自由論 (光文社古典新訳文庫 Bミ 1-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752507

作品紹介・あらすじ

個人の自由への干渉はどこまでゆるされるのか。反対意見はなぜ尊重されなければならないのか。なぜ「変わった人間」になるのが望ましいのか。市民社会における個人の自由について根源的に考察し、その重要さを説いたイギリス経験論の白眉。現代人必読の今もっともラディカルな書。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀イギリスを代表する哲学者・経済学者ミルの代表作。ミルといえば、功利主義の穏健派という印象。この『自由論』では、個人の才能を十分に発揮させるべく、言論や経済などの自由主義が主張されているが、功利主義については一切触れていない。とくに印象に残ったところが、「思想と言論の自由」の項目。世間で認められている意見こそが真理だと盲目的になった時点で、人は排他的になり、成長が止まり、その意見の意味自体にも無関心になる。だからこそ対立した意見との議論が必要だというところは、身につまされる思いであった。

  • kindle unlimitedでたしか光文社の中ではトップの人気だったため、読んでみました。
    ミルは個人的に岩波で読んでいて難しいといった印象でしたが、翻訳がほんとにわかりやすかった。
    「表現の自由」などで度々使われる「自由」とは一体なんなのか?読破してわかった気になっていますが、読み潰して「自由」について何度も考察し、どうしたら自由になれるか?を考察するキッカケの本になると思う。

  • アマプラで無料やったんで読んだ。

    社会はなぜ、人々に自由を与えた方が良いのか、について、色々場合分けしながら主張している。
    自分の主張に対して自分で反論し、その反論にさらに自分で反論することによって説得力を出していた。

    今では当たり前の自由主義だが、それもおそらくこの本が書かれる少し前ぐらいから、徐々に民衆に信じられてきた一つの宗教なんだなーと感じて面白かった。

  • 「正当な理由なしに他人に害を与える行為は、いかなる種類のものであろうとも、周囲の人々の不快感によって、さらには周囲の人々の積極的な干渉によって、抑制されることが許される。
    もっと重大な場合には、その抑制は絶対に必要である」(P137)

    現在、リアリティ番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんの死の原因がSNSによる誹謗中傷であるとして世間を騒がせている。
    自民党の三原じゅん子議員が座長として、自民党政務調査会にインターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策PTが立ち上がり、法整備が検討されているが、詳細は発表されておらず、三原議員がTwitterで明らかに偏向的な発言に賛同するような考えを示しており、早速先行きが懸念されている。

    他国の例では、イギリスでは日本と同じくリアリティ番組出演者の自殺が相次ぎ、法律制定についての署名活動が起こり、ドイツ、フランスではSNS事業者に対して脅迫や攻撃的な内容を含む投稿は24時間以内の削除を義務付ける法律が制定されている。
    削除の基準は民間の事業者にゆだねられており、今後議論の余地がある状況である。

    意見、批判、誹謗中傷の定義は難しい。
    個人的には、人格・容姿など生来持って生まれたもの、後天的に自分と切り離せないことを死や侮辱的な言葉を用いて過度に否定することは誹謗中傷といえると考える。
    意見・批判は、言葉や行動に対して事実や経緯とともに語られており、第3者がその意見、批判に対して、ある程度納得できるものである。
    どちらにも、感情は含まれると思うがあくまでも常識的な範囲で事実に基づいて発せられたものであるか、第3者がその意見、批判に至った経緯を把握した時に、納得できるものであるかそうでないかという違いが意見・批判と誹謗中傷にはあると思う。

    ミルは「議論における中傷」について、表現の自由の限界としてこう語っている。
    「真理と正義のためには、支配的な意見の側にこそ、相手を中傷非難する表現を控えさせることが重要なのである」(P133)
    先の自民党議員にはインターネットよりまず現実での国会ヤジをどうにかすることも考慮して頂きたいところである。

  • 表現の自由や思想の自由の本質を知ることができた。
    後半は理屈っぽくて少しだれた。

  • 3.2

  • 民主主義と権利とか、いろいろそれなって思うところはあった。

  • 学生の時、中央公論社の「世界の名著」シリーズで読んだのですが、こちらは少し入手しにくいようです。岩波文庫からも出ていますが、読みやすさの観点から、光文社古典新訳文庫版を推薦します。
    (選定年度:2022~)

  • 人間的に大きく成長したい人に
    何事においても、自分が選択するということ。自分の頭で理解できない他人の言葉を自分の意見にする、そんなことばかりしていれば使われない理性は減衰する。
    自分の人生設計を他人に預けない。そのために自分に備わる能力をすべて駆使しないといけない。自分なりに仮設を立てる、情報を集める行動力、実行する精神力。使われることではじめて鍛えられていく。

    質的功利主義∶最大多数の最大幸福という量的でない
    多数派の専制∶民主主義がなりたたなくなる→個性を大切にすることを優先したい
    社会的自由∶自由論。社会の中でどこまで自由なことができるのか

    哲学で言う意志の自由でなく社会的自由
    原理を明らかにする
    ・干渉が正当化されるのは、自衛の場合に限られるべき。他人に危害を加えないことを条件とした自由、本人のみに関わるなら本人の自主性が優先(大人が対象)

    意見と感想の自由∶間違っているとされても否定しない、自分が間違ったことを言わないというのか、一理あることがある。ぶつかることで変わる、議論なき意見は偏見だ→自分の人生を生きること
    最もやってはいけないのは、反対意見の人々を不道徳な悪者とすること
    目的追求の自由∶行動にうつせる自由
    団結する自由(少数派だといって批判しない)∶

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