怪を編む: ショートショート・アンソロジー (光文社文庫 あ 61-1)
- 光文社 (2018年4月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334776329
感想・レビュー・書評
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アミの会(仮)とは、各ジャンルで活躍する女性作家の集まり。網のように広がる交遊関係、フランス語で友だちという単語(amie)、全国各地のメンバーがインターネットで意見交換をしながら、一冊のアンソロジーを編むというところから名付けられた。アンソロジー企画第五弾は、十三人の豪華ゲストを迎え、二十五編の書下ろしショートショートをお届け!
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ほんの短い物語なのに、そのどれもに「怪」が濃密に詰まっていて読み応えがある。じわじわと、ひたひたと、怖さが足元から這い上ってくるものあり、一瞬にして恐怖に身体中の毛穴が開く感覚のものあり、実に厭な感じのものありと、テイストがさまざまで、次から次へと味わってみたくなる一冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
怪しいショートショート。そんなに怖くないけど魔は引き寄せそうな空気なので明るくて人が多い所で読みました。
「今朝早く、私の左目は旅立った」「甘えん坊の猫について」が面白かった。読んでいてワクワクしました。
「鴨」のへんてこりんなとこも、「母校」の気味悪さも印象的でした。
怪異もあるけど、ヒトコワ系と怨念も多いかも。 -
5つのエリアに分けられたショートショート
話そのものが怖いもの。読み終えてからゾッとするもの。
そういうことかぁ~という怖さに、既にそこにある怖さ。
恐ろしいという思いが凝り固まって引き起こす怖さ。
何かわからないモノの怖さに、知らぬ間に始まっていた怖さ。
まさに怪を編むですわぁ~
「イルカのシール」「霊怪」「デコイ」「つい」
「グリーフケア」「オルレアンの噂」が印象深かったです。 -
2024.03.17
短編はどこで終わるかが難しいと改めて思う。 -
アミの会(仮)が良く分かってないんだけど、アンソロジー企画第5 弾のテーマは『怪』
作家陣は私がちゃんと読んだことない人ばかり。
25編あるので、『怪』の種類も様々、SFっぽかったり、いわゆる日本の怪談っぽかったり、サイコっぽかったり?
その中で面白かった(印象深かった)のは
①血液型別あなたの今日の運命 友井羊
②胡瓜を焼く 田辺青蛙
③今朝早く、私の左目は旅立だった。 矢崎存美
④鴨 北野勇作
⑤つい… 柄刀一
⑥聖女の恋文 篠田真由美
⑦記憶 福田和代
⑧夕暮れ色のビー玉 光原百合
⑨甘えん坊の猫について 林譲治
①1番印象に残ったのはコレ!とにかく終始ハイテンションなのが怖い
②「和」な話 幽霊を焼いて出来るクルクルしたものってなんだろう?
③タイトルからして面白すぎる
④安部公房を思わせるような?混乱…
⑤ストーリーというよりキャラが印象的。シリーズ物?みたいな
⑥ゴシックな雰囲気が素敵
⑦これは普通に面白かった 比較的分かりやすい展開
⑧淡い初恋のようなんだけど…めちゃくちゃ
⑨猫が出てくれば面白いに決まってる
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『捨てる』『毒殺協奏曲』『隠す』『迷: まよう・惑: まどう』に続くアミの会(仮)第5弾。
今回は13人のゲストを招いて全25作、文庫書き下ろしとなっています。
テーマは「怪」
ホラー、ミステリ、サスペンスと多種多様な物語がショートショートで展開されています。
印象に残ったのは芦沢 央さんの「母校」新津きよみさんの「グリーフケア」
彩瀬まるさんの「甘い種」福田和代さんの「記憶」
光原百合さんの「夕暮れ色のビー玉」近藤史恵さんの「私のスペア」
25編もあり初読みの作者さんもいて新鮮ではありますが、初期の様な女性作家による10編程度の方がよりインパクトがあって充実した1冊の本となっている様な気がしました。 -
よく知った名前の作家さんたちの作品25編一気読みできる豪華な本だった!アミの会(仮)のメンバーは私の好きな作家さんが多くて、次のアンソロジーが楽しみ。光原先生の新作がもう読めないのはつくづく残念。
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2020年の㉘
★★★☆☆
『怪』だから『怖』くはないよね。