- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784327453077
作品紹介・あらすじ
専門家11人に英語学習について聞いてみました
英語学習者が抱える個別の悩みについて、第二言語習得研究の最前線に立つ11人が、それぞれの専門分野の膨大な研究業績の蓄積を駆使してQ&A形式で回答。語彙や文法や発音といった学習分野だけでなく、「読む・書く・聞く・話す」の技能面、個性の違いや留学や子供の英語など環境面などを、各専門の立場からわかりやすく解説する。エビデンス付きで本当に役立つ英語学習法を知るとともに、第二言語習得研究の概要を知ることもできるお得な1冊。各章にブックガイド付き。
<目次>
第1章 SLA 研究から考える英語学習の大原則
大人でも高度な英語力は身につく/インプットの効果を最大化する/アウトプットの4 つの利点 ほか
第2章 単語の学習
英単語の効果的な学習法を教えてください ほか/ SLA研究の最前線:文脈からの意味推測の効果
第3章 文法の学習
「中学英文法さえ知っていれば英会話はできる」というのは本当ですか? ほか/ SLA研究の最前線:リスニングとスピーキング練習における文法処理の手続き化
第4章 発音の学習
何をすれば発音が上手になりますか? ほか/SLA研究の最前線:発音習得のためには聞き取りが重要か
第5章 リスニングの学習
「シャドーイング」とは何ですか? どのような効果がありますか? ほか/SLA研究の最前線:コミュニケーションにおける同時処理能力を育むシャドーイング学習の秘密
第6章 リーディングの学習
1文ずつ訳してしまう読み方はダメでしょうか? ほか/SLA研究の最前線:多読の効果にエビデンスはあるか?
第7章 スピーキングの学習
「インプットだけで話せるようになる」というのは本当ですか? ほか/ SLA研究の最前線: スピーキングにおけるチャンクの重要性
第8章 ライティングの学習
英語を書くことと話すことはどう違いますか? ほか/ SLA研究の最前線: ライティング活動と文法学習のタイミングの関係
第9章 英語学習と個人差
英語学習における「記憶力」について詳しく教えてください ほか/ SLA研究の最前線: 英語力の「相転移」が起こる条件
第10章 動機づけ・学習スタイル・学習ストラテジー
英語学習のやる気はどうしたら維持できますか? ほか/SLA研究の最前線: 動機づけ向上を目指した指導の効果
第11章 子どもの英語学習
小学校英語の教科化で日本人の英語力は上がりますか? ほか/SLA研究の最前線:外国語環境における早期英語学習の効果
第12章 留学による英語学習
留学するなら早ければ早い方が良いですか? ほか/SLA研究の最前線:留学で上達しやすい英語力と留学しなくても上達できる英語力
終わりに――SLA研究の活用法と注意点
感想・レビュー・書評
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すきがない。それしかない。
リーディングであろうとスピーキングであろうと。
世の中で言われるあるあるを科学の視点でハウツーをまとめた本。
結局それしかないかという気持ちと、それでいいのかという新鮮さがあり、独学者に優しいつくり。
子供や留学も扱っており、第二言語の学習の随を学べる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英語学習に興味がある人は必読!
内容も非常に興味深く、読みやすい。
昨今では英語学習YouTuberなども書籍を発行して指南しているが、本書の方が数段階上の知見を正しい視点で示してくれている。なぜならYouTuberが引用する論文の筆者達だからだ。
学者が本気で書いた本書があるのに、怪しいYouTuberの本を買う必要はないだろう。
終章でまとめられている部分だけでも有用である。「聞き流すだけで英語が身につくことはない。」「英語耳はない」
それらの刺激的な内容を締めるのが、
「過剰な一般化はしない」
「研究の知見は科学的に証明されているわけではない」(現時点の知見で正しいとされているが、常に反証の可能性を含んでいる)
この終章を入れられる筆者編者は素晴らしい。
私のような門外漢は、英語学習においても常に科学方程式のような答えや最適解を求めてしまうが、それを戒めてくれる先生方には脱帽である。
本書がもっと売れて先生方の懐へ反映される事を祈るが、表紙はもう少し売れるようなカバーにならなかったか悔やまれる。 -
英語についてどのように勉強すればいいかがわかりやすく説明している。
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女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000059269
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第二言語習得の専門家が書いた本。
第二言語習得研究(SLA研究)について予備知識のない読者を念頭に置き執筆されており、SLA研究を本格的にしたい大学生はもちろん、一般の学習者にも活用してもらえる、とのこと。
大衆向けの軽い読み物を想像していたら、結構専門的な本だった。とりあえず英語勉強したいな〜って軽い気持ちで読む本ではなかいかも。
SLA研究に興味がある人にとっては分かりやすくまとめられた良書なのかもしれない。
以外メモ
・インプットの効果を最大化する
理解できるメッセージをたくさん聞いたり読んだりする
インターアクション(外国語でやりとり)することで、理解可能なインプットを増やす。理解できなかったときに、やり取りを通して理解可能なインプットに変える。
・アウトプット
・言語重視の活動
インプット、インタラクション、アウトプットは意味重視。単語学習アプリなどで語彙を学ぶ、文法書などで文法ルールを学ぶ、難しい発音のトレーニングをする。これらの言語重視活動も取り入れる。 -
中田達也氏は、研究を実践の場にいかに活かせるかを考えてらっしゃる数少ない貴重な方だと思っている。経験則でこうじゃないかなぁと思うことが、本当にそうなのかということは難しい。しかし、中田氏はそれをバッサリと斬っている。特にこの本は多くの分野にまたがって著されているので、英語学習に関心が高い方は必読の書である。
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おすすめ資料 第529回 自分の英語学習を見つめなおすために(2022.7.8)
英語学習についての疑問に、第二言語習得研究(SLA研究)の専門家がこたえる形式です。
今の自分の学習スタイルに偏りや思い込みはないか?
より上達するために必要なことは何か?
あらためて考えてみるためのヒントが得られそうです。
第6章を本学准教授の濱田彰先生が執筆されています。
【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
https://library.kobe-cufs.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BK00358106
【神戸市外国語大学 図書館Twitterページへ】
https://twitter.com/KCUFS_lib/status/1546362397232865280 -
スピーキングや英単語学習などいろいろな英語学習の悩みに対し、第二言語習得の専門家が答えてくれているので、巷に溢れるハウツー本とは違うと感じた。
「英語脳」や「英語耳」といった眉唾物を信望している大学生あたりに教えてあげたい。(なお、英語耳の存在はこの本で否定されている。異音の聞き取りならまだ分かるが、フォルマントがどうというのは怪しすぎる。帰国子女とか、幼少時まで日本で暮らしたがイギリスに帰化したカズオ・イシグロとかどう説明するんだろう)