誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)

著者 :
制作 : 藤見里紗 
  • 光文社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043070

感想・レビュー・書評

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  • 大人の性について、答えはないという答え。モヤモヤし続けること、揺れ続けること。その姿勢が大切。それでいいんだ。

  • 更年期を意識する年齢なので、「更年期、もう一度人生の主役に返り咲く」という目次が気になって、タイトルや表紙の絵にちょっとドキドキしながら図書館で借りてきました。表紙はもっと普通の新書と同じシンプルな方が良いかな?と個人的には思います。でも、敢えてなのだろうな、とも。

    著者の違いもあるかとは思いますが、男子編と女子編のテイストの違いにビックリしました。大人男子にとっては、これが性教育なのか…と。改めて前提が違うということを感じました。産むのは女性で、産まない(産めない?)のが男性。女性は産むということに関連した知識が必要で、男性はそれよりも長年培われた「らしさ」から解放されることが必要のよう。現代では、女らしいというのは、それがどうした?と跳ね返しやすいけど、男らしいは、賞賛の場面で使われることもあるので、否定しにくく、解放されにくいというのもなるほどと思った。

    女子編は、うんうんこういう話聞いておきたかったという内容でした。時期が来たら娘に読ませたいなと思いました。

  • 堅苦しくない大人向けの保健の教科書、という感じの一冊。
    男性には坂爪慎吾氏、女性には藤見里紗氏がそれぞれ向けて記載していて、最後にQAや対談が載っているスタイル。

    坂爪氏の主張はとてもすんなり入ってきて、なるほどそうだよなと納得感を強く感じたのに対し、藤見氏の方にはところどころ極僅かに違和感を感じた。
    「産後は夫と無理にコミュニケーションを取らなくてもいい」、
    「男の子が男らしさを象徴されるときは褒められる状況であることが多い」、
    「大人でもパートナーに求めているのは子供の頃に母親にしてもらいたかったこと、癒しやぬくもりだと思う」といった主張など。

    比較的、坂爪氏は男性に寄り添い、藤見氏が女性に寄り添うという立ち位置で話している以上、そう感じるのはさもありなん。
    男女は思考が違うのだから、完全に理解しきれないというのは考えてみれば当然だろう。

    両氏とも基本的にとても優しくて包容力があり、自分を受け入れてくれるのだろう、という安心感が読み取れた。
    後半のQ&Aは質問内容が余りにも幼稚で基本的過ぎる内容だったので全く参考ならなかった。

  • 男女双方の視点からコミュニケーションとしての性や性教育を社会学の視点から描いている

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50075239

  • いまさらだけど、「性の作法」の正解が知りたくて読んでみた。

    結局、夫婦でもパートナーでも、話し合いが大事ってことだけど…

    女子編の
    ○ それぞれ問題を出し合う。
    紙に書く。
    ○ 産後、妻の性欲を取り戻すには、「母時間」を減らす。

    夫はケーキや花のプレゼントではなく、明日の牛乳が切れてないかを確認した方がポイント高い。

    ○ セックスレスはリスニングレス。週一、月一、無理なら年一の忘年会などイベントを。ドライブおすすめ。 

    ○ 男性は性教育をほとんど受けてきていないため、女性より性への偏見が大きいと捉えておく。

    ○ 男が「察してくれない」のは、自分が実家に帰った時に、母が何でもしてくれて、手伝わなくてもいいかって思ってると、「察してくれない!」と言われて「言ってくれればいいのに」と思うのと同じ。

    ○ 男性も「男とは」と、がんじがらめになっている。それに気づき、女性の方がリードする方が夫婦はうまくいくのでは。

    まもなく60代の夫婦、男は「死ぬまで現役!」とあおられた世代。夫との話し合いは難しい…

    npoマドレボニータも気になる。

  • 成人の性についての関わりを体験を元に話す本
    坂爪さんの方の自分語りが下手というか謎のプライドを出してくるせいで読みにくい。流石にキツイってなってしまった。
    藤見さんの方は公演をまとめたのか話し口調で読みやすい内容。こっちだけでも良かった。

  • 性にまつわる幻想や固定観念がいかに強固で、それに我々が振り回され続けているということを取り出して考えるきっかけになる良著だと思う。
    結婚する・しないの選択肢、パートナーとのあり方、LGBTなどのトピックはあれど、大事なのは自分がどのようにありたいのか、相手がどのようにありたいのかを見つめることで、割り切れないことを受け入れていくことである。
    当たり前のことだけど、性の話になると途端に見えづらくなるから、困ったものだ。

  • 男性の著者(坂爪さん)と女性の著者(藤見さん)がそれぞれの性にまつわることなど論じた後、対談形式でいわゆる性に関するお悩みに回答する構成。最初の男女それぞれに書いた部分の違いにびっくり。
    何というか、女性がどんどこ自分の内面を突き詰めていくような感じなのに対し、男性の視点(坂爪さんの視点というべき? まあ、この本では男性代表だよね)は、非正規職は結婚や恋愛から遠ざかってるとかデータとか観念的なこととか、「男って……」的に男性をひとくくりに論じている感じ。やっぱり、男性の多くが“男らしく”あることを求め、男の王道を目指してるのかなあ。坂爪さんはそういうものを否定し逃れるべきと述べているけど、それだってそこから逃れた先進的な身としてマニッシュにマウント張ってるようにも思える。
    対談部分を読むにつけ思ったのは、男女って対話しないとダメだよねということ。自分や相手を「女ってこういうもの」「男はこういうもの」って思い、わかりあえないと思ってそのままにしすぎ。違いやそこから生まれる軋轢を話し合って何とかしていくことが大切なんだなと、当たり前で「そりゃそうだ」と前から思ってたことだけど、目が開かれたように再認識した。

  • 藤見里沙さん担当の女性向けの内容が満遍なくフォローされていて秀逸。対して坂爪担当の男性は……

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著者プロフィール

坂爪真吾(さかつめ・しんご)
1981年新潟市生まれ。NPO法人風テラス理事長。東京大学文学部卒。脳性まひ・神経難病等の男性重度身体障害者に対する射精介助、風俗で働く女性のための無料の生活・法律相談窓口「風テラス」の運営など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。著書『性風俗サバイバル』『情報生産者になってみた』(共にちくま新書)、『「許せない」がやめられない』(徳間書店)など多数。Twitter @whitehands_jp

「2022年 『ツイッターで学ぶ 「正義の教室」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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