- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334076023
感想・レビュー・書評
-
大正デカダンの薫り高い雰囲気と、冒頭の不思議な怪異譚にはじまり、次々と男爵邸で起こる連続殺人事件。それぞれがただの殺人ではなく、死体消失したり、首切りされていたり、体を異様なまでにのけぞらせて死んでいたりと、バラエティー満点。
そして終焉にむけて、大量にばらまいた蘊蓄と怪異譚が収束していき、余韻を残すラストが美しい。
前作の『首切り坂』もそうですが、この作家さんは、ラストで残す、何とも言えない残り香のような雰囲気が上手です。
大正浪漫の世界観が大好きなので、すっごく楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時代は大正。行方不明の友人を探すため男爵邸へ。そこでは晩餐会が行われており、旧友や僧侶、画家がいた。そんな中で起こる殺人事件、死体喪失。
非常に雰囲気がミステリーっぽくて良い。怪しげな人物だらけで容疑者には事欠かない。
オチも良く出来ていた。仕掛けもあり、面白く読むことができた。 -
現代作家が大正時代を舞台にしているので読みやすい。推理小説はある程度不便な時代の方が面白い(携帯や移動などの便利手段がないから)と思う。
-
大正時代を舞台とした伝奇色の強いミステリ。
時代感があり、浪漫的な文体と話が絡み合い、幻想的な雰囲気を出し、そして最後に「そうくるか!」な驚きも。
とても楽しめた一冊。 -
すべて真実です。
大正毒物ミステリ。
一人の青年の失踪から始まった伝言ゲーム的に増加する関係者はある貴族の屋敷に集結する。
蘊蓄系ミステリですね。
時代は大正ということで、話に出て来る毒については、作中の解説者よりも読者のがよく知ってるかもしれません。
とりあえず読み終わったときに姑獲鳥の夏を思い出しましたが、このイメージは間違ってないと思う。 -
大正時代を舞台とした、怪奇的ムードのあるミステリ。この雰囲気は好きだな~。「狂気」てのもかなりのポイント。しかもラストに行けば行くほど怪奇度上昇。そのかわりミステリとしての整合性は薄くなるけれど、こういう雰囲気が好きな人には良いかなあ。
個人的には作中に登場する現実の毒殺ネタがツボ。いや、このあたり異様に詳しいし私(笑)。なので見立て部分からするトリック部分はわかって嬉しかったかも。 -
子供は子供でも女はやっぱり女でした。
幻想と現実がわからないというよりは、現実に幻想がいりまじっているような色気のある文体にうっとりなのでした。
湿った森の中のにおいだ!そんな雰囲気の本です。
二段打ちで結構に長いのですが乗るとだーっと最後まで読んじゃいます。すきだー -
怪談とミステリが融合した、時代ゆえの怪しい雰囲気が大変魅力です。
-
Σいつの間にか新刊出てた・・・(゜□゜)
・・・・・・・・・・・・・・・もう新刊じゃなぃ;; -
『首切り坂』を読んでおいたほうがいい、と思います。