- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334100148
感想・レビュー・書評
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性差別問題については、個人的に関心を持って目にした記事や書籍を読んで理解をし、日々の生活の中での言動を気にする様にしているが、それでも無意識のうちにそのつもりは無くても、差別的な言動をしてしまったと後から思う事は多々ある。
自分の育った環境や教育の影響だと思うので、これが解消されるのは、何世代もかけて差別意識を薄めていくしか無いのではないかと感じてしまう。 -
アート分からないと思っている人におすすめの本
フェミニズムの印象もこの本でガラッと変わるはず
著者が写真美学専門なので写真作品多めだけど面白く読めた -
Twitterで過度に行われるフェミニズム批判、変だと思ってた。何故そこまでしてフェミニズムを嫌悪するのか。
フェミニズムを知ることで、自分が女として過去に受けてきた性的な眼差しや消費、評価、態度、言葉が蒸し返されて辛くなった。
でも、この辛さに蓋をしてはいけない。蓋をして黙っていることは今の権威主義を維持する方についてしまうから。
辛くても、気持ち悪くても、四章のアーティスト達みたいに、社会へ伝えなきゃ変わらない。
女性達の権利だけではなく、同時に男性も障害者も子どもなど、多様な在り方をする人間たちの虐げられてきた過去を考え直して、それぞれが生き生きと過ごせる社会になればいいと思う。 -
クリストを初めて知ったのはマイアミの島をピンクの布で包むプロジェクトからだったかな…その時の作品クレジットは確実にクリスト単独でした。しかし、いつだったか忘れちゃったけど、過去の作品を含めすべてを彼のパートナーであるジャンヌ=クロードと連名にすると宣言したのに驚いたことを思い出しました。本書で紹介されるジャクソン・ポロックとリー・クラズナー(この本で初めて知りました…)の夫婦のエピソードに触れた時でした。ポロック1912年生まれ、クリスト1935生まれ…世代の違いなのか、教育の違いなのか、持っている資質の違いなのか、確実に女性に対する向き合い方が違っています。映画の世界では#metooに始まるキャンセルカルチャーが吹き荒れていますが、アートの世界も同じことはあるのは、そりゃそうだよね、です。なにしろ女性の裸を嬉々として描き続けた歴史ですから…。だからアートとフェミニズムの掛け合わせって最初は???でしたが読んでいるうちに!!!な気分になりました。ゲルニカやバンクシーを持ち出すまでもなく、現代アートが現代社会の合わせ鏡だとしたらジェンダーというテーマは避けて通れないものだと確信しました。作者のいう「内なる敵」、つまり自分の中にあるポロック的なる要素をクリスト的なるものに変えていけるか?を問題意識として持ちました。アートへの向き合いについて「無知の知」ならぬ「鈍感の感」を教えてくれた新書でした。最初はずいぶんマニアックなテーマだと思いましたが最後はかなり普遍的なテーマであることを知りました。
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付箋だらけ。
フェミニズム目当てで読んだけど、現代アートの解説がわかりやすくて、目から鱗ポロポロ。
本屋B&Bでのイベントが楽しみ。
今年一番読んで良かった本かも。 -
思いがけず良かった。
何が良かったのか?
下手なことを書くとフェミからもアンチフェミから集中砲火を浴びせられるかもしれないのでここでは書くのをひかえておく。というのが問題なんだろう? -
フェミニズム批評、フェミニズムアートについて、一般人にわかりやすく紹介した入門書。非常に平易な言葉で書かれており、大変わかりやすかった。
アートの世界の敷居の高さ、高慢で排他的なありようを批判している。差別を上位/下位、中心/周縁の構造で捉え、声をあげ始めた下位/周縁の人々の中で、さらに下位/周縁に押し込められる人々が出てくる(白人女性フェミニストによる黒人差別など)という指摘は大変頷けるものだった。
一方で疑問に思ったことがある。フェミニズムアートは、見ていて不快になるようなものが多く、それは世の中を批判するためにあえてそうしているのだということはわかったが、普通に美しいものや見ていてうっとりするようなものは、現代においてはもはやアートにならないのだろうか?中世や近世のアートの中に差別構造が内包されていることはよくわかったが、そういったアートを愛好することは現代において差別に加担していることとは別ではないのだろうか?
「#美術館女子」には私もイラッとしたが、特権化されたリテラシーを用いてアートを読み解くことを上位に置き、アートを感性で味わうことを下位に置いているようでは、アートもフェミニズムもみんなのものになるには程遠いのだろうと思う。 -
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