信長さまはもういない

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911102

感想・レビュー・書評

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  • 信長亡き後の池田恒興の物語。ちょっと信長依存が強いんでないかい?という池田恒興が信長のいない世でどう生き、最終回にどんな道を選んだか。現代を生きる私達にとっても大事なメッセージが込められた作品だと思う。

  • 信長さまはもういに
    著作者:谷津矢車
    姉川の戦いのあと、信長から「貴様はどうも面白うないぞ」と言われる。そして渡されたのが、信長が書き留めた覚書。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  •  信長の乳兄弟、池田恒興。姉川の戦いの後、信長の勘気を蒙り、その時に帳面を渡される。恒興は、それを”秘伝書”と呼んで大事にしていた。本能寺の変、山崎合戦、清洲評定、小牧長久手の戦い…信長亡き後の恒興の物語。

  • 池田恒興は個人的に気になる部将だったので、探してみたら池田恒興が主人公の珍しい本を見つけ、読んでみた。

    史実をやや端折りながらも、信長亡き後の池田恒興の生き様を想像を混ぜながら描いている。
    どうしても、池田恒興という人物に焦点を当てている為か、物語の進行は地味だが、人物間の関係性や背景は綿密に描かれているので、読み終わった後に史実を観て想像できるのは面白い。
    最後は、タイトルの意味を二重で合点することが出来る。

  • 池田恒興の視点から、信長を描く。信長は死しても尚、彼の指標となっていく。
    本書で描かれているように、自分で考えずに、上が言ったことにただ従って生きている人、もしくは、そうとしか生きられない人も一定数いるのだろう。しかし、信長や上は「面白うない」と思っているのかもしれない。自分で考えて、生きていきたい。

  • 信長亡き後、残された池田恒興の生涯。
    そこが戦場であっても、そうでなくても、自分の人生は自らが決めるしかない。
    その意気に辿り着くまでの長い道のり。
    生きるという事はそんなものなのかもしれない。

  • この作者とは相性が悪いと思う。
    以前も書評を読んで面白そうと思って読んだ「曽呂利!」がダメだった。
    もしかしたら「本の雑誌」の時代小説担当者と相性が悪いのかもしれないけど。

    どうも人物が好きになれないのだ。
    この作品の主人公は池田恒興。
    「信長協奏曲」の恒ちゃんは好きだったのだけど、これはだめだ。

    姉川の戦いのあと、信長から「貴様はどうも面白うないぞ」と言われる。
    そして渡されたのが、信長が書き留めた覚書。
    戦や政において感じたことや感得したものを。
    「これを読み、わしの思うところを理解せねばーわしは貴様のことを断じて許さぬ」

    ここまで言われたら、読むよね、普通。
    何を言わんとしているのか、理解しなければならない。
    断じて許さぬなんて、幼なじみだから言ってもらえた言葉。
    普通なら取り立ててもらえなくなって、終わりだ。

    けど。
    書を読むのが苦手だから。
    という理由で…読んだのか読まないのか、とにかくその覚書は「信長さまの秘伝の書」ということに恒ちゃんの中ではなったらしい。

    何か困った時、考えることが苦手な恒ちゃんはおもむろに「秘伝の書」を取り出してぱらぱらめくって開いたページを読む。
    託宣のようなその言葉に従って、恒ちゃんは行動を決める。

    こんな武将は嫌だ。
    自分では何も考えず、上から言われるままに動くだけ。
    ということは、本当の覚悟も持たないまま、部下を死地へ追いやっているということ。
    無責任極まりない。

    最後の方でようやく、自分の頭で考えることの意味を知り、妙にテンションが高くなっているのも気持ち悪い。
    自分に酔ってる?もうすぐ50の大台に乗る武将が?

    信長が死んだ後までずっと信長にぶら下がっていて、最後に一人で立ったと思ったら自分に酔う?
    いやあ、無理。

  • やっぱこの時代は面白い。
    池田中心も初めてやけど、この作家さんのなかなか読みやすくて面白い。

  • 信長亡き後、喪失感にさいなまれる池田恒興。乳兄弟でもあり、最も古い家臣として彼の背中だけを見つめてきたのだ。信長が遺した秘伝書は、苦境の度に恒興を救ってくれたが……。時代小説界の若き新星が、トップに仕える男の苦悩と葛藤を描く。

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著者プロフィール

1986年東京都生まれ。2012年『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞を受賞。2013年『洛中洛外画狂伝』でデビュー。2018年『おもちゃ絵芳藤』で第7回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。演劇の原案提供も手がけている。他の著書に『吉宗の星』『ええじゃないか』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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