人間性剥奪

著者 :
  • 光文社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911027

感想・レビュー・書評

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  • 中学校の給食に毒が混入されていて、死亡する生徒も出てくる。ある生徒がいじめをうけており、その復讐との見解から、関係者達が調べられていくが犯人の真の目的は実は…。

    序盤から露骨にミスリードを誘う記述がわんさか、真相は思いつかなかった。学生たちの力関係も、気分は良くないがリアルかなと思った。

    いじめ、無差別テロというテーマがあるのかと思いましたが、どちらも実はみせかけのテーマだったというのが悲しい。実際に起こりえそうな展開ということかもしれないが拍子抜けで残念。

  • 成熟社会で人間性を喪失していると言っても過言ではない人が多い今の日本を考えると、テーマはとても、とても良かったと思う。

    けれど警察の捜査態勢の脆弱さや、関係者もろもろの行動の軽率さなどがあって、全体的に展開が稚拙な感を受けてしまった。
    せっかくのテーマだし、ある面から見たら犯人に読者が賛成票を投じてしまいかねないような物語にしてほしかったなぁと思う。

    テンポは良いのでサクッと読めると思います。

  • 献本で頂きました。
    ありがとうございます。

    とある中学校で起きた毒殺事件を皮切りに、緊張感のある物語がめくるめくように進んでいき、一気に読み通してしまいました。

    クライマックスで明かされる、〈人間性〉の正体は、全体を通して存在感が薄く、本当にこの人でいいのか?と感じました。
    しかしその立ち位置は、彼のいう「盆栽」の美学と重なる部分があり、お見事と思いました。

    物語の諸所に登場する、人間になりたいネコの童話が好きでした。
    人間がいかに思い上がっているかを感じさせられます。
    同時に、読書は人間にしかできない営みであるということも、改めて実感しました。

    私も知らないうちに人間性を剥奪されないように、気をつけようと思います。

  • ブクログの献本に初めて当選した!!!凄い!嬉しい!お茶でもいれて早速読もうかな。
    ↓↓
    タイトルだけ見て、グロテスクな話だったらちょっとしんどいかなあ…と思ってたけど王道ミステリーで安心した笑
    話の舞台は現代ど真ん中だけど雰囲気は平成初期って感じがする。メディアの位置付けとか捜査のアプローチとか。
    フィクションなのは分かってるけど、この事件は実際に起こってもおかしくないなあと思った。嫌な時代やねえ。

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著者プロフィール

1960年埼玉県出身。北大教養部理Ⅲ系中退、一橋大学経済学部卒。2010年『ラガド煉獄の教室』で第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。著書に『人間性剥奪』『ブラッグ』『ハンザキ』『困った作家たち』など。ショートショートから長篇まで、幅広く執筆している。twitterで「両角長彦の140字小説」発信中。

「2020年 『ある実験 一人選べと先生が言った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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