体育会系 日本を蝕む病 (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044589

感想・レビュー・書評

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  • ahddmasさんのレビューから興味を持ち、面白い!と即決で読みました。「体育会系」のみならず、日本の社会や慣習もバッサバッサと一刀両断していきます。これが新しくて面白いのです
    日本とドイツ両方みてきたから卓越した観察眼があるのだと思います。
    ブラック企業にブラック校則、ブラックな上司や同調圧力私もヘッドバンギングしまくりでした。
    ここで言う「体育会系」の裏には根強い日本の文化的背景が息づいていると思います。
    農耕社会で、村単位で田植えや祭り、冠婚葬祭など協力して生きてく必然があった。→同調圧力。
    もの作りに長けていて、職人気質で仕事に妥協しない国民性。→プライベート、家族より仕事。
    これらは、個人主義の欧米とは相容れないかもしれません。
    でもその特大は「軍国主義」。司馬遼太郎をして「鬼胎の時代」ともされ明治時代までの合理的精神はどこにいったのか極めて日本史上異質であるとされた時代。
    「精神力」で勝つとか「根性」とか時には命すら軽んじられる軍隊由来のものが多い気がします。→「体罰」「シゴキ」
    これらが国際化の時代にどう日本的に進化していくかが問われていると思います。
    お国柄、はどこにもあって他国からのものをそのまま使ってうまく行かないことも歴史上多々あったの事実です。

    私は部活で極めて良い指導者に恵まれました。体罰、暴言なんて微塵もない。素人も確実に強くなる。柔道と言う格闘技の世界で、です。
    そこにはなぜ、その稽古をするのか知性がありました。面倒見のいい先輩がいました。
    それが自分のベースとしてあります。
    「体育会系」についてもやはり時代は文武両道が基本。「合理性」「知性」が必要だと思います。
    これからの社会が生きやすくなるよう日々多方面で改革が進んでいます。進展を見つめていきたいです。


    • ahddamsさん
      ちゃたさん
      おはようございます。
      早速読んでくださり、とても嬉しいです!!
      レビューを拝見し、未だに軍国主義の名残をあちこちで引きずっている...
      ちゃたさん
      おはようございます。
      早速読んでくださり、とても嬉しいです!!
      レビューを拝見し、未だに軍国主義の名残をあちこちで引きずっているのかもしれないと思いました。

      周りにあった体育会系にあたる部活動はどれも上下関係が厳しく、それを避けて入った文化系活動も結局は学生本分の勉学よりも部を優先させる風潮がありました。退部しようものなら「もうちょっと頑張れば?」と深追いされるのも辛かったです笑
      ちゃたさんがいらっしゃった柔道部は全部員が安心して稽古ができる、とても風通しの良い羨ましい環境です!
      面倒見の良い先輩をはじめ、普段からそうした気持ちの良い場所づくりを心掛けていらっしゃるのかなと思います^ ^
      2022/09/11
    • ちゃたさん
      ahddmasさん
      コメントありがとうごいます。
      そして素敵な本のご紹介も。

      私は大学入学を期に柔道をやめました。ガッチガチの体育会系を目...
      ahddmasさん
      コメントありがとうごいます。
      そして素敵な本のご紹介も。

      私は大学入学を期に柔道をやめました。ガッチガチの体育会系を目の当たりにしたからです。
      これは文武両道なんて無理だ……と。

      文科系活動でもそうだったのですね。学校と部活がドイツみたいに切り離されていれば、気まずくならないのに…と本書で思いました。

      社会人になったら本書の「体育会系」的なことのオンパレードでした(笑)

      幸いにしてコロナで飲み会や社員旅行もなくなり、働き方改革などが議論されています。
      すこーしずつ変わっていくといいなと思います!
      2022/09/11
  • 以前別著にて著者(日本在住24年目)のことを知ったが、今回は日本社会に蔓延る体育会系精神にメスを入れている。著者の主観が目立ってはいたが、ヘドバン並みの回数で頷いていたかも笑
    早速内容を追っていきたい。

    第一章:学校は「ブラック」の始まり
    懸念材料の一つが組体操。学校側からの、組体を実施する事への同調圧力や皆で我慢しながら成し遂げるという感動の押売り。ほぼ毎年生徒が事故ろうが、やりがいを重視させる。
    また、体育会系は言い換えると軍隊的。以降はブラック校則/部則やアルハラへと形を変え、精神は継承されていく。これじゃ終生、滅私奉公ですやん…

    第二章:サンドラが見たヘンな職場
    元職場での経験をはじめ飲食店や某大手企業の社員を調査。
    パワハラ、外国人技能実習生への不当な扱いと悪影響は幅広く…第一章の歪んだ教育が人格の一部となり、自然とブラックな環境を選ぶ。他者にまで精神論を強要するまでがセット。する方も哀れな社畜なんだ。

    第三章:女性に冷た過ぎるこの社会
    仕事に出産・育児・PTA・身だしなみに至るまで「女性にラクさせたくない社会」。本章での体育会系精神は「前例」と名前を変えている。
    「彼女達が頑張れば頑張るほど、政治家は頑張らなくなる」ー 大丈夫じゃないのに前例に従ってこなしていると見られ、鵜呑みにされてしまう…(そこは見破って欲しいのだが…!)
    致死量の気合なんか要らない。

    第四章:外国人がカイシャから逃げていく
    入社早々能力を活かせない部署に配属させられるから。外国人も同じスタート地点で当然という、「新人は玉拾い」論を日本の"カイシャ"はまんま導入している。
    他にも原因はあるが、一貫して言えるのは"平等"を都合良く解釈していること。

    第五章:「世代論」から抜け出せない人々
    所謂「最近の若い世代は…」発言。「自分のことしか考えていない」と憤る旧世代に対し、むしろ今の若い世代の方が現実的な人生設計を図っていると肯定的な意見があるのは新発見だった。

    第六章:ニッポンの明るい話
    色々挙がっていたが、体育会系特有の上下関係に「良さ」を見出しているのも意外だった。バッチバチな実力社会よりも、年齢という明確な基準で区切るのは平和な生活の為には悪くない方法だという。それが陰湿でさえなければまだ平和なんだけど。


    メスを入れるどころか一刀両断せん勢いだったが、やはり卓越した観察眼をお持ちである。
    スポ根上等‼︎な体育会系は苦手なタイプだったが「これも体育会系⁉︎」と本書で思うことが多く、自分も毒されていると考え込んでしまった。
    今の自分に違和感を覚える人が一人でも増えるだけで、この本の意味がある。

    • ちゃたさん
      面白いです!今までありそうでなかったテーマですね。私も読んでみたいと思いました。
      体育会系…旧日本軍とすごく根っこが繋がってる気がします。
      ...
      面白いです!今までありそうでなかったテーマですね。私も読んでみたいと思いました。
      体育会系…旧日本軍とすごく根っこが繋がってる気がします。
      学校の「組」「班」は軍隊の編成だし、学ランやセーラー服もスーツももとをただせば軍服。運動会も海軍が始まり。いまだ深く根づいている気がします。

      2022/09/04
    • ahddamsさん
      ちゃたさん
      有難うございます(^^)‼︎
      著者の方は来日前には22年間ドイツに住まわれており、今回も客観的な意見を沢山聞けて良い刺激になりま...
      ちゃたさん
      有難うございます(^^)‼︎
      著者の方は来日前には22年間ドイツに住まわれており、今回も客観的な意見を沢山聞けて良い刺激になりました。
      元を正せば旧日本軍ですよね…!せめて中身くらいは今の時代に合わせて欲しいと切に願います泣
      会社の同僚が「前にいた部署は軍隊みたいだった」とサラリと話していたのをふと思い出し、やはり幅を利かせているんだと再認識しました。。
      2022/09/04
  • 「体育会系 日本を蝕む病」サンドラ・ヘフェリン著 光文社新書/900円+税 |日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/269466

    体育会系 サンドラ・ヘフェリン | 光文社新書 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334044589

  • 大事なのは当たり前を疑うこと。

    なにか新しいことを生み出すために必要なのは多様性の中に身を置くことだと、とあるグローバル企業の日本人CEOがいってました。

    どういうことかというと、当たり前を疑うことこそイノベーションにつながるのに、当たり前を疑うことはとても難しい。でも、外国人の日本についての質問疑問にはヒントがたくさん転がっているとのこと。

    この本はまさに、そういう当たり前に疑問を持つきっかけを沢山与えてくれます、嫌というほど(笑)


    純日本人な私にとって、外国人から見た日本の不思議な点というのは、新しい発見だらけで沢山の学びがありました。

    この本の優れた点は単なる日本批判本ではないところです。そういう下らない本は数あれど、これはグローバル視点での日本評論としては良作だと思います。


    個人的に、子供はインターに入れるという選択肢もありだなと思えました。私自身も日本の学校教育には全く適応できなかったから。それはそうだよね、だって。。という理由がここにはたくさん書かれていて、日本の学校教育だけが全てではないのだなぁと。

  • ホモソーシャルに関連するかな、と思い手に取った本だったけれど、アカデミックなものではなく、かなり偏った思想から綴られているな、と思った。

    そのなかで語られているものもほとんどが既に明らかにされているものばかり。ただ、全くこういった現状を知らないまま、あるいは見てみぬふりをしたまま過ごしている人も多くいるんだろうな、と思った。

    いわゆる”体育会系”の日本文化は、滅びてほしいです。
    そうじゃないと、どんどん生きづらい世の中を生み出す悪循環にしかならないと思う。

    P.59-
    千葉県柏市立柏高校に通っていた高校二年生の男子生徒が部活での過労が原因で自殺した可能性があるとして、医師や弁護士らの第三者委員会が設置されたことが19年12月に報じられました。男子生徒は吹奏楽部に所属していましたが、父親によると部活で平日は7時間、土日祝日は12時間練習しており、高校2年生になってから休みが2日間しかなかったとのことです。
    先日、ある人と話していたら「この吹奏楽部には200人いて死んだのは1人だから、彼がただ弱かっただけじゃないか」と言われましたが、これではまるで死んだ人に非があるかのようです。
    部活は「思い詰める大人」を作り出す土台になっています。部活は「根性がつく」のは当たっているようで当たっていないのです。「何か物事を始めたときに、それを途中で投げ出さずに最後までやり遂げる」とか、「先輩にしごかれても頑張る」というような意味では忍耐力が身につくかもしれませんが、結局それが人生に不可欠化というと疑わしいです。
    (私自身、中学のブラック部活を毎日やめたいと思いながら引退まで耐え、しばらくは”やり遂げた”と思っていたけれど、大人になって振り返ると、心を歪められたというマイナスの経験でしかないことに気付いた)

    P.71-
    近年の日本社会では、収入が低いのは自己責任、生活保護の人は自己責任、子どもを産んでノイローゼになるのも自己責任、離婚後に子どもの養育費を払わないような人と結婚した女性も自己責任…といった具合に、個人が何か問題に直面すると、即「本人が悪い」と考える人が後を絶ちません。そういう人がいわゆる世論をつくり「生きづらい世の中」にしているのだと思います。そうすると、国や政府にとっては非常に都合が良いのです。
    多くの国民が「それは個人の自己責任!」と思ってくれれば、育児をするにあたって家族のワークライフバランスを国が考える必要はありません。たとえば子育てを母親の責任にしてしまえば、本来は政府が担うべき適切なワークライフバランスに基づく子育てしやすい環境づくりという役目からこっそりフェードアウトできそうです。

    P.78-
    「生活保護者叩き」がたびたび起こるニッポン。
    発展途上国で見られるような食べ物にも困る「絶対的貧困」とは違い、先進国で問題になっているのは「相対的貧困」です。しかし相対的貧困について「食べ物は十分あるので、大した問題ではない」と考えるのは間違いです。その国のスタンダードである生活ができないのであれば、貧困としてしっかり認識されるべきです。

    P.99-
    果たして外資系の会社が「ブラック」と無縁かというと、そうとも言い切れません。確かにニッポン特有の「みんなで団結して会社のために減私奉公!」といった分かりやすい根性論は外資系企業ではあまり見られません。ただ、「操りやすい人材を好む」という傾向に関しては、一部の外国の会社もホメられたものではありません。ある外国の航空会社は世界中から客室乗務員を雇っていますが、クルーをよく見てみると発展途上国出身の人が多いです。規則や価値観の面でブラックな要素が見られるため、発展途上国の人でないと長時間我慢して働くことができません。
    先進国出身の人は仕送りすることはありませんし、ブラックな労働条件には不満を持つことも多いのです。会社からしてみれば「面倒くさい人たち」です。
    たとえばある社長が「発展途上国の人を優先的に雇う」と発言すれば、日本人はよく「なんて素敵な社長さんなんだろう」という感想を持ちます。でも実際は、「会社に文句を言えない人を雇いたい」が本音である可能性も高いのですから、そこに入社した発展途上国の人が本当に人道的に問題なく働けているのか冷静に観察した方がいいでしょう。

    P.118-
    私自身も副業は賛成です。たとえば一つの仕事でストレスを抱えていても、他の仕事に向かい、そこでまた違うストレスに見舞われると、以外にも他の仕事のストレスが吹き飛んでしまう、ということは副業をしている当事者からよく聞くのです。
    パラレルキャリアとは、あることをするためにある仕事を諦めるという考え方の全く逆をいくもので、可能な範囲で二つの異なるキャリアを同時に進めることです。

    P.136-
    ニッポンではどうしたことか、「痛いから無痛分娩にして」と言えないような雰囲気があるのです。
    医療において「自然であること」がそんなに素晴らしいことであるならば、「虫歯の治療は麻酔なしで行われるべき」という声ももっと聞こえてきてもおかしくなさそうです。
    「お腹を痛めて産んだ我が子だからこそかわいがることができる」という発言も、残念ながらまだよく聞かれます。しかしこの主張は矛盾しているのです。この論理でいくと、自分で出産も痛みも経験しない男性は、子どもを「ちゃんとかわいがることができない」ことになってしまいます。

    P.170-
    18年2月、毎日新聞に掲載された名古屋市在住のある男性の投書が物議を醸しました。保育士の妻が勤務する保育園についての文章です。そこでは、結婚の時期と妊娠の順番を園長が決めていて、その「掟」を破って予定外の妊娠をしたため、男性は妻と園長に「妊娠してすみません」と謝罪したとのことでした。
    体育会系の国・ニッポンでは「なんでもかんでも仕事が優先」なので、部下の夫婦生活に口を出すことを「へんてこりん」だと思わない感覚の人も多く、本当に世も末だと思います。
    周囲との仕事の兼ね合いの問題はもちろんありますが、人間は機械ではないので、「いつ妊娠するか」についてはコントロールできないことのほうが多いです。妊娠はどんなタイミングでも「おめでとう」と自然に祝福できる社会でないと、少子化は進む一方でしょう。
    (新井恵理那アナの妊娠・結婚に対してバッシングの嵐があり、SNSのコメント欄が閉じられたことが記憶に新しいけれど、そのコメント欄は本当に吐き気がするほど陰湿だった。可愛らしいアナウンサーだな、とたまたまインスタをみたら、セクハラの嵐で世も末だと思った。笑って祝福できないなら、せめて何も言うな、というのができない人間が多すぎてしんど…)

    P.198-
    「出勤ぶりっ子」とは、「こんな悪い条件の中でも仕事のことを考えて会社に来ている私・僕って偉いでしょ?」というアピールをする人のことです。そんな意図はない場合も多いですが、無意識のうちについ「会社に良かれと思って」という判断をしてしまうのがニッポンのぶりっ子社員の性です。
    令和元年10月13日に日本列島を襲った台風の日、ツイッターには「#台風だけど出社させられた企業」というハッシュタグがあふれていました。
    「台風なのに出社を命ずる会社がある」こと自体、日本の闇を物語っているようです。大規模な台風が来ると会社も予め分かっているにもかかわらず、社員に出勤させることで命の危機が及ぶかもしれないことには知らん顔。このことだけでも相当闇が深いのですが、さらに闇が深いのは、上記のように「#台風だけど出社させた企業」というハッシュタグのもと、社員だと思われる人が出社させられた自分の体験を書きつつも、企業名も伏せているツイートも目立ったことです。企業名を明かしてしまうと、会社側に誰がツイートしたのかバレてしまう可能性があり、そうすると解雇される可能性があるからだと思われます。

    P.290-
    19年9月1日の時点の公立小中学校のエアコンの設置状況を見てみると、補助金が出ている公立の小学校、中学校、高校、特別支援学級のうち、普通教室(全42万7187室)で33万4936室にエアコンが設置され、パーセンテージにすると設置率78.4%です。
    (ここでの、”補助金が出ている公立の小学校~”というのはなんだろう。北海道でも夏は30度越えは当たり前、35度近くになる日もたびたびあるというのに、私はすくなくとも1校もエアコンのついた公立学校を道内で見たことがない。東京に次いで2番目に学校数が多いにもかかわらずだ。情報に踊らされていないか?温暖化の影響で、本州よりも暑い日を観測する日もたびたびある中で、大至急環境を改善すべきだと思う、切実に…)

  • タイトルだけで企画勝ちと思わせてくれる一冊。
    著者は日独ハーフのサンドラさん。
    所謂“体育会系”という理不尽な風習を取り上げていて、内容は頷くことばかり。
    個人的には特に第5章の“「世代論」から抜け出せない人々”の内容が普段から感じていることを代弁してくれているようで嬉しかった。

  • 時代はどんどん変わっていってるのに、
    日本人の意識は未だに悪しき昭和、平成のまま。
    空気、同調圧力に支配されて、がんじがらめ。
    同調圧力はもっといい方向に使うべし。
    会社や組織、国の理不尽な要求に対して、
    皆で一致団結して、権利を守るために戦う、
    そのための同調であるべし。
    なのに、会社のいいなりになって、
    全員が会社に忠実な犬になるように、
    社畜になるように、弱者同士で
    同調圧力を掛け合う世の中。

    時代は令和。
    体育会系の時代はとうの昔に終わっている。
    今こそ覚醒の時。

  • 読後に世の中を見渡せば、あれもこれも体育会系なんだなと思えるようになった。行き過ぎた体育会系にはノーと言える自分でありたいと思った。

  • 日独ハーフの女性から見た日本社会の根底にあるという体育会系の発想。目からウロコ間違いなしの貴重な視点を与えてくれます。

    日本人なら当たり前と思っていた物事についてツッコミを入れる作品。組体操、皆勤賞、夏休みの宿題など。

    ブラック企業について、また女性に冷たいとの指摘など、本書で指摘されて初めて気づいた内容が実に多い。

    とはいえ、必ずしも全ての日本の慣習を否定するのではなく良いところはしっかり評価しているところが良い。

    西欧一辺倒にはなりたくないが、時に外からの視点で日本文化を見つめ直すことは大切だとあらためて痛感。

  •  私は自分では体育会系だと思っています。若い頃は集団体育会系で、今は一人体育会系を楽しんでいますw。日独ハーフの著者は、欧米の「やればできる」はポジティブシンキングの一環だけど、日本に蔓延してる体育系思考の根性論「やればできる」は上が下に強制しているものだと。パワハラ、体罰、過労自殺、サービス残業・・・。サンドラ・ヘフェリン「体育会系 日本を蝕む病」、2020.2発行。さっと一読しました。私は一生懸命頑張る気持ち・姿勢は大切なことだと思っています。人に無理を強制したり暴力をふるったりはいけませんが。

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著者プロフィール

ドイツ・ミュンヘン出身。日本人の母とドイツ人の父を持ち、日本在住は20年以上。日本人でありドイツ人でもあるという立場から、ハーフ、多文化共生などをテーマに発言や執筆をおこなっている。『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『体会系 日本を蝕む病』(光文社新書) 『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)ほか著書多数。

「2022年 『ほんとうの多様性についての話をしよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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