Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか? (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.33
  • (10)
  • (53)
  • (70)
  • (8)
  • (8)
本棚登録 : 701
感想 : 73
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334045074

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マーケティングする人が、若い人を理解するために読む本なんかな。
    2020年の本なので、2023年末現在に買う本じゃなかった。タイトル買いすると、こういう失敗もあるね。
    チル&ミーがキーワード。
    チルってなんか、意識高い系の反対な気がした。出来るだけ労力をかけずに、少しでも成果を得る的な。Z世代のポッドキャスト聴いてるけど、まさにそういう感じなんだよな。
    自分は昭和の価値観で生きてるから、彼らの行動は良く分からないこともあるけど、興味をもって見ていこうかなと思いました。

  • 2021年の新語流行語大賞にノミネートされたZ世代。日本の人口比的にみると、決して多い比率を示しているわけでもないですが、そのZ世代がなぜ今注目を集めているのか。
    その理由を社会背景や経済状況を示しながら、解説していく新書です。

    少子高齢化が進み、シニア層が経済の中心として見られていた少し前の時代から、シニア層の消費の落ち込み、そして次世代に渡って消費を続けていくであろうZ世代への注目度の高まり。

    バラエティ番組でもここ数年、お笑い第7世代というワードが出てきていたけど、それもZ世代への訴求力を高めるため。Z世代にはSNSによって世代をまたぎ『鬼滅の刃』やネットフリックスの韓国ドラマなど社会現象を巻き起こせる地力があります。そこに視聴率の計測方法の変化も相まって、若い世代、とりわけZ世代が再発見されたという経緯があるそうで、内容としては全体的に説得力のあるものだったと思います。

    ややZ世代をディスった内容になっているところもありそこは気になりましたが、SNSが発達し、スマホなどのデジタルデバイスに慣れ親しんだ世代だからこその価値観の変化や、承認欲求、自己表現欲求の話も説得力があって、内容はスッと入ってきました。

    コロナ禍によって学生生活が大きく狂ったZ世代のニュースはよく耳にします。自分はZ世代より数年年上のいわゆるゆとり世代にあたるのですが、それでも同情を禁じ得ない。
    本の中でも触れられていたけど、若い世代への投資こそが、日本を盛り上げる一つの手段だと思います。政治にはいろいろ言いたいことはあるけど、現役世代、そして時代を担うZ世代も報われる社会になってほしいと、読み終えて思いました。

  • 流し読みをしましまたが、若い世代がこれからの社会を作るというのは間違いない。 彼らの言葉をきちんと聞いて学び、社会人として育って行けるように見守り、アドバイスをしてゆこう

  • 私はZ世代の人間だけど、そもそもZ世代とはなんぞやと思ってたのでそこから説明があったのもなるほどと思ったし、著者のZ世代に対する分析がめちゃめちゃ刺さって面白かった。
    Z世代よりZ世代を分かっている1冊!

  • Z世代の特徴をまとめた一冊。
    ジジババコロナ社会のせいで体温低めな感じ。気の毒にも思えてくるなあ。
    ・金が無いので消費離れ
    ・チル(まったり)がいい。藤井風みたいな感じか?
    ・SNSのせいで同調圧力。ヤラセいいね
    ・隠れた自己承認欲求。間接自慢と匂わせ
    ・twitter強し
    ・インフルエンサー未満が信頼できる

  • いまどきの若い子は、売り込みや押し付けを嫌がりますよね。。。

    本書第4章
    Z世代の「メディア生活」
    より抜粋:
    「主張したいことがあふれまくっている投稿頻度の高いおじ様は、実は Z 世代に相当煙たがられている可能性があるのでご注意ください」

  • 職場の若手がどんな世代なのか分からなすぎて手に取った本。なるほど、自分(30代半ば)とは生態がずいぶん違うようだと分かった。
    親との距離がとても近い。友達みたい。チルの感覚、出る杭にはなりたくないけど認めてもらいたい。

    なるほどなるほど、私の近くにいる子たちもそんな感じだなぁと共感しながら読みました。

    Z世代の全ては理解できないけど、価値観や生まれてきた環境が自分と違うのだと分かっただけで、明日からもう少し上手く接していけるかもと思えた一冊でした!

  • Z世代に対しての統計データ、特徴、時代背景が書かれている。
    Z世代に明確な区切りはないが、現在25歳以下が該当し、ゆとり世代とも違った目線を持つ。そんな彼らを理解し、マネジメントやマーケティングに活かすための1冊。別書「スマホ脳」と合わせて読むことで、理解を深めることができます。
    ○チル&ミー意識
    ○自己承認おばけ、発信おばけ

  • Z世代について、定量データを用いた特徴の解説やゆとり世代の特徴と比較しながら、なぜ今Z世代に世の中が注目しているのかを原田さんの視点から書かれた本。
    ご自身が日々若者と一緒に活動されているので、その経験や感じた事などもリアルに書かれておりました。
    自身はぎりゆとり世代であるが、Z世代の特徴にもあてはまる事もあり、共感できる部分もありました。
    ゆとり世代がひろいので、Z世代とのハザマ世代かなと感じた。

    • Shohei Kawaseさん
      Z世代について、ゆとり世代とも比較的しながら定量データ等を含めて色々な観点から原田さんなりの解説された本。
      SNS全盛のこの時代にはZ世代の...
      Z世代について、ゆとり世代とも比較的しながら定量データ等を含めて色々な観点から原田さんなりの解説された本。
      SNS全盛のこの時代にはZ世代の影響が大きい分企業等が注目するなど分かった。
      自身はぎり、ゆとり世代であるがZ世代ともあてはまる観点もありハザマ世代かと感じた。
      2021/01/16
  • 1012

    原田曜平 (はらだようへい)
    1977年東京都まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー等を経て、現在はマーケティングアナリスト。2003年度JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。02年から現在にいたるまで1万人を超える若者(大学生・社会人)と活動を共にしている。若者研究の第一人者であり、「マイルドヤンキー」「さとり世代」「伊達マスク」「女子力男子」「ママっ子男子」など、若者消費を象徴するキーワードを世に広めた。著書に『近頃の若者はなぜダメなのか』(光文社新書)、『さとり世代』(角川oneテーマ21)、『ヤンキー経済』(幻冬舎新書)、『平成トレンド史』(角川新書)などがある。テレビ出演多数。

    もちろん、 12 年の第二次安倍政権発足以降、アベノミクス景気もあり(アベノミクスには賛否両論あるが、若者目線で見ると、有効求人倍率が大幅に改善した点は大きなプラスとして捉えられる。ただ、この点も、長く続いた少子化により人手不足が生まれたからとの見方もある)、経済状況は好転しましたが、それはあくまでここ数年の話であり、基本的に「ゆとり世代」の生きた時代のほとんどは、彼らより上の世代が若者だった頃と比べると、経済的に大変暗いムードの時代だったということができます。

    「ゆとり世代」の上の世代である団塊ジュニア世代(1971~ 74 年生まれ)やポスト団塊ジュニア世代(1975~ 82 年生まれ)も、就職活動時期以降、暗い時代を過ごしてきましたが、それ以前の思春期の頃までは日本経済が強く、日本のプレゼンスも世界的に高かった時代であり、彼らの人生の前半戦は大変明るい時代だったと言え、「生まれながらの不況」下を生きてきた「ゆとり世代」とは大きく異なります。

    しかし、私の世代でインスタグラムを熱心にやっている人は多くなく、私のフォロワーには友人があまりいません。私のフォロワーのほとんどは、たぶん私のことをテレビや本で知った人です。つまり、私が自分の投稿で「いいね」をもらうということは、道端で大道芸をやって、知らない人に拍手をもらうのと同じくらいハードルが高いことなのです。  一方、彼らのインスタのフォロワーの多くはリアルな友達で、かつ、彼らの間では友達の投稿に対して「いいね」を押すことが、半ばマナーのようになっています。いわば、サクラを集めて道端で大道芸をやり、拍手をもらっているのと同じような状況で、彼らに下に見られるのは到底納得がいきません。加えて、「ヤラセのいいね」をもらって自己承認欲求を満たせるものなのか……? とも疑問に思いますが、それでも投稿し続けるということは、半ばヤラセと分かっていても気持ち良くはあるのでしょう。

    今や「れいわ新選組」の代表を務める政治家であり団塊ジュニア世代の山本太郎さん(1974年生まれ)が、高校時代に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の人気企画だった「ダンス甲子園」で、水着に水泳帽、素肌にローションを塗って胸に「メロリンキュー」の文字を書き、「メロリンキュー!」と叫んでいたことを考えると、上の世代が若者だった頃の方が「自己承認欲求」や「発信欲求」が強かったと感じる人もいるでしょう。

    何より、大学生の成人男子が母親に自分の行動を制限されることを素直に受け入れる、ということは、かつての日本男児の間では少なかったと思います。 「母がコロナで外に出るなと言っているので、原田さんと行くことになっていた宮崎出張に行けなくなりました」と数名の男子に出張の同行をドタキャンされたこともありました。  もちろん、未曽有のコロナ禍ですから、親御さんが心配する気持ちも分かりますし、コロナにかからないように行動に気をつけるべきだとも思います。しかし、長幼の序が厳しかったかつての時代であれば、みんなでドタキャンして上の世代に迷惑をかける選択はしにくかったと思いますし、多少のリスクを冒してでも、自分のやりたいことを貫いた若者が多かったのではないでしょうか。

    また、仲が良い異性を母親に会わせ、ゴーサインが出たら付き合う、という話もZ世代からたくさん聞くようになりました。子供の結婚相手に親があれこれ口を出すのは昔のお見合い全盛時代のようですが、ポイントは、子供がそれを嫌だと思っていない点にあります。

     思春期の男子も、母の日に花束やプレゼントを贈るようになってきたので、この数年、「母の日市場」が拡大しています。母親と2人で海外旅行に行く大学生男子や、家族との写真をSNSに載せる子も増えています。親と共同で洋服や靴を使う子も増えていますし、これも極端な例だとは思いますが、お父さんと靴下を共有している女子高生もいました。

     ある恋愛リアリティー番組に出演したことがある高校生男子は、恋愛リアリティー番組がZ世代に人気ということもあり、インスタグラムにたくさんのフォロワーがいます。いわゆる「インフルエンサー」として、様々な企業から、その企業の商品をSNSで宣伝するとお金がもらえる、いわゆる「案件」と呼ばれる仕事をしており(これは「仕事」と言ってもよい)、月に 20 万円くらい稼いでいるそうです。  これ自体はすごいことだと思いますが、高校生なのに常にタクシーで移動し、おじさんの私が羨ましくなるくらい豪快なお金遣いをしていました。完全に図に乗っており(本人にその自覚はないだろうが)、大学にも行かず、これで稼ぐと言っていましたが、今はもう恋愛リアリティー番組に出ていない彼の人気や注目度は今後下がっていく一方で、きっと案件も減っていくことでしょう。そもそも月に 20 万円では、大人になってから豊かな生活を送ることはできないのですが、あまりそのことは分かっていないようでした。

    また、フリマアプリのメルカリの普及などの影響もあります。メルカリでは希少価値の高いものであれば買った時の値段以上で売れたり、普通のものでも買った値段の7割くらいで売れたりする――つまり、そもそも売り値の3割の値段で買うことと同じなので、「消費離れ」を起こした「ゆとり世代」と比べて、Z世代は消費を少し 躊躇 しなくなっているように感じます。

     この「間接自慢」という手法は、最近では「匂わせ」と表現されます。  例えば、一般人の女性がある男性アイドルと付き合っているとします。男性アイドルは職業上、彼女がいることを絶対に公表できません。でも、一般人である彼女はどうしてもそれを周りに言いたい。言ってはいけないルールだということは分かっているけれど……。だから、その男性アイドルのSNSに投稿されたのと同じ部屋で撮った写真を投稿し、その男性アイドルの熱烈なファンにそれを気づかせ、ひょっとしたらこの2人は付き合っているのではないか……と想像させるように仕向けるのです。  ちなみに、この女性がこうした匂わせ行為をするのは、人気男性アイドルと付き合っていることを周りに自慢したいのと、犬が自分のテリトリーを他の犬に示すために電柱におしっこをするのと同様、マーキングのためでもあります。

    LINEについては言わずもがな、ほとんどの若年層が利用しています(図4‐29)。しかし、どのクラスタでも1割くらいの若年層はLINEを利用していません。

    もちろん、彼らは上の世代に比べて人口が少ないし、所得も低いですが、前述したように「8ポケッツ」とも言われ、身の丈以上の消費行動を行うことができます。  人口の少ないZ世代を単独で狙っても、市場ボリュームとして小さ過ぎると考えるのであれば、未曽有の大ヒット映画『鬼滅の刃』を参考にするとよいかもしれません。

    前述したように、Z世代の価値観の最大の特徴は、まったりすることを意味する「チル」と過剰な自意識を表す「ミー」の二つです。ですので、これから挙げる全てのツボには、前提としてこの二つの特徴が横たわっている、ということをご理解下さい。

     日本における同性愛の記録は、古くは日本書紀の時代(720年~)からあります。そこから一気に飛びますが、1800年代後半から同性愛が社会で問題視されるようになり、それが1990年くらいまで続きました。   90 年代になると、WHOが同性愛は異常なことではないと発表。 94 年には日本の文部省(当時)が同様の見解を示します。そして、有名人が少しずつ同性愛を公表するようになっていきます。テレビでも古くはおすぎさんとピーコさん、近年はマツコ・デラックスさんを始め多くのLGBTQの方たちが人気者になっています。  そして今、さらに進展し、LGBTQは問題ではない、という「否定の否定」の段階から、Z世代の間では、公表する姿勢がむしろ「かっこいい」という完全肯定に変わりました。

    さて今、この韓流ブームに異変が起こり始めています。正確に言うと、韓国ブームにとって代わるブームとなるのか、あるいは韓国ブームに加わる形になるのかは分かりませんが、実は、中国ブーム(華流ブーム)が起こり始めています。  例えば、ティーンが選ぶ「2018年流行ったものランキング」の第1位は動画アプリの「TikTok」、第2位はタピオカ店の「Gong cha」、第3位はゲームアプリの「荒野行動」でしたが、これら全てが中華圏発、いわば韓流ではなく華流商品・サービスなのです(正確に言うと「Gong cha」は台湾発)。

    「中国の製品は品質が悪そうだ」「中国という国自体が信用できない」といった、これまで日本人が多かれ少なかれ抱いていたイメージは、Z世代の女性の間で完全になくなってはいませんが、少なくなってきています。  韓国と違い、「中国を旅行したい」というZ世代の女子はまだ少数派だとは思いますが、「嫌韓・嫌中」のおじさまたちも、「日本のZ世代女子研究」という目的で、韓国や中国の市場を研究しなくてはいけない時代になりつつあります。  現在、日中、日韓の間では、決して良好とは言えない政治的緊張関係が続いていますが、もともとどの国の市場でも、女性の方が政治と消費を切り離す傾向が強い、と言われています。また、物心ついた時には中国が経済大国としてすでに存在していたZ世代にとって、中国はすごい国というイメージがあり、この点も上の世代とは感覚が異なっていそうです。

全73件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

マーケティングアナリスト

「2022年 『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原田曜平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×