友が消えた夏 終わらない探偵物語 (光文社文庫 も 25-1)

著者 :
  • 光文社
3.27
  • (4)
  • (8)
  • (11)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 177
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334794835

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 納得感の一冊。

    ずっと奥歯にものが挟まったような感覚だった。それも小さな小さなものが。

    探偵 蜘蛛手の元に持ち込まれた過去のとある事件。
    その不可解な謎を紐解くミステリは、ある時点で小さな違和感、ひっかかりを感じつつも、とりあえず読むしかない状態にさせられた面白さ。

    ついにその小さなものの正体が判明した時の瞬間と言ったら、スッキリ爽快!の一言。

    しかもそのたった一つが次なるひっかかりを、また次をとどんどんほどいていく組み立てにはひたすら驚きと納得感でいっぱい。

    そしてタイトルにも納得、オチには心臓がぎゅっと縮む思い。

  • 初めての作家さん。密室ミステリーで鮎川賞受賞と言う事で期待して読み始めたが、トリックなどが詰め込み過ぎてて消化不良気味。疲れた、が正直な感想。

  • 過去の2つの出来事と現在の話が交互に書かれている。過去の話が交差し始めるまでは話のテンポが遅く、ちょっとモヤモヤイライラしました、、笑
    中盤くらいから次々に事件が起こり、今何がどうなってるんだ?!と、読んでは整理してを繰り返してました。トリックというか、作中にもある通り、読み手がどう受け取るかで見方が変わるのは面白かったです。これで解決に向かうのか、、?と思いきや、いやこれはどっちなんだ??と、最後のページとタイトルを眺め、モヤモヤした気持ちのまま終了。これはシリーズものなんですかね?最後どうなったのか気になるのと、その設定ならここはどうなるんだ?という疑問も多々残っているため、続編が出るのなら読みたいです。
    サイコパス要素もあったり、仕掛けも面白かったのですが、ちょっと読みづらかったなぁという感想を持ちました。(初めて触れる作風だったからかもしれないです)

  • とにかく読みにくかった。
    物語の性質上仕方なかったのはわかるけど、読みにくいし途中で別な話が始まるし(繋がってるけど)面白くないわけではないんだけどきつかったなぁ。そしてよくわからなかった。
    とにかく犯人がサイコパスってことだけはしっかりわかったし、気分の悪くなる話だった

  • 前作(卵の中の刺殺体)が微妙な出来だったので心配だったが、今作は面白かった。

    毎回建築探偵らしく建物を使った大胆なトリックがほどこされているので、注意して読んでいたが今回はほぼかんけいなかった(笑)。その点も今までの読者の心理を逆手にとっていて良いと思う。
    ただタクシー編はもうちょっとあっさり書かれていてもよかったのかな。

  •  ナルホドそういうことなんだ。
     三者の結びつきに納得すると、構成の妙に感嘆。
     ただ、材料が充分にこなれているかというと、やや物足りなさもあるか。

  • 犯人が誰かは1/3くらい読み進めればわかる。わかるように書かれている。この作品の独自性はその動機と、犯人のもつ複数の障害が関係していることにある。なるほど、作品としてよくできている。でも、とても後味が悪い。後味の悪さは意図されたものであることが登場人物の語りから読み取れる。下肢切断して義足を使用している方や、認知機能が低下している方と日常的に接し続けている医療従事者として、このトリックと、それをトリックとして作品を紡ぐこの著者は、倫理的に受け入れ難い。

  • 文庫王国・ミステリ部門1位。著者のことは知らなかっただけど、さもありなん、文庫は本作が初とのこと。2つのパートが交互に描かれるんだけど、かなり後になるまで、何が起こっているのか分からないまま。それぞれがスリリングな展開だから、細かい部分は気になれど、読まされる。大学サークルパートについては、序盤の会話があまりにバカバカしくて萎えるし、一方も、『これ、ひょっとしてスーパーナチュラルが絡んでる⁇』って身構えてしまう。そのままだと最低評価になっちゃうんだけど、最後の種明かしで上手くどんでん返され、なるほどとなっちゃう。結構面白し。

  • 断崖絶壁の館に並んだ首なし白骨死体!
    「まさか!」のつるべ打ちに驚愕必至
    三冊分のトリックが詰めこまれた奇想の本格推理!

    一級建築士で探偵の蜘蛛手啓司は、相棒の宮村達也からある事件の記録を渡される。名門大学演劇部の劇団員たちが、夏合宿中、一夜にして首なし白骨死体と化した衝撃的な事件。その詳細な記録が、連続窃盗犯の所持品から見つかったのだ。犯人と目された人物の死体も発見され、事件は一応の決着を見ていたのだが――。
    本格界の鬼才が剛腕から放つ前代未聞のトリック!



    被疑者死亡のまま解決した殺人事件。お気楽な学生たちが大学が所有している別荘に、合宿を行うことになる。そして、起こるクローズドサークルと殺人事件。
    そして、名古屋に住む女性がタクシーで拉致される。朝一の新幹線で東京へ出張するはずだったのに、拾ったタクシーで拉致されてしまう。その数日前から彼女の周りで不審なことが起こる。そして、拉致された理由とは。


    大学生の合宿の事件とタクシー拉致事件が一体なんの関係があるのか。全然分からなくて読み進めていく。こっちの大学生が次々に殺され、こっちのタクシー拉致事件では、最近彼女の周りで起こった気持ちが悪いことを思い出していく。


    なんというか、学生の事件のトリックが複雑すぎたのか、私の読解力がなかっただけなのか、少し難しくて分からなかった。でも、すごいことは分かった。そして、タクシー拉致事件は大学生の合宿の事件の関係者なのだろうなと思いながら読んでいたが、まさかの人物だった。


    そして、最後が怖かった。お願いだから探し当てて。そして、逃げてくれって本気で思った。それと同時に、最近こういうかんじのサイコパス的な話が多いような…気のせいか。
    そして、たぶん実写化はできないんだろうなぁとも思った。


    2023.8.30 読了

  • トリックが詰め込みすぎて途中からワケわからなくなるけどよくできた密室トリックだったと思います。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2001年に『建築屍材』で第11回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著作に『エンデンジャード・トリック』『首なし男と踊る生首』『灰王家の怪人』『屍の命題』『浮遊封館』など多数。

「2021年 『卵の中の刺殺体 世界最小の密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

門前典之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×