ウミガメみたいに飛んでみな

著者 :
  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913311

感想・レビュー・書評

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  • 脇が面白い。のんこの婆ちゃん、ただ優しいんじゃなくてなかなか強いし。利一がいじめられるのもなんかわかる。一人で立てる子の足引っ張るのが日本。残念ながら。可愛い亀に会いに行きたいな。

  • 家族って、不思議だ。
    他人といえば他人なのだけれど、
    同じ場所で同じ時間を長く過ごし、
    家族だけのルールみたいなものを持つ。
    不思議な安心感と慣れによる退屈、
    信頼感と疎外感を内包している。
    変わり映えしない日々の中に、
    ある時、激震を迎えたりする。
    口に出して言わないけれど、
    大きな変化や曲がり角を共有している。
    懐かしさや愛情も奥の方に隠している。

    「ウミガメみたいに飛んでみな」は、
    そんな家族の不思議さ、愛しさを描く物語だ。
    家族って素晴らしい!
    そんな手放しの家族礼賛の物語ではない。
    家族の衝突、すれ違い、軋轢も描く。
    それでも分かちがたい絆やつながりがある。
    あり得ないことも起きる。
    でもどこの家族にも、
    こうしたことのひとつやふたつ
    経験があるのではと思う。
    それが家族というものだ。

    表題の物語を含めた7つの短編集。
    それぞれはほんの短い物語なのに、
    なんだか長い物語を読んだような深みがある。
    幾つもの大きな物語の波にゆったりと浸かり、
    すっかり身を任せられる。
    優しい気持ちに包まれる。
    また一人、いい作家さんに出会えた。
    嬉しい。

  • ディグ アウト ユア ナイフ
    父親の言葉、お前の中に武器を持て、お前がお前でいられるための武器だ。
    父さんは武器をもってるの?
    臆病であること

  • 「気は優しくてなさけないモラトリアムを生きる若者たちを瑞々しく描いた傑作小説集」(帯より)

    道民としてはなじみやすいワード・フードに親しみ持って読めました

  • ほっこり家族の絆系短編集。
    歳をとるにつれ家族のあり方は変わっていくけど、正しい家族像なんてきっと無くて、時と共に悩んで見出すものなんだなとしみじみ。

    ただ最後に全部の話が繋がるという期待通りにはならず、なら一冊の本である必要ある?とも思い。受賞作に合わせて他の話を作った感じがちょっとあったので星3つです。

  • 就職活動はうまくいかなくて、そもそも特にやりたい仕事もなくて、彼女とは喧嘩になり、未来が全然見えない。実家の母親はすでに亡く、父親はアイドルグループにはまっていた──。第11回小説宝石新人賞受賞作を含む、青春「家族」小説集!

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