会社の電気はいちいち消すな (光文社新書 394)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034979

感想・レビュー・書評

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  • 企業における節約とコスト削減についての本。

    第1章は会計の基礎知識をわかり易く解説しているという点で多少評価できるものの、少しでも勉強したことがある人ならわかっているレベル。第2章はいろいろ並べ立てているだけという印象。第3章はこれだけの例を挙げているのは評価できるものの、説得力に乏しい。

    第4章は大筋の主張は理解・同意できるが、日本企業の多くが仕入れに対して疎かになっているかのような意見には同意しかねる。有名メーカーの知り合いに社内を歩かせて貰えというような意見と合わせて、著者の周りの状況をそのまま一般化している印象を受けた。

    第5章もいろいろ並べているだけ。全体として、まとまりがなく、主張が整理されていない感じ。また、対象としている読者層がぶれている印象を受けた。ブログならともかく、新書とは言え、書籍としてはちょっといただけない。

    そして何よりタイトルにある「会社の電気はいちいち消すな」という主張にきちんと触れられていない点が騙されたような気分にさせる。電気を消せというなら自動消灯するためのセンサーを付けろというような記述はあったが、説得力がない上、努力を求める節約は失敗するとしておきながら、節約術100連発にはそうした節約術が多数紹介されている。

  • 「会社の電気はいちいち消すな」とは、それをするなということではなく、投資対効果を考えたコストダウンを行えということ。こう書くと「あたりまえだろう」と思う人もいるだろうが(というか、あたりまえと思えないビジネス・パーソンはそうそうお目にかかれない)、実際にはなかなかできない。 私の同僚に優秀なエンジニアがいるのだが、その彼が我々の製品と、ライバル社の製品を比べて、我々の部品のコストがxxx円高い。これは製品の考え方を変えなければならないというような趣旨のことを声高に叫んだことがある。こういう主張は悪いことでないのだが、彼には、ライバル社このxxx円をコストダウンするために支払っている固定費(人件費)のことが全く念頭に入っていない。こういう単純思考に陥ると、全体としてはマイナスになってしまう部分最適が起こる。その結果、この本に「会社の電気はいちいち消すな」といわれてしまうのである。

  • 坂口孝則氏の著書は好きなのですが、当著は若干とっ散らかった感じがしました。
    コスト削減のためのアプローチは多岐にわたり、継続的に地道にやらねばならないのだということは重々理解しましたが、いかんせん出てくるコスト削減策がセコいものが多く、ワクワク感が足りない実務書といった様相です。

  • バイヤーによる実践的コスト削減のススメ。
    会計についても知ることができる。
    努力を強いる節約ではなく、システムおよび見える化により制約や強制をする方が成果が上がるという話は説得力がある。
    2009年の書籍で現在とは節約ノウハウが変わっているものがあるかもしれないが、コスト削減の本質的な考え方は今後も不変だろう。

  • 変動費の回収
    固定費の最大稼働
    見える化と目標達成の快感

  • 端的にタイトルの真意――本の真意――を要約してしまえば,
    人件費等の固定費を削減するのではなく,
    アーキテクチャを使って人を動かし,
    固定費を効率よく使いましょうね――です。

    ちなみに,社会思想において,アーキテクチャとは,
    人間の行為を制約したりある方向へ誘導したりするような
    ウェブサイトやウェブコミュニティの構造、
    あるいは実際の社会の構造のことをいう
    (wikipediaより抜粋,一部改変)。
    本書ではアーキテクチャという用語は使っていない。

    100の秘策自体は,そう大したことはない。
    本書を読んで,面白いと感じた方は,
    社会思想してのアーキテクチャ,行動経済学,
    脳科学関係の本も 併せて読んでみるとよいかもしれない。

  • この筆者のいつものように、感傷に浸るような表現があるのが面白い。

  • 努力や頑張るではなく、そうせざるをえない状況をつくることでしか、面倒なことはクリアできないよね、ってことね。
    固定費の回収、固定費の流出を防ぐ、など、固定費はポイントだと思った。
    利益をあげることも重要だけど、経済活動を行う人を生み出すことも重要だよね。
    金は天下のまわりものだし。

  • 要は節約の本なのですが、次の3つの人間の特性は、節約に関係なく押さえておかないといけないことだと思いました。
    ・人は、愉しいこと、自分の利益になることしか
     進んでやろうとしない
    ・人は、ルールやシステムがないと、
     高い倫理観を持ち続けられない
    ・人は、強制的にやらされることしか達成できない

    節約の件については、固定費や変動費を、節約の視点から見直す方法が書かれており、参考になりました。

    とりあえず、うちの会社については、上の3つの特性を無視しがちであることと、節約が下手だということがよくわかりました(笑)。
    今回読んだ内容を踏まえ、うちの会社を少しずつ変えていけたらな、と思っています。

  • コスト削減の方法をまとめた良書。
    特に第3章の節約術100連発は中々参考になると思う。読むだけで終わるのではなく、実践できる事を実践して成果をあげることが大切。

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著者プロフィール

未来調達研究所株式会社所属の経営コンサルタント。大学卒業後、メーカーの調達 部門に配属され、調達・購買、原価企画を担当してきたコスト削減、仕入れ等の専門家。日本テレビ「スッキリ」、TBS「篠田麻里子GOOD LIFE LAB」のコメンテーター、ラジオ「オールビジネスニッポン」のMCなどとしても活躍中。

「2020年 『1年仕事がなくても倒産しない経営術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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