり小泉さんはデータでみても特殊だった

  • やっぱりステージの力が変わってゆくね。

    力と力のステージ=高テキスト(文末〜であります)

    ↓ 例;東条英機
    戦後:力の差に基づく連帯
    ↓高テキスト:田中角栄

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著者プロフィール

ユタ大学言語文学部教授。著書・論文 『社会言語学入門』(研究社出版、2009)、『選挙演説の言語学』(ミネルバ書房、2010)、「スキーリフトに乗り合わせた北米の初対面の人たちは、どのように会話をするのか―スモールトークの談話分析」『スキー研究』12-1(2015)

「2016年 『SP盤演説レコードがひらく日本語研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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