- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910280
感想・レビュー・書評
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この作家さんは代表作クリーピーで描いている様に悪人の主人公の描写が凄い作家です。
この作品も最初は同じ様に惨殺の描写が激しかったのですが、終盤は少し様変わりでした。
万人受けの小説ではないですが中々に良い作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1月-7。3.5点。
売春を商売とした、大学教授の物語。
取材形式で語られていく。事件の謎を少しずつ解きほぐす形式。
ずっと働いていた中学生女性が、全員死亡する前に解放される。その女性の正体は?
終盤に掛けて一気読み。女性の正体は薄々わかったが、なかなかの衝撃。面白かった。 -
ジャーナリストが木暮という男が起こした殺人事件を取材しながら、
ノンフィクションノベルを書いているという体のお話。
事件そのものを深く解明していくと同時に、木暮のバックボーンを
もっとじっくりと丁寧に描いて欲しかった。
ジャーナリストを主人公にしている意味がない。
ジャーナリストなら、犯人の生い立ちに興味が沸くよね?
こんな悲惨な事件を起こした犯人の深淵を覗きたくなるよね?
そこが描ききれていないのが、この作品を全くおもしろくしていない。 -
死屍累々のタイトル通り、数多くの死体が折り重なるような悲惨な事件がテーマ。
殺人犯だから怖いというより、何を考えているのか分からないところが不気味…。 -
架空の事件を題材にしながらも、あたかも実際の取材記事のような、ノンフィクション・ノベルという形式で描かれる。
今作はいつもと異なる作風でありながらも、やっぱり前川作品らしく(?)気持ちの悪いお話で、なのに、先を読まずにはいられないという不思議な魅力に憑りつかれて一気読み。実際に北九州とか尼崎で起こった監禁事件を彷彿とさせる「はぎのや」乗っ取り事件。この手の話であれば、誉田哲也さんの「ケモノの城」も読んでいるけど、あちらは北九州監禁事件をまさにベースにしたものであり、一方、こちらはあえて架空の事件を架空の取材記事に乗っ取ったノンフィクション・ノベル形式で描かれているせいか、木裏の動機など曖昧な部分が最後まで残っていても作品として許せる気がするし、かえって真実味や事件の凄みがあるように思えた。正直、不快感極まる事件の内容なので、読み手を選ぶ作品だとは思うが、私は興味深く読めた。 -
読み進むごとに背筋が寒くなるようなフェイク・ドキュメンタリーミステリ。
多くの犠牲者を出した「木裏事件」。事件に直接関与した生き証人が少ないこともあって、30年を経ても全貌のつかめないその事件の詳細を調べるジャーナリスト。綿密に組み立てられ淡々と語られる事件の経緯は、おぞましくも不思議な印象です。
これはもちろんフィクションだけれど。現実にもこのような事件って起こってるんですよね。とんでもなく凄惨なのだけれど、なぜ彼らがそんなことを起こしたのか、そして巻き込まれた人たちもなぜ唯々諾々と従ってしまったのかが疑問に思えて仕方ありません。もちろん当事者になってみないとわからないこともありそうですが、「事件」そのものの圧力に呑まれてしまったような気がしました。一見逃げられそうに思えるのになあ、と感じてしまうところがなんとも気味が悪くて恐ろしいです。
そして唯一生き残った彼女の存在によって謎が解かれるラスト。これで多くのことが腑に落ちたようにも思えましたが。それでもまだすっきりしない気分は残りますね。それが印象的。 -
あらすじをざっと読んで、面白そうだと思いよんだが今まで読んだ本の中で一番しんどかった。あらすじの段階で壮絶だが、中身はもっと壮絶。勝手に新興宗教団体者だと当たりをつけ読み始めたが、全然違った。平和だった家庭が徐々に他人の暴力的な支配によって壊されていく様が悲惨。殺害の描写が詳細に書かれ、脳裏にリアルに浮かんで気分が悪くなった。長くホラーやミステリで人死にを扱っている作品を読んできたが、これほどに胸糞悪くなったのは初めてだと思う。読了後もその胸糞悪いというのがぬぐえない。再読は絶対したくない。
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ミステリ