トロピカル―異形コレクション〈11〉 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 い 6-11 異形コレクション 11)

著者 :
  • 廣済堂出版
3.36
  • (3)
  • (4)
  • (14)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 60
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331607626

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 異形コレクションでそのテーマは…??と思ったけど、思い起こせば未開の熱帯へのロマン…幻想…たしかに誰しも魅せられる世界観だった…。
    (あと表紙、マジで何かよく分かってなかったんだけども、よく見たらイカ…イカ……)
    島村洋子先生→それは本当に愛なのか…???
    奥田哲也先生→島に眠る力は、生者にとっては果たして…。
    倉阪鬼一郎先生→エログロがこうも野蛮に繰り出される…死体で造船された船…凄まじいイマジネーションだ…。
    安土萌先生→異国情緒あふるる美青年に安易について行ったらあかんと我々に教えてくれる…。
    北原尚彦先生→異国情緒あふるる美女に以下同文。しかして、獣と人の間に蠢く境界すら分かりにくくする魔術が、熱帯にはある…。めっちゃ好きな雰囲気だった…。
    早見裕司先生→島国出身の巫女!!これまた異形コレクションぽいテーマだ!!しかし、これは世紀末に誕生する新たな創世記のアダムとイブって感じで…すごい…。これも好きな雰囲気だった…。
    毛利元貞先生→結局そういうオチかーいってやつだけど、映像化したらめちゃ迫力ありそう…。
    本間祐先生→カーニバルの熱狂もまた、我々から正気を奪い幻想にいざなう魔的な魅力があるよな…。
    榛原朝人先生→異形コレクションにこういう絵本みたいなの入るのって、びっくりだな…。熱帯地域の見せた、優しい世界だ…。
    田中啓文先生→また田中先生は我々に人外魔境の”切れ目”を悍ましい肉片と悪臭をもってして見せつけてくれる…。これはまた狂気の親子愛(?????)まで孕んでいるから恐ろしい…いや、凄まじい。
    佐藤肇先生→漫画だとトロピカルってテーマ、すごく映えるよなあ…。やはり視覚的に訴えてくるものがある…我々にとっての原始の記憶なのだろうか…。それにしても美しい少年の姿に化けて繁殖・移住しようとするの、あまりにも知能が偏って発達し過ぎている。
    小沢章友先生→熱帯の女神は豊穣を司りつつ、真正面から荒ぶる神って感じで怖いのに惹かれてしまう…。
    速瀬れい→中島敦の死に際、マジであんな感じだったのかな…マジで李徴じゃん…。悲しいね…。
    篠田真由美先生→異国情緒あふるる美少女に以下同文。でもこれはある意味ハッピーエンドだったんじゃないかな、どうなんだろう…。美しい女神に愛され、最後までその愛の手のひらで踊らされ、女神に迎え入れられた男は、幸せだったんじゃないかな。
    藤川桂介先生→島に伝わる民話の伝説、これもまた魅力がある…。
    辻和子先生→まさに南国な絵本風味。ココナツの中身が繋げた異空間には…。
    二木麻里先生→笛という楽器の音色は、我々を原始の時代に引き戻す魔力を持っていると思う。
    田中哲弥先生→猿玉こっっっっっっわ。気が狂う薬…一体何故…最後までこの何故…が解けないのがまた怖い。
    飯野文彦先生→ヤシの実のサイズ感、絶対一回はそう思うよね…。
    草上仁先生→ガラスの美しさ、鋭さ、恐ろしさ…。綺麗なものは残酷と隣り合わせだと教えてくれる。
    朝松健先生→ラスト、そう来たか…。
    竹河聖先生→だから異国情緒あふるる美少女にはとあれほど。しかし親御さんとしては、そりゃ怒り心頭だよな…。
    江坂遊先生→人食い帽子ってテーマ、やっぱり一貫して何かロマンがある??
    井上雅彦先生→フルーツ×人間ってぱっと見、美味しそうなのにやっぱりグロテスクで気持ち悪いだろうな…怖…。
    菊地秀行先生→この…時代をちゃんと現代に巻き戻してからラストでサーッと血の気が引いていく感じ…めちゃめちゃ今回のアンソロのシメに相応しかったな…。

  • お題が果てしなく陽気なイメージなんで、「なんでまた?」と訝しんでみたが、成る程、南国果実のようにコッテリ濃厚な匂いと味をたたえた名品が(すべてとは云わないが)居並ぶ好アンソロジーでした。「海」であろうと「ウミ」であろうと、そしてそれが「猿」であろうと、口中いっぱいに広がる甘くてコッテリな風味とずしん、とくる満腹感……というより膨満感が味わえる。
    ということで、田中啓文「オヤジノウミ」と田中哲弥「猿駅」が一冊にまとまって一度に読めるだけで素晴らしいアンソロジーと云えるでしょう。それから倉阪鬼一郎「屍船」、早見裕司「罪」も印象に残った。

全2件中 1 - 2件を表示

島村洋子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×