- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784331518984
感想・レビュー・書評
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初めて刑務官から法務省矯正局長まで登り詰めた筆者が、これまでの仕事内容と今後の矯正行政について語っている。
刑務官へのエールもだが、何より情報発信せねばという使命感が柔らかい語り口の背後からじわりと伝わってくる。
確かに知らないことが多かった。
「「見たくない」「どこかへ出て行ってくれ」ではなく、「あっても仕方ないか」「少しは役に立っている」」(p194)刑務所へのイメージ転換が迫られていること。
受刑者増加によって刑務所が一杯になっていて、その対処方法として、民間活力利用が求められていること。
刑務所誘致は、過疎地にとって、強力な活性化策の一つになっていること。
東日本大震災の際、小規模ながらも救援活動実施していたこと。等々。
長い目で見れば、まず必要なのは受刑者を減らす施策だろうとは思う。
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ノンキャリアの刑務官出身で初めて法務省矯正局長に就任した著者の西田博氏が、これまでの自らの経歴を振り返りながら、刑務所のこと、そこで勤務する刑務官のことを紹介している。
刑務官出身といっても、現場勤務は最初の2年程度で、あとは法務省本省勤務や管理職という立場であったとのことだが、だからこそちょっと現場からは引いた管理する側の視線からの刑務所及び刑務官の世界を知ることができ、とても興味深かった。地域活性化のツールの一つとしての刑務所という視点は、新鮮だった。 -
たたき上げの刑務官から局長にまで上り詰めた経歴から、矯正行政の現場を分かりやすく説明した本。慎ましい書きぶりが、まさに〝ひとりごと〟