春のたましい 神祓いの記

  • 光文社 (2024年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784334102586

作品紹介・あらすじ

大流行した感染症や地方の過疎化が進んだせいで、「祭り」が行われなくなった地域が増えてきた。これまでは、祭りによって鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだす。この事態に対処するために組織された「祭祀保安協会」の、九重十一とアシスタントの八多岬、怪しさ満点のこの二人組が不思議な出来事を鎮め、荒ぶる神々を処分していく。東北を舞台に描き出す、連作ファンタジック・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 荒ぶる神様をたしなめる祭祀保安協会の奇妙な面々、人間の弱さを描いた幻想ホラー小説 #春のたましい

    ■あらすじ
    感染症の流行により全国の神事が行われなくってきた。祭祀保安協会に所属する九重十一と八多岬は、各地に住む人々と交流を深めながら荒ぶる神々を処分していく。超自然的で幻想的な世界に包まれるホラー連作短編集。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    興味深い作品ですね~、おもしろかったです。

    ホラーではあるんですけど、怖いというより神様ファンタジーですね。すごく幻想的。人間の都合で神事が行われなくなることで土着信仰のバランスが崩れた結果、地域の神様がお怒りになる。それを主人公九重十一たちが制御、処分していくという物語。

    本作の背景はコロナ禍の社会情勢が前提になっている。そうそう、確か2020年から数年って、イベントとか街を出歩くことが制限された窮屈な社会でしたよね。感染者差別やワクチンの同調圧力とか、当時の歪んだ世界をうまく作品に取り込んでると思いました。

    また本作は、短編ごとに色んなアプロ―チで読ませてくれるんすよね。単に主人公たちがあらぶった神様を退治しにいくというシンプルな筋立てだけじゃないんですよね。飽きさせない工夫がされていて感心しました。

    特に好きなのは以下の二編です。

    ●春と殺し屋と七不思議
    ケンジとヨッチンの物語、田舎の村の学校に九重十一が訪れてくる。

    軽妙なセリフまわしが面白い、七不思議にまつわるエピソードも勉強になります。本作はミステリー好きな私には特にヒットする作品ですね。こんなことをやってきますかー。子どもたちが可愛いし、大人たちの想いも胸にささる。小学校時代の日々を思い出してしまいました。

    ●あそべやあそべ、ゆきわらし
    ひとり残った村人の鉄吉、すでに年老いた彼は何かを隠しているようで。
    本書引用――誰かの不幸によって得たものを幸福なんて読んじゃいけない。
    全くだよね… 覚悟を決めた人ほどカッコイイです。優しさ溢れる物語でした。

    ■ぜっさん推しポイント
    困った時の神頼みと言います。人間ってのは弱い生き物で、都合の良いところしか見ないし信じない。

    他人のことは平気で中傷する癖に、自分がされるとすぐに傷つき、誰でも彼でも助けを求める。損することが大嫌いで、いつも小賢しさで満ち溢れている。人間が幸せになれば、きっと神様も幸せなって良いサイクルがまわると思うんだけど。

  • 「祭りをやらないと、この村はなくなりますよ!」――信じない人々をどう説得する!? 感染症の大流行や地方の過疎化が進んだせいで「祭り」が行われなくなった地域が増えた。これまで地域の祭りで鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだしたため異変が頻発する。このような事態に対処するために組織されていた祭祀保安協会の九重十一とアシスタントの八多岬――怪しさ満点の二人だが、異変を解決しようと神々を鎮め、処分していく。この二人、我が村を本当に救えるのか!? この村にも神がいた。今はもういない――過疎化の進む東北を舞台に「実話怪談の旗手」が描く、やがて消えゆく〝隣人〟の物語

  • コロナ禍がなければ生まれなかったであろう小説だと思った。『人が念(おも)うからこそ、慕うからこそ神は神でいられる。人が忘れてしまえば神は神でなくなる。』神様と人は表裏一体な存在なのだろうか。人々から徐々に忘れられ、狂っていく神が印象的。薄ら怖く、不思議な小説だった。祭祀保安協会の面々も面白みのある人たちばかり。続編出て欲しい。

  • 怪談系のミステリを期待して読んだのでちょっと違うかな。。と。怪談っぽい雰囲気で民俗学的な話だったりしんみりしたいい話だったりおまけに敵対組織とのオカルト対決とか。バラエティに富んでるというよりはまとまりがない感じが。
    そもそもホラーではなく怪談が主体だと、その雰囲気づくりが重要なんだな、と。なにかが起きそうで起きずに・・という独特の感じがして・・というドキドキが短編だと描写する暇もなく駆け足でストーリーが進んで終わっちゃう。

  • 疫病が蔓延し神事が中止になり、神が荒ぶるように。そこに祭保協の2人が神々を鎮めていく物語。
    フォークロア物で、最近読んだものでは「領海侵犯」に似てるかも。
    個人的には領海侵犯に軍配が上がるんですが、最終章の「春のたましい」が美しかったです。
    でも、伏線回収していなかったところもあるので、もしかしたら続きものかな?とも。
    対立する非公式な外郭団体というのはまだ何かありそうなので気になります。

  • 感染症の蔓延で各地の祭祀が中止となり、これまで祭りによって鎮められてきた神々が暴れ出すようになってきた。それに対処する「祭祀保安協会」の二人の活躍を描く短編集。
    怪異が登場するがそんなに怖さはなく、神と人の在り方について考えさせられた。対立する組織の存在が示唆されていたので、続編に期待。

  • コロナ禍で祭事が行われない状況に絡め、
    祭祀保安協会の九重と八多が活躍する怪異短編集。

  • 民俗学と神道をごっちゃにしたような話?
    呪術廻戦流行ったしなあ

  • 流行病のため、神事や祭事を行わないことにより神であること忘れてしまった神様たちをおさめる祭祀保安協会に勤める九重十一さんと八多岬くんの話

    私はつくづく怪異をおさめる仕事をしてる人たちの物語が好きだなぁと思った

    九重さんがただ強いだけではなく、自身がしたことへの後悔が心の底にあることがわかり、人間味を感じられてとても好きになった


    最後の章でクセが強そうな課長も出てきたし、
    八多くんの言霊に囚われている発言も、
    九重さんが去るときの鳥の描写も気になるので
    これからも続く物語だといいなぁ、と気長に続編を待ってようと思う

  • 「祭祀保安協会」略して祭保協 
    一般には公にされていない文化庁の外郭団体である
    全世界的に流行した疫病によってさまざまな祭りや神事が中止となり、祭られていた仏神が「暴走」しだした 
    祭祀を保安することを目的とした組織「祭保協」は荒ぶる神を「処分」する 
    「祭保協」の九重と八多 は様々な神々を鎮めていく 
    コロナ禍と祭事中止による神々の暴走をうまくからませたナイスアイデア 
    続編もできそうな話なので、続きを希望します 

  • 2025/11/11 読了。
    まだまだ語られてないことがあるので続編に期待して⭐️4

  • 装丁画の蛸井こた氏の絵が…こ、怖い……めちゃいい……。
    中身も田舎の因襲系ホラー?ですね。

  • もっとゾクッとする系かなと勝手に想像してたけど、どちらかと言うと物悲しさを感じた。

  • 幻想的。

    神を祀ることが起源の、地方の祭事
    それらがコロナ禍で失われる、途絶えてしまうことで神々が怒る…それを食い止めるのが使命の二人

    黒木あるじさん、怖イイ話でもいい味出されてる

  • 九重十一。神。忘れられた神。コロナ。

  • 色々な漫画の設定を集めたような感じがする。
    だからといってつまらない訳ではなくて、名前も残らないような神様への崇敬が感じられた。

  • この組織が好き

  • 思ったよりよかった。
    最初の二本の終わり方はややいらないけど。
    続きそうで楽しみ。

  • ホラーとフォークロアとミステリーの融合から、ハートウォーミングな物語ができていました。

  • 怪談朗読の136さんが読んでらして気になった一冊。短編なのでサラッと読了。シリーズ化するなら、もう少し長い話が読みたいな。

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著者プロフィール

黒木あるじ(くろき・あるじ)
怪談作家・小説家。二〇一〇年に『怪談実話 震』でデビュー。著書に『黒木魔奇録』(竹書房怪談文庫)、『全国怪談オトリヨセ』(KADOKAWA)、『掃除屋 プロレス始末伝』『小説 ノイズ』(集英社文庫)など。近著に『山形怪談』(竹書房怪談文庫)。

「2023年 『呪物怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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